おもちゃ屋店員のたわごと

大阪にある某おもちゃ屋に勤務する一店員の駄文

妖怪ウォッチ商品の入荷について

2014-09-03 12:04:56 | Weblog
今人気の妖怪ウォッチですが、正直言っておもちゃ屋としてはあまり旨味がありません。

妖怪ウォッチに限らず、過去にもたまごっちやその他の玩具などで異常に人気が加熱して商品の取り合いになった事がありましたが、ほとんどのケースでは「卸値が上がる」と「入荷数がかなり絞られる」が同時に起きて、おもちゃ屋にとってはあまり儲けにならないのですよね。
たまごっちの時なんか、卸値がメーカー希望小売価格の95%になった事もありました。
割引無しでメーカー希望小売価格で売っても、たった5%の儲けですよ。しかも数がほとんど入ってこない。

おまけに、「人気商品を少しでも仕入れたかったら、これも仕入れてくれ」みたいに、「抱き合わせ仕入れ」が未だにこの業界では普通にあります。
小売側が一般客に抱き合わせ販売をやると違法ですが、仕入れにおいては、問屋から普通に強制されたりするわけですよ。問屋(二次、三次)も上流の問屋(一次)から抱き合わせで別商品の在庫を押し付けられていたり。
人気商品はただでさえ「卸値が上がって1個売った時の儲けがかなり少ない」と「しかも入荷数が絞られている」でほとんど儲けが無いというのに、抱き合わせで仕入れさせられた別商品を捌くので儲けがさらに減る(場合によっては赤に)なんて事もしばしば。
一部の店舗が客に売らず、オークションなどで高値で売ったりするというモラルに欠ける事をやっているようですが、あれも同業者としては「気持ちはわからないでもない」だったり。普通に売ったらほとんど儲けにならないから。(だからって、うちはやらないけど)

たまごっちの時もそうでしたが、ブームの終わりには人気だった商品も一気に売れなくなり、引き際を間違えると在庫を抱えてさらに赤字が増えるという事もあります。

妖怪ウォッチも、過去のたまごっちなどの例に漏れず、ある日突然ストンと人気がなくなり、売れると思って在庫を抱えていた小売や問屋が苦しむ事になるでしょう。

時は流れて

2014-06-06 14:37:33 | Weblog
前回投稿してから、気が付けばもう四年近く経過していました。
おもちゃ屋に限らず、小売業界はかなり厳しい感じになっていますね。

かつては勢いがあった大手玩具販売さんもネット通販で激しく利益の削りあい合戦をした結果、利益にならないという事でおもちゃ業界から撤退してしまったり、まだ扱っているものの、かなり商材を限定して寂しい感じになっているようです。

「おもちゃ屋」を名乗るなりすましと、おもちゃの仕入れ値の話とか

2010-09-06 12:11:53 | Weblog
「おもちゃ屋」で検索すると、こういう記事が検索上位にヒットしたりします。

・おもちゃ屋だけど質問ある?
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51115514.html

二年も前の記事に今さらつっこむのは野暮だと思いますが、この自称「おもちゃ屋」(笑)さんは、リアルなおもちゃ屋店員の私からすれば「ものすごく嘘くさい」感じがします。

おもちゃ屋の店員、あるいはバイトをした事がある方なら、もう最初の方の


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/13(日) 01:35:50.99 ID:eE4S6NcmO
ゲームとかプラモの仕入値ってどんぐらい?

