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[NFL短評]EVERY WEEK 絶不調!

2009-10-18 11:03:44 | NFL
In N.F.L., Parity Is Taking a Turn for the Worse (New York Times)
Bills fans rent billboard to advertise discontent(SI.com)
Giants' Pierce: Sorry Raiders 'need some guidance'(FOXsports.com)
Everyone from Riggins to team blogger rips 'Skins(FOXsports.xom)


なかなか触れることができずにいたのですが、今シーズンもしっかりとNFLを見ています。あっという間に
第6週を迎えようとしています。なんといっても今シーズンの特徴は、絶好調チームと絶不調チームが、
あまりにもくっきりと分かれている点にあります。


こちらがこれまでのところ無敗もしくは1敗チームになります。無敗のブロンコスとここには上がっていない
ジェッツに負けたペイトリオッツはこのリストから除外されていますが、「おなじみ」コルツや「おなじみ」
ジャイアンツなど、まぁ順当なチームがここに出ていると思います。もちろん、ブロンコスがシーズン前の
ゴタゴタからここまで勝てるとは思えなかったし、ベンガルズもまさかの1敗などと特筆すべきところもない
わけではありませんが、このリストがいかにおなじみなチームが揃っているかは、次のリストを見ればすぐに
わかるかと思います。


こちらはこれまでのところ全敗もしくは1勝のみのチームです。タイタンズとパンサーズを除けば順当なチームが
揃っているなという印象を受けるでしょう。ただし、ライオンズは昨年の勝利数を既に上回っています。

「勢力均衡」いわゆる"Parity"が売りのNFLにとって、ここまでの格差が出るのはリーグ創設以来初めてだと
言われています。NFLは特定チームへ実力が集中しないように、サラリーキャップやドラフト制度、シーズンの
対戦相手の組み方など、あらゆる努力を行っています。それでも実際には試合では勝ち負けがはっきりするから、
こうした結果が表れても不思議ではありません。

しかし、ここ最近はどうもこの結果が固定化されつつあるように感じられます。チーフスやラムズやライオンズなど、
いつものチームがいつものように下位に低迷しつづけているのです。強面軍団だったはずのレイダースは今では、
グレッグ・エリスも認めるところの「笑い草」チームに成り下がり、強烈なファンのコスプレ以外に話題にするものが
なくなってしまいました。チームが負け数を重ねていくにつれ、ファンの不満はそれ以上に高まっていきます。
試合中にコーチ解雇を示したり、スタジアム外でのデモ行為は当たり前のこと、ついにはチームの不満を示す看板が
出る始末です。比較的ゆるいスケジュールにもかかわらず3敗しているレッドスキンズでは、殿堂入りしている偉大なる
OBジョン・リギンスはもっと現代的な形でその不満を世界中へぶちまけました。



個人的にはNFLの勢力均衡はあくまでも結果均衡ではなく、機会均衡でしかないと思っています。どのような制度を
敷いたところで、勝つチームはたくさん勝つ、負けるチームは全敗するはずです。それがひとえに勝負の世界であり、
選手やコーチたちはそのことでご飯を食べています。NFLはひとつのチームに有力選手が集まらないように選手の
給与の総額に上限を設けたり、下位チームはドラフトで早い順位での選択権を得ることができます。しかし下位に
留まることを運命付けられてしまったチームは、こうした機会を無駄に使っているのです。「チームは再建中」と
いってしまえば聞こえはいいのですが、どういった完成形のために「再建」しているのかが見えてこないのです。
レイダースのオフェンスはドラフト1位で獲得したジャマーカス・ラッセルをいまだに使い余しています。というより、
ラッセル自身にも成長が見られません。だからこそ、第5週に対戦したジャイアンツのアントニオ・ピアースから、
レイダースとの戦いは「練習のようなものだった」と言われるのです。

そのジャイアンツは今週セインツが全勝対決を行い、どちらかが1敗をすることでしょう。また全敗チームもすべてが
シーズン最終戦まで勝てないまま終わることも考えられません。そうして星の潰し合いをしていく中で、ここに出てない
下位チームにもプレイオフ進出の芽が出てきて、結果的な均衡が作られていくものと思われます。NFLはこうした均衡を
狙っているのかもしれませんが、これまでの戦いぶりを見ると、結果以前に各チームのレベルの均衡が必ずしも
できていないように感じられます。ただしそれは下位チームの意識改革こそが必要なのです。


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