「バセドウ病」と「橋本病」との違いについて質問がありました。
二つの病気の違いは、バセドウ病が甲状腺機能を亢進させ、橋本病は甲状腺の機能が低下します。
原因は両方とも自己免疫疾患です。
本来、自分の身体を守っている免疫が、自分の身体(臓器)を攻撃している病気です。
バセドウ病はB細胞が産出する甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHレセプター)に結合するTSH受容体抗体によって引き起こされる甲状腺濾胞細胞の機能亢進と増殖です。
橋本病はT細胞による組織破壊を原因に甲状腺の機能が低下します。
病初期の急性期には一時的に「ハシトキシコーシス 」と呼ばれる甲状腺中毒症の状態になり甲状腺機能の亢進が起こることがあり、病初期には甲状腺機能亢進による症状(体重減少、脈拍数の増加など)が起きます。
その後、甲状腺機能低下に起因する症状が出現します。
体重増加、うつ状態、全身の疲れ、脈拍数の低下、高コレステロール血症、便秘、記憶力の低下、不妊、毛髪の脱落など。
橋本病は慢性甲状腺炎で名称の1912年九州大学内科医、橋本策氏がドイツの学科誌に初めて発表したことに由来し、女性に多く(男性の10倍から20倍)、また45歳から65歳の年齢層で多くみられる病気です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます