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かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

438 税関手続きにおけるITのこぼれ話(net NACCS)

2008-06-11 | NACCS
きょうは個人的な思い出話を交えながらです。このほうがブログに合うのかもしれないですね(^.^)。

小学校4~5年生の頃でしたか、なけなしの大事なお年玉で、高島屋の売場で見つけた赤と白のプラステイックスで出来ているロケットの形をしたゲルマニュームラジオが欲しくて欲しくて、母親にせがんで買いに行きました。

中学から高校時代は、ハンダごてや、真空管や、バリコン、抵抗、コンデンサーを電気屋街で買い集めて、アルミの板に穴を開けて無線受信機を作ってハムの無線を聞いたりでしたが、社会に出てから、何かで元気が無いときやがっかりした時の癒しは、秋葉原や大阪・日本橋で、直ぐに壊れそうな中国製のわけの分からない機械を見たり、パソコンなどに触ることでした。(どうもイメージが暗いですね・・笑)

昨日のブログは、アップルのiフォンを取上げましたが、心のどこかで同じような癒しを求めているのかもしれないなと感じています。

さて、日本での通関の世界で、高度技術の利用の最大は、NACCSです。

もう30年も歴史のあるシステムで、こんな以前に行政手続きを通信回線とコンピュータシステムで処理し、しかも周辺の民間企業のデータ交換も併せてやってしまうなんて発想には驚きます。このコンセプトは、30年間変わらず続き、今年と来年の更改後のNACCSは、機能では大きな改良が加えられ、システムとしてもオープンシステムが大幅に導入されるなど進化しますが、従来型携帯電話と、iフォンとの違いのようなものではないかもしれません。かずさんにもよく分かりませんが、比べるようなものではないのかもしれませんね。

今日の話題にしようとしたのは、NACCSへのアクセスのことです。
約6年前までは、NACCSの利用者がNACCSにアクセス通信回線は専用回線だけでしたが、平成14年度にインターネットからアクセスする途が開かれました(netNACCSといいます。)。

NACCSの利用には、度数制の利用料金とともに、通信回線料などが必要ですが、利用度の低い利用者(例えば取扱量・件数の少ない保税地域)にとっては専用回線の固定料金だけでも負担に感じます。

このため、インターネットの利用が出来るようになったものですが、最新の資料によれば、2008年3月末で、NACCS契約者が利用している通信手段は次のようになっています。

海上システムでは、netNACCSが今やNACCS利用者の中心ですね。

1 航空NACCS利用契約者  305社
  うち、専用回線のみの利用者  123社
  うち、インターネットのみ利用者 53社
  うち、併用の利用者        129社

2 海上NACCS利用契約者  1544社
  うち、専用回線のみの利用者  467社
  うち、インターネットのみ利用者 631社
  うち、併用の利用者        446社



426 NACCS特例法改正が成立!

2008-05-26 | NACCS
 こんばんは。五月も最後の週になって、梅雨も近いような蒸し暑い日が出てくるようになりました。

先週の23日(金)に、いわゆるNACCS特例法の改正が参議院で成立し、10月から施行されます。
通関士試験には、この改正は関係有りませんが、この機会に貿易関係の電子計算機システムの最近の状況を見てみましょう。

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どんな改正があったのか?

1  貿易、港湾の各政府省庁システムの一体的運用の推進

法律の名前が、従来の「電子情報組織による税関手続きの特例等に関する法律」から「電子情報組 織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律」と変わりました。

このように「税関手続きの特例・・」から「輸出入等関連業務の処理・・・」と変わったことが象徴するように、税関手続きだけだったNACCSセンターの業務が、輸出入等関連業務に広がります。
 
 具体的には、

① これまで、輸出入、港湾関係手続きのシステムとしては、税関手続きは「NACCS」、港湾の入出港等は「港湾EDI]、動物検疫は「ANIPAS」、植物検疫は「PQ-NETWORK」、食品衛生は「FAINS]、船員の入国管理は「上陸許可支援システム」、外為法の輸出入許可は「JETRAS]というシステムが、それぞれの主体者(省庁)ごとに稼動、運用されています。

 このような仕組みは、それぞれの事情、システムの開発時期が異なることなどが背景になっており、NACCSと他のシステムとはインターフェイス接続されていますが、開発、運用の主体が異なるため、利用サイドからは改善の余地が有るものでした。

 今回の法律改正で、
 ・ NACCSと港湾EDIが統合されます。
 ・ NACCSセンターの業務に、新たに港湾、入国管理手続、食品衛生、動植物検疫、貿易管理、その他の関連省庁手続きが追加されました。

 具体的にどう変わるかは、詳細の情報が無ければ分かりませんが、10月からNACCSセンターが管理する「府省共通ポータル」が稼動する予定で、システムで時間のずれが出るかもしれませんが、基本的に、輸出入、港湾関係手続きをする際のポータルとなりますので、どの手続きについても入り口が同じになるとともに、利用申込み窓口、システムについての情報提供、利用者コードなどの発行、ヘルプデスクなどが、NACCSセンターに一本化されるようです。

2 NACCSセンターの民営化(特殊会社化)

 NACCSを運営している(独)通関情報処理センターが解散して「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」が設立されます。法律上は、関西国際空港(株)、日本郵政(株)などと同じ性質の特殊会社で、政府が株式の過半数を保有します。

 株式会社化で、従来より新分野などへの機動的な対応が期待されますが、業務の性質上、政府の強い関与がありますから、どの程度変化しうるのかは今後の問題です。

 なお、新しい会社の責務として、法律は「会社は・・・常に経営が適正かつ効率的に行われるよう配慮し、電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理が、あまねく全国において、適切、公平かつ安定的に、かつなるべく安い料金で行われるように努めなければならない。」と努力規定を定めています。




