こんにちは~!
予定されている関税法改正が実現すれば、4月から関税法にもとづく日本版AEO制度が拡充され、これまでなかった名称がいくつか法律で出てきます。
また、この改正で、サプライチェーンに関係する業種が線としてつながるAEOがそろいます。
このため、これからの関税法の世界は、日本版AEO制度によって税関の承認や認定を受けた輸出者や輸入者、通関業者、フォワーダーが、NACCSを利用して貿易手続きを行う世界が、一般的なものになっていくことが想像されます。
言い換えると、このような枠組みの中に入らない者は、これからの手続きや審査・検査の税関の優遇的施策の対象にならないし、世界的にも相対的な不利益を受けると言うことになる可能性があります。
したがって、今は未だよちよち歩きのAEO制度ですが、制度の主流になるかもしれませんので、よく、ワッチしていきましょう。
今回から、そんな問題意識で、何回かにわたって4月から出来る新しい名称を見ていきましょう。
1 「認定通関業者」の認定について
通関業者は、もともと通関業法によって税関長から営業の許可を受けた者で、同法で法令遵守とか業務適正、執行とかの監督を受けています。通関業法で、例えば第一種とか第二種とか区分を設ける方法もあったのかもしれませんが、関税法の改正で「認定通関業者」という概念を設けるような改正内容になっています。
関税法改正案の第79条以下にその概要がありますが、「認定」とは、条文の中の表現を借りれば「・・・通関業務を・・・適正かつ確実に執行できることが出来るものと認められる旨の認定」です。
○ 税関長の認定要件は、ざっくり見て次の4点です。
①3年間関税法等の違反がないこと
②NACCSを使用して業務を行うこと、その他業務適性遂行能力があること
③輸出入業務についての法令遵守規則を定めていること
④三年間の通関業務実績があること
こうして認定要件を見ると、先ほどいいましたように、もともと通関業者は税関長の監督を受けつつ正しい通関手続きのために通関士の審査制度もあって、適正な業務遂行のための体制をとっていますし、法令遵守規則も数年前から業界として規則のモデルを作ったりしていますから、多くの通関業者にとってそう高いハードルではないように思われます。
2 「認定通関業者」の認定を受けることによるベネフィットについて
では、この認定を受けるとどんなメリットやベネフィットが通関業者にあるんでしょう?関税法はこの点について、この認定を受けた通関業者に依頼して通関手続きを行う者(次回以降で触れたいと思います。)の、輸出申告や輸入申告について、一般の申告よりもベネフィットを用意しています。
ちょうど、自動車の免許を取得する際に、認定の自動車学校を卒業していれば、学科試験は試験場で受験する必要がありますが実技試験は免除されますが、同様に認定通関業者に通関依頼すれば、簡易で早く通関できることが期待できると言うことのような仕組みです。
これは、通関業の免許があっても、認定を受けなければ業界の競争上不利になって、ゆくゆくは淘汰されると言うことになっていくのかもしれません。
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通関業界では、以前から業務水準の維持・向上に向けていろんな活動をしたり、優良な業者や通関士の育成策を検討されていますが、この認定制度が、業界の努力に合致するものであればいいですね。
予定されている関税法改正が実現すれば、4月から関税法にもとづく日本版AEO制度が拡充され、これまでなかった名称がいくつか法律で出てきます。
また、この改正で、サプライチェーンに関係する業種が線としてつながるAEOがそろいます。
このため、これからの関税法の世界は、日本版AEO制度によって税関の承認や認定を受けた輸出者や輸入者、通関業者、フォワーダーが、NACCSを利用して貿易手続きを行う世界が、一般的なものになっていくことが想像されます。
言い換えると、このような枠組みの中に入らない者は、これからの手続きや審査・検査の税関の優遇的施策の対象にならないし、世界的にも相対的な不利益を受けると言うことになる可能性があります。
