おもちゃ屋店員のたわごと

大阪にある某おもちゃ屋に勤務する一店員の駄文

たまごっちを定価以上で売るおもちゃ屋

2005-08-19 17:15:31 | Weblog
最近ちらほらと見かけるようになった、たまごっちを定価以上で売るおもちゃ屋。
(まぁ「定価」というか、実際は「メーカー希望小売価格」なわけですが。)

2625円(税込み)のものが4725円(税込み)とかで売られているのを見ると、一般のお客さんからすれば「足元を見やがって、ぼったくりなお店だな。」と非常に腹立たしく思う人も多い事でしょう。
人気商品だから、それにかこつけて売値を上げて、利益を上昇させていると。

同業者の自分からすれば、「ぼったくってる」とも「ぼったくってない」とも言えないというのが正直な感想です。


問屋にもよりますが、人気があり小売同士で取り合いがはげしい商品は卸値価格が上昇する場合があります。
(実際はその上流の問屋同士で取り合いが起こっているわけですが)
卸値が上がらない問屋さんもあるにはあるのですが、そっちのルートではほとんど入荷できず、仕方なく卸値が高い問屋さんから商品を入荷せざるをえないという事もあります。

うちは現在問屋さんはメインの問屋さん1件と、飛び込みで商品を卸してくれる問屋さん2件と取引してたりします。
(なんでメインの問屋さんとだけ取引しないかというと、メインだけでは商品が揃わない事が多いので。)
メインの問屋さんは、たまごっちについては頑張ってあまり卸値を上昇させないのですが(それでも通常より1,2割高い)、飛び込みの方はもう笑えない卸値価格になってたりします。

卸値が高すぎて、経費の事を考えると利益がないという場合は珍しくありません。
ひどい時になると、定価よりも卸値が高いなどという馬鹿げた状態が実際に起こってしまったりします。

うちでは定価以上で仕入れないといけないとなった時は、やっぱりお断りしてしまいますね。

定価以上で売ってるお店は「卸値が高くなってしまったので」という説明をつけてるところもあるでしょうが、お客さんによっては「嘘をついてやがる」と思い、そのお店に対して悪いイメージを持ってしまう人も多いでしょう。
わざわざお店のイメージを落としてまで定価以上で仕入れ、定価より高い値段で売らないといけないというのは嫌なので、うちではそういう場合は『仕入れない』という選択をしてしまいます。


というわけで、通常の卸値で仕入れられていたのに「卸値が高くなってしまったので」とか言って高値で売ってるところは「ぼったくってる」と言えるでしょう。
(でも現状では通常の卸値自体で仕入れられる方が珍しいですが)

ただ他店ではどれくらいの卸値で仕入れているかは知る事はできないし、実際は定価以上の卸値で仕入れているところもあると思うので、必ずしも「定価以上の価格で販売=ぼったくってる」とは言えないのが実情なのです。
(メーカー希望小売価格よりあまりにも高すぎる値段の場合、正直どうかわかりませんが)


しかし、たまごっち騒動はいつまで続くのでしょうかね・・・。