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枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

備中国分寺五重塔、再訪

2014-02-13 | 古い神社や寺で
          ご存知のように、国分寺は奈良時代の天平13年(741)に聖武天皇の命により
          全国に建立された官寺ですが、今もその所縁の地の近くに国分寺の名を継ぐ
          寺が再興されています。この備中国分寺もそのひとつ。
          境内の西の外れに立つ五重塔。それは国分寺の、いや吉備路の至宝と言える
          ものでしょう。
          文政4年(1821)から二十数年をかけて、江戸末期に建立された塔。
          全国で、国宝、重文に指定されている五重塔は22基を数えますが、その中で
          最も年代が新しいもの。
          初層から最上層に至るまで、ほぼ同じ大きさで、軒の張り出しの小さい形状は
          江戸後期の特徴と言われます。室町時代までに開花した鳳が飛び立つような塔
          とは異なり、どっしりと、そしてしっかり地面に立った印象を得ます。
          周りの柔らかな落葉樹の丘の上に塔を見れば、頼もしく、美しく、時を置いても
          飽きさせることがありません。そして、近づけば、また違う印象が・・
          一段の高台の上に擬宝珠高欄を付した縁をめぐらせ塔は立ちます。
          初層中備の蟇股には十二支の禽獣が刻まれています。各層の二軒繁垂木・・
          仰げば、木魂の造る壮大な世界に吸い込まれそうです。