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/13(日) 01:38:52.50 ID:c/2e4frR0
>>14
大体売値の1/3か1/4ぐらい。
ちなみに中古買取もやってる


のやりとりで「ああ、おもちゃ屋の事を何も知らない100%『なりすまし』だなぁ。しかもものすごく下手くそななりすまし・・・」と思う事でしょう。
プラモデルの仕入れ値が定価の1/3って、一体どこの世界の話でしょうか?
一般のおもちゃ屋だとプラモの仕入れ値は定価の65%で、もうちょっと大きい店だと取引量に応じてもう少し安く仕入れられるかもしれませんが、定価の1/3~1/4(25%~33%)ってのは問屋でもありえない数字です。
例えば税引き1000円のプラモだと普通のおもちゃ屋では仕入れ値は650円となります。
この自称「おもちゃ屋」によると250円~330円で仕入れられるそうですが、ありえないですね。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/13(日) 01:45:12.22 ID:aSAYXmrE0
今の主流って何?テレビゲーム?携帯ゲーム?ドンジャラ?プラモ?ミニ四駆?ラジコン?トレカ?
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/13(日) 01:49:12.58 ID:c/2e4frR0
>>29
おかしいの混ざってるぞwww
でも月に一回は「デジモンあります?」だの
「ミニ四駆あります?」って来る
変り種もいるんだなw


のやり取りも違和感あり。
ミニ四駆は非常に息の長い商品で、一部の製品は未だに再販されて販売され続けてます。
現在(このやり取りがあった2008年当時も)はミニ四駆PROシリーズもありますので、「ミニ四駆あります?」って聞いてきても全然普通なんですが。
おもちゃ屋を名乗るくせに、ミニ四駆がすでにシリーズ終了した商品だと勘違いしてるのが痛い。


他にもいろいろつっこみどころありまくりの、ものすごい下手糞ななりすましです。
いやはや…。



おもちゃ業界は、最近は価格競争が激しすぎて、もうセール期間以外でも2~3割引きで売るのが当たり前な状態になってきました。
そのくせ(一般の玩具店では)仕入れ値自体は65%と変わってません。
3割引きで売ると、たった5%しか儲けがないという恐ろしい世界に。
大手はもうちょっと仕入れ値が安くなってるかもしれませんが、大手でも3割引きだと儲けはかなり薄くなってるでしょう。
2割引で販売して15%儲けってのも実際はかなりきつい数字です。

それでも「仕入れた商品が全て気持ちよく売れる」なら儲けが少なくても利益になりますが、実際は売れ残って若干値段を下げて売らないといけない商品もあったり……。
少ない利益がますます削られます。

一部の商品はもっと安く、定価の3割4割(あるいはもっと安く)などの叩き売り価格(処分価格)で売られたりしてますが、まさか一般の方は「あれでも利益が出る」と思ってるのでしょうか?

今回の「なりすましおもちゃ屋店員」の方も、「定価の3割とかの特価セールでもかろうじて儲けが出るだろう」と勝手に思いこんで、「定価の1/3~1/4で仕入れてるはず」と結論を下してこういう馬鹿な回答をしたのかもしれません。

超特価定価の3割4割品(あるいはもっと安い)とかの処分価格商品については、
・通常仕入れ(65%)で仕入れた商品を、おもちゃ屋が損しながら特価で売ってる
・一部おもちゃ屋は問屋からの超特価品を仕入れてなんとか儲けを出している
の2種類に分かれると思います。

後者のケースでも、確かに問屋から特価品の案内があるものの、「上流で取引してる大手はもっと安く仕入れて問屋の案内より安い価格で販売している」という事が多々あり、一般の玩具店ではそういう特価品を無理に仕入れても損が大きくなるというケースがほとんどです。
定価の25%で売ってるところがあるのに、問屋から30%で仕入れて利益を乗せて40%くらいで売っても誰も見向きはしないし。
そもそもそういう特価品は「店頭で売れ残りまくってる不人気品」だから特価品なわけで、不良在庫をわざわざ増やしても……。


S.I..C.とセイントクロスマイス(聖闘士聖衣神話)についても、ちょっと頭が痛い事になっています。
この二シリーズについては、数年前に「原材料・製造コストが上昇したため、卸し価格を上昇します」という一方的な告知があり、(一般玩具店の)仕入れ値が一気に10%も上げられて75%になってしまいました。
「商品価格を上げたくない。でも原材料・製造コストの上昇があるので・・・」という事で、その皺寄せが小売にきました。
65%の仕入れ値でもきついのに、75%って。

