今日はいわゆる「軍隊盃」をご覧にいれます。これは徴兵期間が満了した記念品として配ったものです。関東軍と明記してある盃は比較的に数が少ないようです。この盃は関東軍飛行第10連隊と明記されております。そしてかなり剥げていて分かりにくいのですが、93式重爆撃機が描かれています。
関東軍は昭和10年に関東軍飛行集団を編制して飛行隊を増強することになりました。その指令部は新京に置かれていました。その中には第10飛行連隊が新設されております。
なお、この第10飛行連隊は斉斉哈爾にあり、重爆撃機が2個中隊(12機)と偵察機が2個中隊(18機)の編制でありました。盃の絵柄より重爆撃機は93式重爆撃機であり、上記の偵察機は88式偵察機であろうと考えます。
絵葉書は93式重爆撃機のものです。本機は低速で鈍重なので現場の評判は悪かったとのことです。
*参考文献:「戦史叢書 満州方面陸軍航空作戦 防衛庁防衛研修所 朝雲新聞社」*