405 NACCS特例法の改正の衆議院通過と付帯決議

2008-04-21 | NACCS
NACCS センターの民営化を図るための、いわゆるNACCS特例法の一部改正案が4月16日に衆議院の財務金融委員会を通過し、本会議を17日に終わって、現在、参議院の審議に回っています。

衆議院の委員会においては、関税法の改正時と同じように付帯決議が付けられました。

 やや長いですが、国会のNACCSに対する問題意識が出ていますので、以下、全文をご紹介します。

 システム利用率の向上、利用者の視点に立ったシステム構築、経営の合理化、効率化だけを追求しない民営化会社の運営、情報公開、透明性の高い調達や天下り問題を起こさないような運営、利用者利便の向上等が盛り込まれています。
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 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 税関の輸出入手続と関連する民間業務を処理している通関情報処理システム(NACCS)と関係省庁の輸出入等関連情報システムの連携に当たっては、縦割り行政の弊害が生じることのない各省共通のシステムとなるよう努め、関係省庁の水際における手続全体についてシステム利用率の向上を図ること。

 一 各港湾管理者の独自の手続については、様式の統一化・簡素化を図り、通関手続がスムーズに行われるよう利用者の視点に立ったシステムを構築すること。

 一 特殊会社化後の業務運営に当たっては、不採算事業の廃止や経費削減など経営の合理化・効率化だけを追求することのないよう努めること。

 一 特殊会社化後においても業務の公共性にかんがみ、経営内容や調達状況についての情報公開、一般競争入札を基本とする透明性の高い調達手続について、現状を下回ることのないよう措置するとともに、天下り問題を惹起することのないよう努めること。

 一 特殊会社化後の料金政策と配当政策のバランスに配慮するとともに、特殊会社に資本準備金として承継される独立行政法人通関情報処理センター(NACCSセンター)の利益剰余金について、利用者のために有効に活用すること。

 一 特殊会社化後においても諸外国のシステムとの連携に積極的に取り組むほか、採算性に留意しつつ、新規業務に積極的に取り組むなど利用者利便の向上を図る一方で、セキュリティ強化に併せ努めること。

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 ご覧のように付帯決議では、色んな注文がついていますが、税関手続きに限らず貿易関係の日本における総合システムの唯一の運営会社として発足しますので、期待も大きく重要な使命を担っていることの現われでもあるのでしょう。




396 NACCSのシステム更改が近づく。

2008-04-09 | NACCS
日本の通関システムであるNACCSは、8年ごとにシステムを更改してきましたが、今年の10月、来年の10月と続けさまに、海上貨物と航空貨物に分かれている各システムが新しくなります。
 
今年の10月には海上貨物のシステム(SEA- NACCS)が更改され、この半年間ぐらいは接続試験や、運転試験などが順次行われます。日本国中の港の輸出入貨物のほぼ全部を扱うシステムですから、万が一、新しいシステムに円滑に移行できなかったら大混乱が起こりますから担当者は胃の痛い日が続くんでしょうか?ご苦労様です。
 
先ごろ、新しい海上システムに参加の申し込みをしている会社数などが発表されました。
 
現在の海上システムには、昨年末現在で1489社、3879事業所が参加していますが、本年3月4日現在での次期システムへの参加申し込みは1660社(現行比112%)、4166事業所(107%)と大分増えることとなっています。
 
また、これまでNACCS参加者の業種区分としては、「船会社」、「船舶代理店」、「CY」、「保税」、「通関」、「銀行」の6業種でしたが、次期システムからはこれらに加えて「海貨」、「NVOCC」、「輸出入者」という業種が新設され、貿易関連業種を網羅するように広がっています。
 
NVOCCは、Non Vessel Operating Common Carrierの略で、簡単にいうと、船を所有していないが自らB/Lを発行し貨物海上輸送を行うフォワーダーで、NVOCCを利用して運送される貨物の詳細は、船会社のBLやマニフェストでは不明であり、貨物の詳細はこのNVOCCが承知しています。
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まだ法案が国会で未成立のようですが、NACCSセンターの特殊会社化が10月に予定されており、システムの切り替えもあり、今年のNACCSの動きは要注目ですし、NACCSセンターには頑張ってもらいたいものです。



352 NACCSセンターの株式会社化

2008-02-04 | NACCS
 かずさんは節分の前日に、京都に行って八坂神社と、壬生寺の豆まきを梯子して来ました。

八坂神社では先斗町の舞妓さん二人が踊りを奉納してからの豆まきで、めでたく豆をゲット(笑)。

 壬生寺は新撰組の屯所があったことで有名ですが、ちょうど国の重要無形民俗文化財になっている壬生狂言の「節分」をやっていて約40分間の鑑賞でした。

 家を訪れた旅姿の鬼が「打出の小槌」から着物や帯を出して女主人を誘惑。欲を出した女主人が、酒に酔いつぶれた鬼の着物をはいで正体に驚くが、怒る鬼を豆で追い払うというストーリー。
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 2月1日に、NACCS特例法改正案が国会に提出されました。

① NACCSと港湾EDIを統合する。
② NACCSセンターの業務に、港湾手続き、入国管理手続き、食品衛生手続き、貿易管理手続き等を追加し、それらを一体的に処理できるよう措置する。
③ NACCSを運営している独立行政法人通関情報処理センターを解散して、輸出入・港湾関連情報処理センター(株)を設立する。
④ 政府が、株式の過半数を常時保有する。
⑤ 施行は、特別の定めがあるものを除き平成20年10月とする。

などが骨子になっています。
 10月施行ですと、次の通関士試験には無関係ですが、こんな動きがあるということぐらいは知っておいていいでしょう。