で、この二つのシリーズ今はどうなってるかというと、普通に商品価格が上がってますよね。
でも小売の仕入れ値はあいかわらず75%に引き上げられたままです。
「商品価格は上げたくない」から卸し価格が引き上げられたのに、結局商品価格が上がってるって…。
確かに昔の製品の再販品は当時の価格のままですが、新製品に限っては、昔なら税込み4200円の価格設定にしたであろう商品とかは税込み4725円とかになってますよね。
SICシリーズとかも昔なら3675円とかで売られていたであろう商品が4200円になっています。

製品価格は結局上げたのに、卸し価格は75%のままってのが、なんとも小売泣かせです。






戦隊物もずらした方が良さそうですね

2009-12-25 13:21:54 | Weblog
2000年頃まではまだ売れてはいたものの、それ以降はクリスマス商戦では戦隊ヒーロー物や仮面ライダー玩具などは売れ行きは毎年いまいちな感じでした。
一部の商品では品不足が起きていたものの、ほとんどがクリスマス商戦なのに叩き売り価格で販売しないといけないといった感じでした。

原因は明白で、「クリスマスが終わったらすぐ(一ヶ月程度で)戦隊ヒーローや仮面ライダーの番組が終了してしまう」ためです。
どっちも一月頃に番組が終了し、「何千円もするおもちゃをクリスマスに買ってもじきに終わってしまうのでは…」と親に敬遠され、クリスマスプレゼントに選ぼうとはしないんですよね。
レンタルやセルのDVD・BDなどで遅れて番組を楽しんでるご家族はのぞいて。

で、販売店からは「番組の終わる時期をもうちょっとずらした方が商品が売れるのに…」なんて要望がずっと上がっていました。

その要望をようやく受けてか、今年は仮面ライダーの方でディケイドをはさんで、仮面ライダーWの放映開始時期をずらしました。
おかげで今年のクリスマス商戦の結果は目に見えて例年とは異なっており、仮面ライダーW関連の玩具が処分価格ではなく通常価格で飛ぶように売れる。売れる。

一方、例年と同じ放送スケジュールで番組がじき終了してしまうシンケンジャーの方は………もう全然ダメですね。叩き売り価格で処分ばっかりです。
ショドウフォンホルダーが問い合わせが多かったぐらい。
まぁシンケンジャー商品も番組終了で商品の製造が終わると(実際はもうちょっと早くから製造が終わってますが)、各商品の市場在庫が無くなって、一部の商品は価格が戻るでしょうが。


ここまであからさまな結果が出たので、バンダイおよび放送局には戦隊ヒーローシリーズについても放送時期を少しずらすよう検討してもらいたいですね。
シンケンジャーも1月ではなく3月頃に終わるようにずらしておけば、売れ行きは全然違っていたはずです。

玩具業界はずっと右肩下がりでメーカーも問屋も小売も年々どんどん元気が無くなっていってるからこそ、今できる事はすぐに実行して改善しないといけないと思います。
仮面ライダーみたいに大幅にずらすのは急にやるのは無理にしても、2,3ヶ月ずらすのならなんとかできるでしょう。
クリスマス商戦の叩き売りが常態化してしまうと小売側も発注数を絞っていかざるをえず、それは結局メーカーに還ってしまいますし。

売り上げを伸ばせるとわかっていて対策を取らないのは企業としては失格ですよ。
すでに仮面ライダーで明白に『結果』が出ましたしね。

カードのサーチはお店にとっても他のお客様にとっても迷惑です

2009-10-10 19:55:59 | Weblog
当店は現在はカードのサーチは禁止しています。
パックの上からカードを触ってサーチするのはもちろん、パックを見比べてのサーチも許可していません。

