おもしろ住まい学

住まいについて面白そうな話を考える

やぐら造りの記憶

2014-07-16 01:53:51 | 日本の住まい

子どもの頃、たまに近くの木の上に「やぐら」を造った。

子どもだけではなかなか上手く造れないので、たまに父が一緒に造ってくれると、立派なのが出来て嬉しかった。

イメージは上の画像に近かったと思うが、もう少し見晴らしは良かったかも。

本当は高いところに

こんなのが造りたかったんだと思うが、こんなに立派なのは造れたことが無い。

子ども時代の「やぐら」には、子どもならではの様々な夢が含まれている。

探求心や自立心などを育むにはもってこいであろう。

僕は還暦も近いが、今でも「やぐら」を造りたいと思っている。

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     まさき設計

画像:ネットより

 

 

 


鳥居の話

2014-06-07 02:33:35 | 日本の住まい

鳥居とは、神社の祭神が鎮まる神域を表す構造物ですが、そもそもこの形、どうして出来たのでしょうか?

天照大御神と天の岩戸の物語(話が長いので・・省略)による鶏の止まり木説、インド仏教のトラナ説、中国の牌楼(ぱいろう)説など、はっきりしません。

この形、実は多くの形があるのですが、「笠木」がまっすぐな「神明造り」と、両端が反っている「明神造り」が基本形で、多くはこの二つの形からの派生であると思われます。笠木下の「貫き」も神明造りでは柱で止まっていて、明神造りでは貫通しています。

これから判断すると、佐世保の「亀山八幡宮」のこの鳥居、「明神造り」ですね。

三の鳥居の

になると、笠木の反りが立派で、貫も思いっきり貫通していて明らかに「明神造り」です。

ちなみに「神明造り」として東京・浅草神社の鳥居は

こんな感じです。

僕が今まで見たのは、ほとんど「明神造り」だったように思います。

しかしいずれの鳥居であっても、やはり鳥居の内側は神聖な領域の気配がします。

             mm

             まさき設計

画像:最下段のみネットより

 


ある住まいの記憶

2014-04-22 01:03:49 | 日本の住まい

僕は戦後10年以上たってから生まれたのですが、当時はまだ貧しい家があちこちに建っていました。

その頃は僕の実家も豊かではありませんでしたし、子供心には誰かが特に貧しいとか考えたこともなく、遊ぶ上では気になりませんでした。

近所にもよく遊びに行っていた知り合いの家があり、今考えるとその家も当時としても相当に粗末な作りでした。

上の画像は当時を思い出しながら、その家の間取り図を書いてみたものですが、大きく土間と部屋だけの住まいです。

土間は玄関と台所(釜や)の、部屋は食堂、居間、寝室の用途を担っていました。

玄関の片引き戸にガラスが入っていたか覚えていませんが、部屋の窓はガラスではなく、杉板の突き出し窓だったのを覚えています。

この家に、母と息子二人の3人家族が住んでいました。今思うと、相当貧しかったのだろうと思います。

ネットにもなかなか同じような画像がありませんでしたが、雰囲気としては

こんな感じでしょうか。

便所と風呂場は屋外に別棟で、屋根だけかかった吹きさらしの状態で建っていましたが、当時は珍しくありませんでした。

その後この家族は僕が中学の頃に、どこかに引っ越してしまったようです。

今そこには、別の新しい家が建っています。

             mm

             まさき設計

画像:毎日新聞より


もしも海で漂流したら(2)

2014-03-01 11:19:31 | 日本の住まい

これは今話題の長崎県の端島、通称「軍艦島」です。

0.06km2程の島に、最盛期は5,000人以上が生活をしていました。

このため上水は本土側より海底送水管により、補給を受けていました。

しかしこの島が絶海の孤島で、今の約半分の面積と、削る前の小高い山があった無人島だとしたら、どうでしょう?

この軍艦島くらいの大きさの島になると、常時ではなくとも雨上がりの湧水は期待出来るのかもしれません。

木を切って簡単な住居くらいは出来そうです。漂流者が流れ着いた時、はたして生き延びる事が出来るでしょうか?

