おもちゃ屋店員のたわごと

大阪にある某おもちゃ屋に勤務する一店員の駄文

妖怪ウォッチ商品の入荷について

2014-09-03 12:04:56 | Weblog
今人気の妖怪ウォッチですが、正直言っておもちゃ屋としてはあまり旨味がありません。

妖怪ウォッチに限らず、過去にもたまごっちやその他の玩具などで異常に人気が加熱して商品の取り合いになった事がありましたが、ほとんどのケースでは「卸値が上がる」と「入荷数がかなり絞られる」が同時に起きて、おもちゃ屋にとってはあまり儲けにならないのですよね。
たまごっちの時なんか、卸値がメーカー希望小売価格の95%になった事もありました。
割引無しでメーカー希望小売価格で売っても、たった5%の儲けですよ。しかも数がほとんど入ってこない。

おまけに、「人気商品を少しでも仕入れたかったら、これも仕入れてくれ」みたいに、「抱き合わせ仕入れ」が未だにこの業界では普通にあります。
小売側が一般客に抱き合わせ販売をやると違法ですが、仕入れにおいては、問屋から普通に強制されたりするわけですよ。問屋(二次、三次)も上流の問屋(一次)から抱き合わせで別商品の在庫を押し付けられていたり。
人気商品はただでさえ「卸値が上がって1個売った時の儲けがかなり少ない」と「しかも入荷数が絞られている」でほとんど儲けが無いというのに、抱き合わせで仕入れさせられた別商品を捌くので儲けがさらに減る(場合によっては赤に)なんて事もしばしば。
一部の店舗が客に売らず、オークションなどで高値で売ったりするというモラルに欠ける事をやっているようですが、あれも同業者としては「気持ちはわからないでもない」だったり。普通に売ったらほとんど儲けにならないから。(だからって、うちはやらないけど)

たまごっちの時もそうでしたが、ブームの終わりには人気だった商品も一気に売れなくなり、引き際を間違えると在庫を抱えてさらに赤字が増えるという事もあります。

妖怪ウォッチも、過去のたまごっちなどの例に漏れず、ある日突然ストンと人気がなくなり、売れると思って在庫を抱えていた小売や問屋が苦しむ事になるでしょう。