「サーチを許可してしまうと結果的にお客さん離れが起きてカードの売り上げが大幅に落ちるし、レアカードをサーチャーに抜かれて他のお客さんは屑カードをつかまされる確率が通常よりも高くなってしまう」と、お店にとっても他のお客様にとっても迷惑だという事で6,7年前から禁止するようになりました。


昔はその点に関して緩かったのですが、ある時期から特定のサーチャーがお店をこまめに訪れ、いいカードだけ抜き取っていくようになってしまいました。
カードは売れると補充していくのですが、レアカードの割合は低いため、結果として店頭に出しているカードは「外れカードばかり」みたいな感じになるわけです。
箱単位で買うお客様ならともかく、パック単位で買うお客様にとっては、『買っても買っても外ればかり』という感じになってしまいます。
売ってる方も外ればかりが出るので、なんとも気まずい状態になってしまいます。

そのような感じで外れカードばかりが出る状態になると、やがてカードの売り上げが目に見えてどんどん落ちていってしまいました。
子供達に聞くと、「△や○(←うちの店の名前)はサーチができるから、レアカードは抜かれ放題。△や○に行っても全然当たらないからX(←当時唯一サーチを禁止していた店)で買った方がいい。」という話になっていて、うちの店やサーチを放置してる店が敬遠されるようになってしまっていたのです…。

このままではいかんと思い、当店でも急遽サーチを禁止するようになりました。
サーチを禁止するとサーチ目的で買いにきた客は減るのですが、そういうサーチをしてカードを購入しようという客というのは全体の1割にも満たないもので、逆にレアカードが抜かれなくなり比較的レアカードがあたりやすくなった(というかこれが本来の状態なのですが…)という事で残りの一般のお客様には好評になり、サーチを禁止しだしてから目に見えて客足がどんどん戻ってきました。


現在は安定して多くのお客様がカードを購入しに当店に来るようになってます。
レアカードが当たるかどうかは完全に運によりますので、もし外れてもお客様は「運が無かった」と思えます。
これがもしサーチを許可しているお店だと、外れると「やっぱりここはレアカードは抜かれているのか。もうここでは買わない方がいいかも…。」と思われてしまうのではないでしょうか?
レアカードを抜かれて屑カードばかりだった頃と違い、定期的にレアカードが当たるようになったため、お客様としても「安心して買える(←お客様の言葉そのまま)」らしいです。

コンビニなど、カードは添え物程度にしか扱ってないところは、未だにサーチを放置してるところはありますよね。
逆にカードの売り上げが大きいお店ほど、『サーチを許してしまうと大幅な客離れを起こしてしまう』という事で、現在は大半のお店がサーチを禁止するようになっています。

たまに「カードに傷をつけなければサーチはいい」みたいに書いてる人もいますが、お店にとってはカードに傷をつけられる事はもちろん、「良いカードばっかり抜かれて外ればっかりの状態にされる」のも非常にマイナスなのです。

新品なのに傷がついてる? の話

2009-07-25 18:25:23 | Weblog
おもちゃを扱ってる小売は、大半が新品の商品のみを扱ってるお店となっています。

「新品」というと、みなさんどんなイメージがあるでしょうか?
汚れもなく、傷もついていないまっさらな状態……というイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。

でも実際の新品のおもちゃって、汚れの方は当然ついてはいないのですが、「傷(あるいは傷のように見える点や線)」がついているのは非常によくある事なのです。
ご購入されるお客様が意識されてないだけで、実際はほとんどのおもちゃでこのような「傷(あるいは傷っぽく見える点や線)」が大なり小なりついているのです。
試しに近くのおもちゃ屋さんで未開封の商品のパッケージ透明部分から中の商品をよく観察してみてください。新品なのにところどころに細かい傷や線みたいなのがついているのが確認できるはずです。
一箇所どころか数箇所に。 