この島はアイルランド近くの「スケリッグ・マイケル」という孤島ですが、島の面積は軍艦島の約3倍ほどの大きさで、標高は218mです。

見るからに水分に乏しい岩山のように見えますが、この山頂付近には古代から中世にかけて、島の岩石を利用して造られた修道院があって遺跡として残っています。西暦1000年頃には小さな教会もあったそうです。

当然水は自給出来ていたと考えられますが、この島はアイルランド本土からさほど遠くない(16km)ので、実際のところわかりません。

また、それなりに植物も生えているようですが背丈の高い植物は無く、食料はどうだったのでしょうか、自給出来ていたかどうかこれも定かではありません。

しかし、

この「南鳥島」になると、面積も「スケリッグ・マイケル」島の約8倍の1.5km2ほど。

現在は飛行場だけのように見えますが、海上自衛隊、海上保安庁、気象庁などの職員がいるだけで、民間人は住んでいません。

この島にはかつて日本人の「水谷村」という開拓村がありました。当然水も食料も、住居を作る材料なども自給出来ていたものと考えられますが、当時この島で採れる物は、バナナ、パパイヤ、椰子、からし菜などで、他は海から採れる物だけでした。

水は当然雨水を溜めて利用していたそうです。

「ロビンソン・クルーソー」は、島に猫や犬を持ち込んだ他、野生の山羊を飼い慣らしてバターやチーズを作りました。

これは野生の山羊がいるほどの相当に大きな島だったから出来たことですね。

 では、これまでよりも一回り大きな島ではどうでしょうか?

これは現在無人島の「北硫黄島」ですが、かつて西村と石野村という開拓村が存在しました。

島の面積も「南鳥島」の約3.7倍程もあり、最盛期には200人以上が生活し、僅かな平地に小学校まであったそうなので、当然水、食料の他、住居用の材料などは自給出来ていたものと考えられます。

サトウキビや野菜などの栽培をはじめ、島には鳥類もいて、鰹漁が行われていました。しかし哺乳類はオオコウモリのみだそうです。

また、

このロストワールドに出てきそうな「青ヶ島」には、現在約200人程の一般の人々が生活をしています。

面積は「北硫黄島」より僅かに大きいくらいですが、小さな発電所まであります。

地形的にも大きなカルデラがあり、見るからに水にも困ることは無さそうです。

また本土からの持ち込みですが、農業、牛の畜産も行われています。

生きる上ではほとんど困ることは無さそうです。

 

以上から考えると、絶海の孤島に運良く流れ着いた時、生死を分けるのは大きさで言うと「南鳥島」あたりで、それより小さくなるほど生き延びる可能性が低くなり、それより大きいと当然高くなります。また、住居なども作りやすいかそうでないか、その島の地形、植生なども大いに関係すると考えられます。

             mm

             まさき設計

画像:ネットより


もしも海で漂流したら(1)

2014-02-28 16:19:22 | 日本の住まい

う~ん、これまでとちょっと流れが違うんですが・・・面白そうなので。

もし私たちが絶海で漂流し、島に流れ着いたとしたら、生死を分けるのはその島によると思われます。

上の画像は「サンドン岩」という奄美大島の北方にある岩礁ですが、運良く流れ着いたとしても、流れ着いた先がこれだと、もう諦めるしかない。

多分、すぐに干からびるでしょう。

伊豆諸島にある「イナンバ島」のように

多少その島がおおきくなったとしても、植物が生えていない島は、もう、見るからに厳しい。

そこへいくと、植物があるだけで人の気分は相当和みます。

これはミクロネシアのどこかの小島ですが、

う~ん、ビールが美味そうな、実に気持ちよさそうな小島ですねぇ~。

しかし、たとえ植物が生えていたとしても、絶海の孤島がこんなに小さいと「サンドン岩」よりはマシなのですが、多分これも干からびるのは時間の問題でしょう。

生き延びるために先ず必要なのはやはり水なので、その島で淡水が得られるかどうかが最初のカギです。

そう考えると、島自体に保水力があるかどうかが問題となってくる訳ですね。

保水力を得るためには、一定以上の面積や、ある程度の標高差が必要だと思います。で、例えば「隠岐の島」の近くにある、この「星の神島」、

うっすらとではありますが植物が茂っています。上手くいけば雨上がりの時など、下の方では湧水も見つかるかもしれません。

また、たとえ植物が茂っていたとしても、マーシャル諸島のこの小島のように標高が小さいと、

雨水の保水力はほとんど無いと思われます。何らかの方法で、雨の時に天水を集めることが出来ればいいのですが・・・。

では標高が低くても、もう少し大きい、これもミクロネシアのどこかの小島ですが、どうでしょう?

おお、なんか一息つけそうな気配・・・。

島の中央のジャングルに入っていけば、雨上がりにはどこかに天水も溜まっていそうです。

そして食べ物になるものが何か無いか探してみようと、明らかに生き延びる希望が湧いて来るようです。

さらに手元に手斧でもあれば、仮住まいくらいは出来そう・・?

                          もしも海で漂流したら(2)へ続く

             mm

             まさき設計

画像:ネットより