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カタスミ

イラスト、漫画、自サイト更新情報、
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『ペッパーズ・ゴースト』伊坂幸太郎著

2025-02-03 06:59:56 | 小説感想
他人の飛沫がかかると
その人の未来が見えてしまう教師が
テロを防ぐ為奮闘するお話。
以下ネタバレあり。




















ストーリーが面白そうだったので購入。
正直言うとう~ん、いまいち?
とにかく詰め込みすぎなせいか
とっちらかってる印象。
未来が見える教師壇先生、
猫をいじめたやつらに復讐するネコジゴハンターのロシアンブル、
カンフーのできるとあるサークルメンバーの成海彪子、
この3人の目線でストーリーが語られていくのですが、
この続きが読みたい!と思ったら次のキャラの違う話が始まるので
ちょっとストレス…

人の飛沫を浴びるとその人の未来が少しだけ見える体質の壇先生が
教え子の里美大地の飛沫を浴び、新幹線脱線事故を予知して
大地とその祖母を助ける事が発端となり、テロ事件へと巻き込まれていきます。

それとは別に、壇先生の生徒が書いていた小説のお話で、
猫を地獄に送る会、と称して猫を虐待していた人間に復讐していく
ネコジゴハンターのロシアンブルとアメショーの話も
平行して描かれて行きます。

壇先生がテロを起こそうとしているサークルメンバーに捕まり
監禁されてしまうのですが、それを助けたのがネコジゴハンターの2人。
壇先生が小説の登場人物として認識していた2人が
目の前に現れてしまうのです。

結論を言えば、小説を書いていた女子生徒が以前ネコジゴハンターに出会っており、
2人をモデルにお話を書いていたのであり、
読者が目にしていた話は女子生徒が書いたものでは無く実際の2人の話で、
その辺交差して描かれるもんだから、ネコジゴは小説の話、と錯覚させられます。

先生は未来が見えるし、ネコジゴは小説から出てくるし、
テロとかニーチェとかなんとかかんとか、
なんか詰め込みすぎてしんどいわ…
場面転換も激しいので頭が付いていかない…

テロを画策したメンバー達は元々別のテロ事件に家族が巻き込また遺族で
今回テロを起こして自殺するという計画を立てたのであった。
話によると犯人と人質はすべて自分達の仲間だと言う。
元々サークルメンバーは最終的に12人。
リーダーの庭野、その義弟的存在野口、交通事故で亡くなった羽田野、
成海彪子、医者夫婦康夫・康江、哲夫、沙央莉、将五、
里美大地の父親八賢を入れても全部で10人。
他の2人っていたっけ??
野口、哲夫、沙央莉、将五の4人は
自分達の家族を失うきっかけを作ったマイク育馬に復讐する為に別行動、
それを追う成海彪子も離脱。八賢はどこかで監禁されてるし。
犯人役が庭野で、人質が医者と看護師と受付の3人。
医者と看護師は康夫と康江だけど、じゃあ受付は誰?
名もなき2人のうちの1人なのかなぁ…
とは思ったのですが、だったら名前出してくれれば良いのに…
この人誰よ…ってずっと気になってモヤモヤしてた。
そしてもう1人はどうなったの?
なんかどっかに書いてあったっけ?
こういう細かい所すごい気になるんだよなあ…

壇先生の予知の力も、そこまで決定的に役立つ事はなく、
ふわっとヒントを与える…って感じで、
もう少しド派手に役だっても良かったかなぁ…
あんまり役に立ってないんだよなぁ…

伏線はやたらとちりばめられているのかもしれないが、
それを回収するのがなんかふわっとしてて
その辺もしっくりこない原因かもしれない。
とっちらかっている印象もそのせいかも?
好みもあるのかなぁ…
自分は白黒はっきり結論づけて欲しいので
ふわっとした話はどうにもストレスを感じてしまうわ…
全てが解決した後の壇先生の予想も、
あくまで予想ですからねぇ…
結局テロ起こした連中もネコジゴハンターも
どうなったのかはっきり分からんし。
前に読んだマリアビートルと似た感じかもなぁ。

後、伊坂作品は割と暴力描写多めだったなぁ…と
改めて思い出しながら読みましたw
今回すごくニーチェの話が出てきましたが、
読んだ事ないし、よく分からないのだけど、
ニーチェが勝手に言ってる事を
なんで信じ込んでいるのかがよく分からなかった。
人生同じ事の繰り返し?ってのがよく分からんし、
それでテロ起こすほど自暴自棄になれるのがすごいわ。
他の視点から物が見られないのだろうか。
それともそれほど精神的におかしくなっていたって事だろうか。
後、マスコミがクソってのは激しく同意する。

小説世界の2人と壇先生が会う所はちょっとわくわくしましたが、
その他はいまいちだったかなぁ…
やっぱいろいろ設定詰め込みすぎて頭がついて行ってないなぁ…
生徒が書いている小説第2弾の、
買った覚えのない通販が届く大学生が事件に巻き込まれ、
その届いた通販がことごとく役に立ったという話が
すごく面白そうだなぁと思いましたw