「新品のはずなのに傷がついてる」のは一見おかしい事のように思いますが、それには以下のようないくつかの理由があるのです。

1.製造組立て工程やパッケージに梱包する作業中に細かい傷がどうしてもついてしまう
2.金型がよく洗浄されておらず線や点状のカスがついた状態で成形されると同じロットでは同じ箇所に同じような点や線状の傷っぽいものがつく
3.樹脂成形時のウェルドライン


・1.製造組立て工程や梱包作業での傷
おもちゃによっては、機械がパーツをはめていったり、人間の手作業で組立てたりと異なるのですが、パーツがランナーから切り出されてベルトコンベアで運ばれる時や組立てられる時、また梱包される時に細かい傷がついてしまう事はよくあります。
プラスチックは加工しやすい反面、樹脂が固化した後はちょっとした事で簡単に傷がついてしまうという性質があります。そのせいで組立てや梱包工程で傷がついてしまう事はある意味仕方ないでしょう。
高額商品ならより傷がつきにくいよう慎重に組立作業されるようですが、コスト重視のおもちゃでは傷がつかない事よりも作業効率が優先されてしまいます。
この場合の傷は個体毎に異なる場所、異なる具合で傷がついています。

・2.金型にカスがついた状態で成形されてついた点や線状の傷っぽいもの
厳密にはこれは「傷」ではないのですが、まぁ見た目的には傷と同じ感じに見えます。
これによってついた「傷」の場合、同名の商品ではまったく同じ位置に同じような点や線がつく事になります。
金型がこまめに洗浄されたならこの傷がつかなくなるのですが、中にはきちんと洗浄されず大量に「傷(っぽいもの)」がついた状態で量産されるものも。
古い商品となりますが、仮面ライダーファイズのファイズショットで目立つ線状の傷っぽいものがついてましたね。
当時入荷した商品全てに同じ位置に同じ線状の傷っぽいものがついていました。(この線は意図したデザインとかでないのは一目みてわかります。)
ファイズショットとカイザショットは商品名は異なるのですが、使ってる金型が同じでして、同時期に同じ金型で作られたせいか、なんとカイザショットにもファイズショットと同じ位置に同じような線状の傷っぽいものがついていました。
爆竜戦隊 アバレンジャーのアバレイザーとバクレイザーも一部のパーツが同じ金型で作られており、やはり同じ位置にちょっとした線が入ってたりも。

・3.樹脂成形時のウェルドライン
成形技術が発達した現在でも、形によってはやはりウェルドラインは発生するようになってしまってます。
ウェルドラインとは何かというと、樹脂が流れこむ際に樹脂同士の接合部分にできる線状の亀裂です。
よく説明では「成形不良」と書かれたりするのですが、「不良」といわれるわりに、ウェルドラインはプラスチック製品では頻繁にみかけられます。
回避するには金型のデザインを工夫する必要もあったりして、コストをかけれないおもちゃやプラモデル用の金型ではウェルドラインの発生は半ば目をつむられてしまっています。
未開封の組立て式のプラモデルをお持ちなら、どれでもいいので試しに中身を確認してみてください。いくつかのパーツにウェルドライン(線状の亀裂)が入っているのが確認できるはずです。
ほとんど全てのプラモデルで、いくつかのパーツにウェルドラインによる線状の傷がついてるのが確認できるでしょう。むしろ全パーツにまったくウェルドラインがついていない方が珍しいです。
おもちゃにおいては、戦隊もの、仮面ライダー、ゾイドなどはもちろん、トミカの窓パーツなどでもウェルドラインによる線状の亀裂がついてる事はよくあります。
線状の亀裂ではないのですが、マーブル状の模様が出る場合もあります。仮面ライダー響鬼のDX音撃棒や、仮面ライダーカブトのゼクトマイザーなどでもマーブル状の模様がついてたりしてましたね。
ウェルドラインによる線状の亀裂は、同じ商品名のおもちゃだとだいたい同じような位置にできてますが、個体毎に微妙に亀裂具合が違ったりします。