したがって、今は未だよちよち歩きのAEO制度ですが、制度の主流になるかもしれませんので、よく、ワッチしていきましょう。
今回から、そんな問題意識で、何回かにわたって4月から出来る新しい名称を見ていきましょう。
1 「認定通関業者」の認定について
通関業者は、もともと通関業法によって税関長から営業の許可を受けた者で、同法で法令遵守とか業務適正、執行とかの監督を受けています。通関業法で、例えば第一種とか第二種とか区分を設ける方法もあったのかもしれませんが、関税法の改正で「認定通関業者」という概念を設けるような改正内容になっています。
関税法改正案の第79条以下にその概要がありますが、「認定」とは、条文の中の表現を借りれば「・・・通関業務を・・・適正かつ確実に執行できることが出来るものと認められる旨の認定」です。
○ 税関長の認定要件は、ざっくり見て次の4点です。
①3年間関税法等の違反がないこと
②NACCSを使用して業務を行うこと、その他業務適性遂行能力があること
③輸出入業務についての法令遵守規則を定めていること
④三年間の通関業務実績があること
こうして認定要件を見ると、先ほどいいましたように、もともと通関業者は税関長の監督を受けつつ正しい通関手続きのために通関士の審査制度もあって、適正な業務遂行のための体制をとっていますし、法令遵守規則も数年前から業界として規則のモデルを作ったりしていますから、多くの通関業者にとってそう高いハードルではないように思われます。
2 「認定通関業者」の認定を受けることによるベネフィットについて
では、この認定を受けるとどんなメリットやベネフィットが通関業者にあるんでしょう?関税法はこの点について、この認定を受けた通関業者に依頼して通関手続きを行う者(次回以降で触れたいと思います。)の、輸出申告や輸入申告について、一般の申告よりもベネフィットを用意しています。
ちょうど、自動車の免許を取得する際に、認定の自動車学校を卒業していれば、学科試験は試験場で受験する必要がありますが実技試験は免除されますが、同様に認定通関業者に通関依頼すれば、簡易で早く通関できることが期待できると言うことのような仕組みです。
これは、通関業の免許があっても、認定を受けなければ業界の競争上不利になって、ゆくゆくは淘汰されると言うことになっていくのかもしれません。
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質問があります。
輸出申告時に動物検疫所の輸出検疫証明書を提出する際、
ずっと写しをインボイス、パッキッグと一緒に綴じて申告して許可を
もらっていました。
先日、審査官から70条の証明の確認に際し、外為法の輸出許可書同様
に原本の提示が必要であると言われました。
原本は輸入国で必要なため営業担当者は輸出者に渡します。
営業担当も”何をいまさら。じゃあ、なぜ今まで税関は許可してたの?”と言いだす始末。
関税法基本通達の表現が曖昧なためもあり、税関からも具体的な指導はありません。
証明書も担当官のサインがあるだけで一応”ORIGINAL"と捺印があるだけでNACCSのEMCにリンクしています。
70条の2項であれば写しで良さそうなのですが・・・
写しを嫌う税関審査官と原本を出したがらない営業担当の板挟みで
困っています。
原本を提示して許可後即返却してもらえばいいのかなとは思いますが、
正直そこまで疑義のある証明書とは思えません。
70条の他法令確認のための証明書は、原本が本来です。コピーでも良いなんてのは、印鑑証明を出すときにコピーで良いというのと同じようなものです。
ファイトさんが仰っている通達の表現があいまいというのは、どこをさしているんでしょう?
原本がどうしても出せない理由(例えば、同時に複数港で手続きをする場合)のときは、証明側でオーソライズドコピーを発行するなんてやり方もあったようです。
社内でいままでコピーでも認めてもらっていたので、それが当たり前の事務処理になっているんでしょうね。
想像するに、どこかで、誰かが、コピーで認めてくれていたのを悪用して不正を図ったために、原則で処理しようとしているのかもしれないですね。
輸入国側で、原本が必要で、原本が一つしかないなら、コピーと原本を
出して、原本を返してもらうというやり方でしょうか?
