久しぶりに本を一気に完読しました。著者は家内の知人(私も存じ上げていますが)で刊行早々にお送りいただいたものです。
奥さんの最近のイタリアでの話は時々家内経由で伺っていましたが、その昔にこんなロマンスがあったことはこの本で知りました。また、イタリアは私たちにとっても懐かしい思い出があり、そして興味ある南極越冬隊の内容で、家内が読む前に一気に読んでしまいました。

第1章は愛子さんの1971年の回顧録。舞台となるイタリアはローマとフィレンツェで、私たちの知っているイタリアの街でもあります。特にフィレンツェが主で1997年に旅した懐かしい光景が思い出されます。あの街で愛子さんはこんなすごい留学体験をしていたのだと知ると、ちょいと大げさといわれるかもしれませんが、尊敬の念を禁じえません。その留学直前に輝海さんと婚約してから出かけたというから2人の思い切りの良さを感じます。
第2章は輝海さんの南極越冬記。2人が出会う直前に13次越冬隊員に選ばれていたので、出発までの短い間に電光石火で婚約し出発して行ったくだりは、お2人の決断力の速さに脱帽です。
2人の連絡方法(まさしくラブレター)は暗号化した電報のみ。多分、今は衛星電話という手があると思いますが、当時の南極との連絡方法はモールス信号での電報、他人の手に委ねなければできません。暗号電報はプロの通信士でもリズム感が悪く、打ちにくかった様です。
もっとも2人がアマチュア無線の資格を持っていれば、直接可能であったかもと思うのは、アマチュア無線を趣味の一つにしている私としては少々歯がゆいものを感じました。南極のアマ局とは、かなりパワーの出る局が条件の良いときに交信できる程度であったし、アマ無線は暗号は使えませんので世界中に内容は知られてしまう欠点?がありますが。
越冬を終えたあと帰路ケープタウンからイタリアに行き、フィレンツェで結婚式をして、それからの帰路がそのまま新婚旅行。まさしく、ゴールは結婚です。
第3章は愛子さんの最近のイタリアとの関わり、特に現在イタリアで行われている統合教育について書かれています。家内が行事を通じて知り合ったのはこの頃ですが、あまりこの内容についての話はお聞きしていませんでしたので、改めて活動内容に敬意を表したいと思います。
ちょっと蛇足ですが、この本をぜひ読んでみたいという方へ。最近本屋さんを回っても、大手の出版社のものでもない限り、新刊でも置いてないことが度々という経験をしています。そんな時amazonnを検索してまず入手することができました。この本は?と試しに検索してみたら、新刊のところにありました。ご参考まで。