傷あるいは傷のようにみえる点や線は、プラスチックの色や素材によっても目立ったり目立たなかったりします。
素材が黒い場合や、金ピカあるいは銀ピカのメッキ塗装やクリアパーツでは細かい傷も特に目立ちます。
最近では仮面ライダー響鬼のディスクアニマルとかで顕著でしたね。あれ細かい傷や線がつきまくりで、しかも反射率が高いためより傷が目立ちやすくなっていたという……。
めちゃくちゃ古い話になるのですが、ファミコンの「スーパーゼビウス ガンプの謎」や「ドラゴンバスター」も新品なのにゴールドメッキ塗装のせいで製造工程についたであろう細かい傷がひどく目立っていました。
ナムコさんのファミコンソフトやメガドライブソフトでは黒いソフトが多かったですが、黒もやはり目立ちやすく、それで当時トラブルになった事も……。(「新品なのに傷がついてるじゃないか」と)
うちはもうゲームソフトを取り扱ってないので今じゃまぁ笑い話ですが、今でも未開封新品の昔のゲームソフトを販売してるところはこれでトラブルになる事もあったりして…。
ファミコンやSFCソフト、メガドライブのソフトも、PCエンジンや今のゲームソフトみたいにビニールパッケージがされていたなら「未開封新品」という事は一目瞭然で、例え開封時に中身のカセットに製造工程でついたであろう細かい傷がついてても新品だという事は疑いようもないんですがね。


パッケージ用の画像では傷やウェルドライン、マーブル状の模様が全然ついてなかったりするので余計話がややこしくなったりするんですよね。
パッケージ用の商品画像は実物のように見えて実は3DCGだったり(今じゃ珍しくないです)、試作用の金型で作られたり、見映えを考慮して細かい傷がつかないように慎重に組立てられたり、傷を消す上薬を塗っていたり、画像ソフトで傷を修正してたりと、まぁいろいろ手を尽くして見映えをよくしてるんですよ。
前述のディスクアニマルもパッケージの画像や試作品画像では傷なくピカピカなんですが、実物はウェルドラインによる線状の傷や製造組立て工程についた傷がところどころにつきまっくっており、ひどかったです。
おまけに「作業員が素手で組立てたんじゃないの?(普通はありえないんですが…)」と思えるような指紋っぽい模様がついていた事も。
パッケージと実物の具合が異なるから、「パッケージの画像と実際の商品では品質が異なります」ってのは常套文句になっています。


傷以外にも、塗装のムラが発生してる場合があります。
ブツブツの団子状のムラや、最近たまに見かけるのが黒い塗料をエアスプレーで拭いたように粒粒の染みっぽいものがついてるなど。
後者は獣拳戦隊ゲキレンジャーの変身アイテム ゲキチェンジャーでよく見かけました。
仮面ライダーファイズのファイズショットでも入荷した商品の大半になんか汚れみたいな黒い染みがついていた事も。
これについては、バンダイさんにもっと製造管理をきちんとしてもらいたいところですね。(明らかに塗装失敗してるのは不良品として流通しないでいただきたいです)


「新品なのに傷がついてる」という事でトラブルになるケースは現時点ではそんなに多くはありません。
理由としては、一つはおもちゃのメインターゲットはお子様で、開封した後おもちゃで遊ぶ前にじっくりと観察したりしないからというのがあります。
しばらく遊んだ後に傷がついてるのを発見しても、「自分でつけた」と思ってしまうでしょう。
マニアの方なら開封後にじっくりと眺めて製造工程についたであろう傷やウェルドラインに気付くかもしれませんが、おもちゃを普段よく買ってる人ほどこの手の話は知ってたりするので、「あぁ、製造工程についたやつだな。」とか「これはウェルドラインだな。」と理解して特にトラブルになったりはしません。
プラモデル模型をよく組み立ててる人にとってはウェルドラインは常識ですしね。


