北九州では豪雨で被害も出ていますが、皆さんのところでは如何ですか?
6月30日に、財務省が開催していた「国際航空物流と税関行政に関する懇談会」の座長取りまとめが公表されました。
成田空港の平行滑走路の2500mへの延伸が今年10月、羽田空港の拡張が2010年10月には実現し、首都圏では①昼間時間帯の路線は制約があるものの24時間稼動の羽田と ②24時間稼動できない成田
とを一体的に運用して、国際航空機能を高めることは、アジアの空港と厳しい競争をしているわが国にとって重要な課題です。
懇談会は、このような問題意識を背景に、関係者から事業展望や税関行政に対する意見要望等を伺うことを目的に開催されたもので、2空港の一体的運用における税関行政への要望のうち、
① 国際航空貨物に関する申告官署 ② 首都圏空港間の積込港変更手続き等 ③保税運送手続きの簡素化 ④航空機材の資格変更手続きの4項目については、当面の対応の方向性が出されています。
詳しくは、「取りまとめ」をご覧頂くとして、注目される①の申告官署について内容を見てみましょう。
http://www.mof.go.jp/singikai/koukuu_butsuryu/ka210630.htm
:::::::::
成田、羽田で積卸される輸出入貨物の輸出入申告は、主に東京税関の本関、成田航空貨物出張所、成田南部航空貨物出張所、東京航空貨物出張所、羽田出張所の5つの官署で行なわれています。
このように、いくつもの官署となっているのは、成田、羽田の輸出入貨物の保管場所が空港内だけにとどまらず、各フォワーダーの事業判断で空港近辺や都内などに所在していたり、成田空港建設時の経緯から東京と成田の中間ぐらいの千葉県市川市にフォワーダーの施設があったりするため、それぞれに税関行政サービスを確保するためなどで官署ができていったからです。
このように、貨物の保管場所は、フォワーダーの判断などで千葉県から東京まであちらこちらに分散しており、これは成田・羽田延伸や拡張が実現しても変わりません。
そこで、分散保管を前提に、フォワーダー(通関業者)は通関手続きについてできるだけ集中処理して事務効率を高める方策として、次の要望をしています。
① 輸出入申告は、先ほどの、どの官署にも出来るようにしてもらいたい。
② 貨物の検査は、(申告した官署に持込むのではなく)貨物の保管場所で対応して欲しい。
この要望は、フォワダーの単純な事務効率だけを考えれば頷けますが、一方、行政サイドから見れば官署毎の申告件数がフォワーダーの処理方法の変更だけで短期間に大きく変動する可能性があるため必要な審査・検査のための配置職員数に過不足が生じやすく、水際でのセキュリテイや適正通関に問題が生じる恐れがあるとの心配があります。
また、通関業者においても、申告に当たって必要な場合は貨物を事前点検したりする必要がありますし、税関の貨物検査時には的確に説明するなどの対応が必要ですので、羽田空港保管の輸出入貨物の申告を成田の税関に行うことにより事務効率は高まっても、通関業法で求められている通関業務の質が落ちるようでは困ります。
このため、「取りまとめ」では、次のようにいろんなポイントを踏まえつつ、・・・・可能な範囲で積極的に検討する必要があるものと考えられる。・・・・と結んでいます。
::::::::::::::
「取りまとめ」(抄)
① 国際航空貨物に関する申告官署
・ ・・・略・・・
こうした要望については、首都圏空港の一体的な運用が「基本方針2008」に盛り込まれていることに配慮しつつ、税関に求められるセキュリテイや適正な通関の確保及び的確な人員配置の要請、事業者に求められる貨物の現況に基づく適正な申告及び税関の検査等への的確な対応の必要性を踏まえ、可能な範囲で積極的に検討する必要があるものと考えられる。
::::::::::::::
この問題は、通関業務に現にタッチしている方の関心が高いのではと思います。
匿名で結構ですから、自由なご意見や感想を頂ければありがたいですね。



写真は、羽田の案内表示と国際便出発便の時刻表、今年10月に供用が決定した成田・平行滑走路の上空を試験飛行する飛行機です。
6月30日に、財務省が開催していた「国際航空物流と税関行政に関する懇談会」の座長取りまとめが公表されました。