星は3つ。

『あの家に暮らす四人の女』三浦しをん著

2025-01-25 10:16:34 | 小説感想
古びた洋館に住む母と娘、その友人2人との
ちょっとおかしな日常系小説。
以下ネタバレあり。




















刺繍作家の佐知を中心に、母親の鶴代、友人の雪乃と多恵美の
4人の日常が描かれています。
日常系ですが、河童とか、しゃべるカラスとか、
父親の幽霊とか、ちょいちょい日常とはかけ離れますがw
鶴代は夫と佐知が生まれてすぐ離婚しており
佐知は父親の顔を知らない。
ほんの少しの心の引っかかりはあるものの
普段は何の問題もなく生活している。
佐知と雪乃は独身貴族だが、
佐知に内装業者の梶さんという存在が現れたり、
恋多き女多恵美のストーカー問題だったり、
雪乃の水難、鶴代に長年仕える謎の老人山田の存在、
などなど、日常風景にちょっとした事件が混じって
面白おかしく話が展開していきます。
最大の山場は家に強盗が入ったときかな?
それはずっと見守っていた父親の霊が河童のミイラに乗り移り
佐知を助ける、という謎展開でなんとか急場を乗り越えましたがw

ちょいちょいクスリと笑えるシーンはあるものの
めっちゃ面白いと言う訳ではなく、
かといって面白くない訳でもなく、
ずっとだらだら読み続けられる系の話だと思います。
日常系ってそんなものよね。
星は3つ。

『コンビニ人間』村田沙耶香著

2025-01-14 01:03:04 | 小説感想
youtubeにて、海外で人気があるって動画を見て興味を持ちました。
以下ネタバレあり。



















面白かった。
主人公に共感しかないんだが
自分も世間からずれてんだろうなぁ…

周りと考えや歩調の合わない主人公恵子。
会話をすると問題を起こす為、極力会話も避けて生活をしていたが
大学入学をきっかけにコンビニでアルバイトをする事になり、
そのコンビニバイトが人生の生き甲斐となる。

コンビニの為に身だしなみや体調を整え、
近隣のチェックも行い、会話術も習得。
世間からずれない為に努力し、生活していた。
大学を卒業してからもずっとコンビニでアルバイトを続け18年、
36歳になった事で、周りの目が気になり始める。
36歳で結婚もせず、就職もせず、アルバイトを続けているのは
変だと言われ、同じように世間からあぶれた元コンビニバイトの白羽と
偽装の同棲生活をする事に。
そこからコンビニバイトの歯車が狂いはじめる。

世間からずれた発言をするけど、家族や友人の目は気にするのな。
怒りを持ち合わせていないので、友人の旦那の失礼な発言とか、
妹の反応とか、コンビニ店員仲間の恋愛脳とか、
怒りは全く感じないけど、自分がおかしいと思われていると言う事には
敏感に反応しちゃって、結果訳の分からない行動に出る…
もういっその事割り切ってしまえば楽になるのになぁ…

そもそも白羽なんていう性格の悪い無職35歳男性と
結婚しようとしているならば
周りは止めないといけないと思うんだけど…
それを根掘り葉掘り聞くだけで、真剣に止める人がいないのは
どうかと思う…私なら全力で止めるね。
周りの恋愛脳達もちょっとおかしいよなぁ…
友人達も失礼極まりないし。私なら友達辞めるわw

一度コンビニバイトを辞め、就職しようとするものの、
やはりコンビニバイトでなければ自分が人間として生活できないと
実感し、飛び込んだコンビニで的確なアドバイスをして自分を取り戻す。
こんなに的確にアドバイスできるのであれば、多分辞めたバイト先は
今頃ヒーヒー言ってそうだよね…
そもそも、結婚よりも、コンビニで就職する事を先に考えた方が良かったのでは…
絶対コンビニじゃないとダメなのかな?スーパーの正社員とかならありそうだけど…

この人のコンビニが私の漫画だなぁ…と思って読んでいた。
なので共感しかない。
人は人自分は自分と、割り切るのが一番楽になると思います。
結局主人公も最後割り切ってたし。
でも自分がおかしいのかも…と悩む気持ちも分かる。
共感しかないわぁ…

そもそも自分が今まで出会った人達で、普通だなぁ…と
思った人って数える程度しかいないよ…
だいたい個性的で世間からずれてて変な人ばっかだよ…
これは自分の周りだけがそうなんだろうか?
いや、多分みんなそれぞれ個性を持ってるって事なのだと思っている。
何が普通かなんて、人それぞれみんな基準が違う訳だし。
犯罪犯して世間に迷惑かけなければ何でもいいじゃないか。
主人公は自立もしてるわけだし。
でもまぁ、先々を考えればやっぱりバイトでは不安があるので、
就職できるならコンビニに就職するのが一番良さそうではある。

星は4つ。

『誰が勇者を殺したか』駄犬著

2025-01-05 00:35:08 | 小説感想
普段ライトノベルはほとんど読まないのだが
人からお勧め頂いたので読んでみました。
以下ネタバレあり。




















まぁ、読みやすかったですが…
面白いかって言われたら普通かなぁ…
そもそもライトノベルがあんまり好きじゃないのだわ。
軽すぎるのよね…なんか。
ライトっていうだけあって仕方ないのだけど。
合わないなぁ…

ストーリーとしては
魔王を倒した勇者アレスが戻ってこずに死んでしまった後の話で、
勇者の軌跡を追って、王女が各地に聞き取りに行くうちに
真実が見えてくる…と言う話なんだけど。
最初からまぁ、勇者は死んでないんだろうなぁ…とは思っていたし
ザックが出てきた地点でこいつが勇者なのね…とすぐ分かったけど
その後すぐそのエピソードを語っていく展開だったので
そこまで隠すつもりもない部分だったんだろうなぁとは思う。
でもなんというのか、なんかまぁ、読むだけだった。
物語に入り込めないんだよなぁ…
ハラハラもドキドキもないし、まぁ、そうだわな…という感じで。
文章は読みやすく、途中で飽きるって事はなかったけど。
そもそもがライトノベルと合わないのだと思うわ。

結局物語の善し悪しって根本的に自分の好みかどうか、から始まる気がする。
どんなに面白くても、不倫のドロドロ話だったら受け付けないし。
今回みたいに、漫画みたいな内容を文章で読むのもあんまり受け付けない。
こればっかりは好みの問題だわなぁ…

後、最近の傾向か知らんけど、全員を幸せにしようとし過ぎな気もする。
いや、アレスは死にっぱなしだけど。
王女とその母親のエピソードとか、とってつけたみたいなのはいらんかったかな…
そもそも最後のスイーツ店の話はいらんかなぁ…
より物語が軽くなってしまった気がする。
あれだけ頑なに死を偽装していなくなったのに
最後割と簡単に戻って来たのもいまいち。
この辺が全員を幸せにしようとし過ぎに感じてしまう原因かも。

漫画だったら読むかもだけど、
小説だったらもっと重厚なのが読みたいなぁ…
軽い小説でも、やっぱライトノベルとは感じが違うし。
結局ライトノベルというジャンルがあまり受け付けないんだと思う。
まぁ、好みなので仕方ないね。

星は3つ。

2024読書総括

2024-12-30 00:55:22 | 小説感想
さて、今年読んだ本は全部で36冊。(上下巻は2冊でカウント)
去年の25冊から大幅増!
おかげで感想文が最後の方は渋滞してしまった^^;
今年は十二国記のおかげで読書が滾りました!
ほんと楽しかったです…
しかしその後のロスが割ときつかった…^^;
それでは今年のベスト3発表します!

3位!

定年ゴジラ

文章の読みやすさ★★★★
物語の面白さ★★★
やめられない度★★
キャラクター★★★
読後感★★★★

今年より導入した制度w
★MAX5で評価しております。

定年を迎えた親父達の悲喜こもごも。
心に染みる部分もあり、ほっこり読めた。

2位!

ある閉ざされた雪の山荘で

文章の読みやすさ★★★★
物語の面白さ★★★★
やめられない度★★★
キャラクター★★
読後感★★★

東野圭吾は基本すらすら読めるのが良いけれど、
後からすっかり話を忘れているパターンが多く
印象に残らないのですが、
こちらの話は、三島由紀夫の金閣寺の後に読んだせいか
ものすごく読みやすくて面白く感じてしまい
非常に印象に残っている作品となりますw

1位!

十二国記

文章の読みやすさ★
物語の面白さ★★★★★
やめられない度★★★★★
キャラクター★★★★
読後感★★★★

正直十二国記それぞれの本を
別々にカウントしたらベスト3全部十二国記になるので
今回はまとめて1つにカウントさせて頂きました!

漢字が読みにくい上に、設定も難しくて
とりあえず文章においては本当に読みにくかったのですが、
それを上回る面白さで読むのやめられない地獄w
キャラクターも魅力的で良かった。
読後感も、戴国の話は最後がちょっと物足りないのだが
だいたいは満足できました。

そもそもシリーズどれも面白いってやばいっすよね?
ほんと、楽しい時間でした。

ちなみに十二国記内でベスト3は以下の通り。

3位 月の影 影の海
2位 図南の翼
1位 黄昏の岸 暁の点

1番のめり込んだのは各国の国王が泰麒を救う為
一丸となって行動する黄昏の岸~ですかね。
今までの主な登場人物がみんな登場するし、
わくわくしました。
2番目の図南の翼は1番読後感が良かった。
3番目の月の影~はやっぱ楽俊と陽子の出会いですからw
他の話も甲乙つけがたいのですが、敢えて選ぶなら上記かな?

いやぁ、今年は十二国記様々でした。
3位2位はどっちかって言うと消去法での選出…
十二国記が圧巻で圧勝で最高に面白くて
他のが霞んじまうわい…(;´Д`)
本当にお勧め頂きありがとうございました^^
楽しい読書時間でした!

以上2024年読書総括でした~!