ただ、以前書いた「二重テープの話」と一緒になると面倒くさい事になるんですよね……。
参考・・・・二重テープの謎(4年前のエントリです)

「購入した商品の箱を見るとテープが二重になってる。(一度開封した上、その上にテープを貼ってる)」→「おもちゃを取り出してからじっくりと観察すると、ところどころに傷のようなものがついている」というコンボになると、お客様としてはどう思います?
「開封したものを販売したのではないか(中古を買わされたのでは)」と思っても不思議ではないと思います。
返品OKの一部の大手チェーン店ならともかく、普通の小売ではどんな理由があっても一度開封した商品の返品は一切受け付けておらず、中古品を売るなどという事はありえないのですけどね。

実際に一例ではありますが、トラブルになりそうな事が過去にありました。
商品を購入されたお客様が夜にまたご来店されまして、「昼に商品を買ったのだが、テープを開封した跡があった上、商品も傷がついていた。中古品ではないのか?」とすごい剣幕です。
こちら側としては紛れもなく新品を販売したという自負があり(中古品は一切お取り扱いしてませんし、開封後の返品も一切受け付けてません)、それは単に検品による二重テープや製造工程での傷・ウェルドラインなどが重なっただけというのはわかりきっていました。
しかし一度疑心暗鬼になったお客様は最初は信じてくれないのですよね。
これについては順を追ってゆっくりと説明していったため、最後にはお客様もきちんと納得していただけました。(「申し訳ない」という事で帰り際にまた別のおもちゃをご購入されたりも)
店頭販売した商品なら、パッケージ透明部分から中の見える別の商品を見せて「製造工程で傷やウェルドラインがつくのは普通ですよ。例えばこれを見てください。」とご説明すれば、苦もなく理解してもらえます。
しかし通販で販売した商品の場合、うまく説明できるか難しいですね。
店頭販売の時のような感じで他の商品の実物をお客様に直接見せれないので。
デジカメで別の商品の画像を撮影して送ろうとしても、高解像度のデジカメでも肉眼で見る時と違って細かい傷ってきちんと写らないんですよね。まるで傷がついてないように写ってしまいます。


通販が主流になってくると、もしかしたらこの手の話でトラブルが起きるかもしれません。
中にはお客様がブログなどで「とある店でおもちゃを買ったら、テープが二重になっている上、中の商品にも傷がついていた。この店中古品を新品と偽って売ってるんじゃないか?」みたいな記事を書いて一時的に騒ぎになったりも。
でもおもちゃを買い慣れてて二重テープや製造工程の傷について知ってるマニアの方、あるいはおもちゃ店に勤めてる方からつっこみが入って騒ぎはすぐに治まると思いますが。

この手の傷関係でもしお客様から文句を言われてトラブルになりそうな同業者の方(おもちゃ店の方)は、このページを見せたら納得してもらえると思います。
二重テープの時もそうでしたが、この手の話は販売したお店が説明すると言い訳や嘘をついてるようにお客様は感じるでしょうが、私みたいに他のお店が順を追って説明したなら、納得できないお客様でもきちんと理解していただけると思います。


ゴーオンジャー商品が綺麗に掃けていってます

2009-01-30 12:19:39 | Weblog
前年のゲキレンジャー商品が番組終盤に叩き売り状態になったので、今回のゴーオンジャー商品は入荷数を控えめにしていたのですが、クリスマスあたりにカンカンバーやマンタンガンの問い合わせが多くあってどちらも在庫がなくなり、番組終了間際の最近にもまたエンジンシリーズやその他の商品(変身アイテムや武器・ソフビ)の問い合わせが多く出てきて、色々な商品があれよあれよという間に在庫がなくなっていってます。
価格は別に安値にしてるわけではなく通常価格で販売しているのですが、それでもどんどん売れていってますね。
ソフビのゴーオンレッドなんかどうやらプレミアがついて高値になってるようです。

今かろうじて残ってる商品も、番組終了あたりには大半がなくなってそうです。

「番組がもう終わるのに今さらおもちゃを買う人がいるの?」と思うかもしれませんが、テレビをリアルタイムで見ているご家族以外にも、DVDのセルやレンタルなどで遅れて見てる方もいらっしゃって、そのお客様方が現在残り少なくなったゴーオンジャーのおもちゃを買いに走ってるようです。
(それ以外にもマニアの方もいらっしゃると思いますが、マニアの方は番組放映中に買う事が多いですかね。)

DVDなどで遅れて番組を見てるご家族の場合、ゴーオンジャーのおもちゃは早めに確保しておいた方がいいかもしれません。
今買い逃すと後でオークションなどでプレミアがついて高くなったのを買わないといけなくなりそうです。

ゴーオンジャーの方はこのようにわりと売れた感じですが、一方仮面ライダーキバの方は正直さっぱりでしたね。
番組自体は後半は個人的にそこそこ楽しめたのですが、前半で視聴者をうまく獲得できなかったせいで結局おもちゃの売り上げもさんざんな状態となってしまったようです。
キャッスルドラン系は売る気がないならもう出さないで欲しいですね。(入荷数をめちゃくちゃ少なくしても不良在庫になるのは…。)
番組であまり出さない物はもう無駄に商品化しない方がいいと思います。
売れなくて安値で叩き売らないといけないアイテムがいくつか出てくると、お客様は「別の商品も安くなるんじゃないの?」と思って他の商品の売り上げにも悪影響を与える事になりますので。


消えゆく町のおもちゃ屋たち

2008-11-06 16:02:32 | Weblog
少子化、いき過ぎた価格競争、大手通販サイトへの一極集中化に加え、アメリカ経済悪化の影響が日本にも響いて、ますますおもちゃ業界は厳しい事になりそうです。

現在もぽつぽつと町のおもちゃ屋さんが消えていってますが、これから数年でそれが一気に加速されそうです。

キバがんばれ・・・

2008-06-08 12:21:13 | Weblog
ゴーオンジャーのおもちゃの販売は好調ですが、キバがやばいです・・・。
ベルト系の変身アイテムはまだましですが、キャッスルドラン系はやはり・・・。
(ベルトも例年より売り上げが低い感じですね。)

番組も見てますが、役者さん達が頑張ってるとは思うものの、内容(脚本・展開)がいまいちで、視聴者をうまくつかめてないように思えます。
番組の人気が悪いと当然おもちゃも売れなくなってしまうわけで、スタッフの方にはもうちょっと頑張ってもらいたいと思います。
(今からなんとかテコ入れできませんかねぇ・・・。)

まだ6月です。
今からなんとか頑張れば挽回できると思うのですよ。


ウルトラマンメビウス商品の売れ行き

2007-03-31 17:59:00 | Weblog
ウルトラマンネクサスは最悪なくらい商品が全然売れませんでした…。

ウルトラマンマックスは前年のネクサス商品の叩き売りでお客さんに「どうせマックス商品も後で安くなるんじゃないの?」と思われてしまったのか、ネクサスほどひどくはなかったのですが、売れ行きはさほど良くなかったですね。

(*叩き売りって翌年の商品の売れ行きにも悪影響を与える事になるので、小売としては叩き売りはあまり日常化して欲しくないですね。)

で、ウルトラマンメビウス商品ですが、前半はそれほどでもなかったのですが、中盤あたりからホイホイと売れ出すようになり、後半は変身アイテム・マシン・ソフビいずれも気持ちいいくらいどんどんと売れていきました。

番組は本日で終了ですが、すでにほとんどの商品が在庫処分をする必要もなく綺麗さっぱりと無くなってしまいました。

商品販売の参考に番組もチェックしてましたが、後半のエピソードは特に秀逸で、これならおもちゃがよく売れるわけです。

良質な番組を提供していただいたスタッフのみなさんお疲れさまでした。m( )m