昭和の暗い歴史の中でも目を引く出来事といたしましては昭和農業恐慌があります。昭和5年にはじまり、7年にはピークに達しております。アメリカ発の世界恐慌が生糸価格の暴落を招き、その他の農業産物の価格も低下して、農作物の価格の回復には昭和11年までかかりました。女子の身売り、青田売り、欠食児童、教員の給料未払いなど悲惨を極めました。5.15事件もこのような農村を背景にしてこの年に発生しております。
それでは現物を見ましょう。日付は昭和7年3月であり、宛先は東金税務署長です。残念なことに調べる能力がありませんので、実際に自作農(小作農に対比する言葉)の地租(農地価格に基づく租税)が免除されたのかどうかは不明です。