フィン・ユールのボウルは美しい。
私が知りうる数種類のボウルのどれもがそれぞれに
完全と思えるほどのかたちを持っている。
昔も今も世の中に挽きものの器は数あれど
そのどれともちがう美しさを感じる。
遠い昔、木をくりぬき器を作り
食物を盛ってみたり水を汲んだり
そして器は飾りを施され
人々の願いを込めて供物をささげられる。
やがて職人はろくろを挽き
生活用品として量産され
また工芸品として珍重される。
はたまた作家を名乗り生み出される
一点ものの職人アートとでも呼べそうなものまで・・・
古今東西、木の器の迷える魂を鎮めるかのように
フィン・ユールのボウルの静かな曲線は
円くめぐって終わらない輪を描き続けています。