このような実務は、通関業者の方のほうが詳しいでしょう。
御叮嚀に返信ありがとうございました。
また返事が遅れてすみません。
この件については、申告時に”原本”を提示し税関で確認後返却していただくことになりました。
これは、お互いに前任者から続いた悪い例だったようです。
気がついて指摘したのは税関の若手の方でそれまでは上席クラスでも
そのまま許可していました。
通達の曖昧な点というのは個人的な認識不足なのでしょう。
70条の2項の自動車の輸出抹消書類はコピーでいいことになっていますし、麻薬等の業の届出書もコピーです。
コピーという考えが異例であり原則は原本ということで理解しました。
ただ輸出するためにただ1通の書類を税関にしばらく預けるというのも
少し不安ですね。
過去に区分1の書類が見当たらないということで申告書の再作成も数えること4回。
ホント、税関に書類持って行く時受領印が欲しいくらいです。(笑)
ホントにかずさんのご指摘通りの会社でこれじゃ、AEO業者はほど遠い
です。
明確な回答ほんとにありがとうございます。
私は、今年3度目の通関士試験挑戦です。
自動車の普通免許も筆記で3回目にて合格しました。
実務の評価、法令の改正点、通達の改正点をよく勉強したいと思います。
今後も参考にさせていただきます。
おはようございます。
一通だけの証明書を、なくしたりしたら困りますね。ご心配は同感です。
通関士試験に挑戦とか、この2年間は合格率が下がっていますね、頑張ってください。
コメントの内容からは、どういう事案かはっきりしませんが、コンテナ扱いの通関で、申告外の盗難?車などが発見されたんでしょうね。
関税法は、無許可輸出の未遂罪で調べられるでしょうし、盗難車であれば警察が窃盗罪やぞうぶつ罪の疑いで調べるでしょう。
1 その過程で、通関業者も調べを受けているはずですから、その結果は違法性はないとして、罰則は受けないことは確定したのでしょうか?
2 また、法律違反はないとしても、通関業者の注意義務とか、業務履行の能力というような点で、過失や、不注意があったということはありませんか?
Dさんの質問への私の意見は、上記1,2の事実関係如何で、たぶん法律の処罰はないようですので、2の点でしょうね。
つまり
① 認定通関業者の認定を受けられるか否かは、関税法79条に該当するかどうかが唯一のポイントです。
② したがって、79条の条文の認定要件を一つずつ適用していって結論が出ます。
③ 79条を読むと判るように、委託を受けた輸出入者が、何かの関税法違反やその他で処分されたとしても、そのことがイコール認定通関業者の認定を受けられないとか、認定を取り消されるということではありません。
④ あくまでも、その事件や犯則に、通関業者として、通関業法が求めている業務遂行に当たっての注意義務や、適正手続きのための仕事ををきちんと果たしていたかどうかです。
⑤このことは逆に申しますと、その犯則について、通関業者としての仕事の過程で、罰則を受けるほどの法律違反はなくっても、正しい仕事ぶりでないということであれば、認定を受けるのは難しいでしょう。
このように、その案件での通関業務の実施状況で変わるんでしょうね。Dさんの会社としては、自分たちはしっかり通関業法の求める仕事をちゃんとやっていましたということを、立証することが望まれます。
なお、私のブログは、現在567号で、ずっと更新していますよ。ぜひ、訪れてください。
仰ることがポイントだろうと想像できます。
手元に参考書がないので記憶ですが、認定通関業者が認定を受けるための必須事項に法令遵守規則の制定があります。
その規則に定めるべき事項に顧客管理という項目があって、通関の依頼を受けるにあたっての客の質のチェックや、通関依頼の方法や書類の受け渡し、配送場所などが不自然でないかなどのチェックがきちんとできて、そういう不審なときの税関への通報体制が出来ているかなどが、定められ実施されているかどうかが、審査されると思います。
Dさんの会社の事例は、こういう点で、故意がないとしても重大な過失がなかったのかというところは、チェックされるでしょうね。
初めて通関を依頼されたものかなど、どこまで注意義務を求められるのかとか、不審なことがない取引や、業務依頼状況だったのかなど、
色んな角度からの検討でしょうが、単に、盗難車の通関を依頼するような会社を見抜けなったというだけでは、認定されないということではないでしょう。
もし認定されないなら、もっと具体的な注意義務違反があるということでしょう。
直感的には、慎重な審査がされるでしょうし、少し、遅くなるかもしれませんが、認定しないということになるのかな~という印象ですが、顧客管理について、一層の充実を求められる可能性はありそうです。