成田空港の平行滑走路の2500mへの延伸が今年10月、羽田空港の拡張が2010年10月には実現し、首都圏では①昼間時間帯の路線は制約があるものの24時間稼動の羽田と ②24時間稼動できない成田
とを一体的に運用して、国際航空機能を高めることは、アジアの空港と厳しい競争をしているわが国にとって重要な課題です。
懇談会は、このような問題意識を背景に、関係者から事業展望や税関行政に対する意見要望等を伺うことを目的に開催されたもので、2空港の一体的運用における税関行政への要望のうち、
① 国際航空貨物に関する申告官署 ② 首都圏空港間の積込港変更手続き等 ③保税運送手続きの簡素化 ④航空機材の資格変更手続きの4項目については、当面の対応の方向性が出されています。
詳しくは、「取りまとめ」をご覧頂くとして、注目される①の申告官署について内容を見てみましょう。
http://www.mof.go.jp/singikai/koukuu_butsuryu/ka210630.htm
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成田、羽田で積卸される輸出入貨物の輸出入申告は、主に東京税関の本関、成田航空貨物出張所、成田南部航空貨物出張所、東京航空貨物出張所、羽田出張所の5つの官署で行なわれています。
このように、いくつもの官署となっているのは、成田、羽田の輸出入貨物の保管場所が空港内だけにとどまらず、各フォワーダーの事業判断で空港近辺や都内などに所在していたり、成田空港建設時の経緯から東京と成田の中間ぐらいの千葉県市川市にフォワーダーの施設があったりするため、それぞれに税関行政サービスを確保するためなどで官署ができていったからです。
このように、貨物の保管場所は、フォワーダーの判断などで千葉県から東京まであちらこちらに分散しており、これは成田・羽田延伸や拡張が実現しても変わりません。
そこで、分散保管を前提に、フォワーダー(通関業者)は通関手続きについてできるだけ集中処理して事務効率を高める方策として、次の要望をしています。
① 輸出入申告は、先ほどの、どの官署にも出来るようにしてもらいたい。
② 貨物の検査は、(申告した官署に持込むのではなく)貨物の保管場所で対応して欲しい。
この要望は、フォワダーの単純な事務効率だけを考えれば頷けますが、一方、行政サイドから見れば官署毎の申告件数がフォワーダーの処理方法の変更だけで短期間に大きく変動する可能性があるため必要な審査・検査のための配置職員数に過不足が生じやすく、水際でのセキュリテイや適正通関に問題が生じる恐れがあるとの心配があります。
また、通関業者においても、申告に当たって必要な場合は貨物を事前点検したりする必要がありますし、税関の貨物検査時には的確に説明するなどの対応が必要ですので、羽田空港保管の輸出入貨物の申告を成田の税関に行うことにより事務効率は高まっても、通関業法で求められている通関業務の質が落ちるようでは困ります。
このため、「取りまとめ」では、次のようにいろんなポイントを踏まえつつ、・・・・可能な範囲で積極的に検討する必要があるものと考えられる。・・・・と結んでいます。
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「取りまとめ」(抄)
① 国際航空貨物に関する申告官署
・ ・・・略・・・
こうした要望については、首都圏空港の一体的な運用が「基本方針2008」に盛り込まれていることに配慮しつつ、税関に求められるセキュリテイや適正な通関の確保及び的確な人員配置の要請、事業者に求められる貨物の現況に基づく適正な申告及び税関の検査等への的確な対応の必要性を踏まえ、可能な範囲で積極的に検討する必要があるものと考えられる。
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この問題は、通関業務に現にタッチしている方の関心が高いのではと思います。
匿名で結構ですから、自由なご意見や感想を頂ければありがたいですね。



写真は、羽田の案内表示と国際便出発便の時刻表、今年10月に供用が決定した成田・平行滑走路の上空を試験飛行する飛行機です。
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