1年前を思い出してください。なぜトム・コフリンはニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチに留任したのか、
なぜイーライ・マニングはジャイアンツのQBとして君臨していられるのか、マイケル・ストレイハンはもう
引退をするのだろうか・・・ジャイアンツの取り巻く空気は暗いものばかりでした。
2007年シーズン開幕2敗後、6連勝をしても、ニューヨークのメディアはマニングに対して冷たい視線を
送り続けました。しかし、マニングはそうした批判に慣れたのか、特に怒ったりすることもせず、右から
左へと受け流しました。そのマニングが評価を上げたのは、皮肉でもなんでもなく、2007年が終わろうと
していたシーズン最終戦で、ペイトリオッツ相手に互角の戦いをし、負けたときでした。不思議なもので、
2007年シーズンに限っては、ペイトリオッツといい戦いをしたチームは評価が上がるのです。もちろん、
1チームを除いて全てペイトリオッツに対して負けているのですが。
ペイトリオッツに接戦で負けた勢いで、ジャイアンツはタンパ-ダラス-グリーンベイと続くアメリカ縦断の
アウェイ続きのプレイオフを勝ち抜きました。そこには、ジャイアンツはもはや失うものはないという
楽観ムードが漂っていたようです。
そして迎えたスーパーボウル。奇しくもジャイアンツはペイトリオッツを相手にすることになりました。
そこには、もはや自信がみなぎらないマニングの姿はありませんでした。シーズン最終戦の前、イーライは
兄ペイトンから、ペイトリオッツ戦の虎の巻を教えてもらっていましたが、スーパーボウルに来るまでには、
そうしたものも必要ありませんでした。そのことは、オープニングドライブで、10分も掛けて先取点を
もぎとったところからも伺えました。
その後、硬直した試合を支えたのはジャイアンツのディフェンス陣でした。特にフロントのストレイハンや
オシ・ウメイヨラは執拗なプレッシャーをトム・ブレイディに掛け続け、サム・マディソンをはじめとした
セカンダリー陣にしっかりと仕事を与え続けました。テレビでは、これでもかといわんばかりに、
ディフェンシブ・コーディネーターを映し続けていたのも印象的でした。確かにペイトリオッツに
1TDを獲られていましたが、それもきっちりドライブされたものではなく、現代フットボールでは
致し方ない反則、パスインターフェアから得たチャンスをものにされただけであって、ジャイアンツが
圧倒的に負けていた試合ではありませんでした。
そんな中、「いつもの」ペイトンが出たこの3rdQのプレイのとき、正直言ってジャイアンツは負けたと
直感で思いました。
3-6-NE 41 (3:18) (Shotgun) 10-E.Manning pass incomplete short left to 17-P.Burress (21-R.Gay).
マニングはペイトリオッツのディフェンスから逃れ、左に走ります。目の前にはプラクシコ・バレスが
ほぼフリーの状態でいました。ただ、決めるべきところで決められないのがマニング。ここまできっちりと
パスが決まっていたにもかかわらず、オーバースロー気味のパスになり、バレスはキャッチできませんでした。
ふと思い出したのが、大雨のロンドンでの試合で、イージーなTDパスを投げられなかったマニングであり、
昨年のスーパーボウル、同じような時間帯に同じようなパス失敗をしたレックス・グロスマンの姿でした。
しかしすぐに、マニングはこうした選手および過去の自分とは違うことを4thQのこのパスで教えてくれました。
1-10-NYG 20 (14:52) 10-E.Manning pass deep middle to 89-K.Boss to NE 35 for 45 yards (37-R.Harrison).
このパスはケビン・ボスも良く走った一方、きっちりとマニングが決めたことで、停滞した試合全体が
動き出した意味でも非常に大きいプレイでした。そう、この試合は最初のドライブからブレイディではなく
マニングが作り上げていたのです。
そして、この試合実質的に最後のドライブ、マニングとデビッド・タイリーによる奇跡的なプレイが出ます。
3-5-NYG 44 (1:15) (Shotgun) 10-E.Manning pass deep middle to 85-D.Tyree to NE 24 for 32 yards (37-R.Harrison).
このパスは逆転されたジャイアンツにとって起死回生であり、マニングにMVPをもたらしたプレイになりました。
しかし、その後マニングはサックとパス失敗に耐え、スティーブ・スミスへのアウトのパス、そして試合前に
勝利宣言めいたことを口にしたバレスへのTDパスを決めました。
1年前、いや1ヶ月前ですらジャイアンツがスーパーボウルで優勝するとは考えもよらなかったはずです。
メディアからたたかれ、ファンからブーイングされながらも耐え切り、最高の試合で最高のパフォーマンスをした
マニングはMVPに相応しいのではないでしょうか。
Patriots nearly perfect, but the Giants are Super Bowl champions(NFL.com)
Eli keeps Super Bowl MVP award in family(NFL.com)
Extreme Makeover, Champions Edition(The New York Times)
なぜイーライ・マニングはジャイアンツのQBとして君臨していられるのか、マイケル・ストレイハンはもう
引退をするのだろうか・・・ジャイアンツの取り巻く空気は暗いものばかりでした。
2007年シーズン開幕2敗後、6連勝をしても、ニューヨークのメディアはマニングに対して冷たい視線を
送り続けました。しかし、マニングはそうした批判に慣れたのか、特に怒ったりすることもせず、右から
左へと受け流しました。そのマニングが評価を上げたのは、皮肉でもなんでもなく、2007年が終わろうと
していたシーズン最終戦で、ペイトリオッツ相手に互角の戦いをし、負けたときでした。不思議なもので、
2007年シーズンに限っては、ペイトリオッツといい戦いをしたチームは評価が上がるのです。もちろん、
1チームを除いて全てペイトリオッツに対して負けているのですが。
ペイトリオッツに接戦で負けた勢いで、ジャイアンツはタンパ-ダラス-グリーンベイと続くアメリカ縦断の
アウェイ続きのプレイオフを勝ち抜きました。そこには、ジャイアンツはもはや失うものはないという
楽観ムードが漂っていたようです。
そして迎えたスーパーボウル。奇しくもジャイアンツはペイトリオッツを相手にすることになりました。
そこには、もはや自信がみなぎらないマニングの姿はありませんでした。シーズン最終戦の前、イーライは
兄ペイトンから、ペイトリオッツ戦の虎の巻を教えてもらっていましたが、スーパーボウルに来るまでには、
そうしたものも必要ありませんでした。そのことは、オープニングドライブで、10分も掛けて先取点を
もぎとったところからも伺えました。
その後、硬直した試合を支えたのはジャイアンツのディフェンス陣でした。特にフロントのストレイハンや
オシ・ウメイヨラは執拗なプレッシャーをトム・ブレイディに掛け続け、サム・マディソンをはじめとした
セカンダリー陣にしっかりと仕事を与え続けました。テレビでは、これでもかといわんばかりに、
ディフェンシブ・コーディネーターを映し続けていたのも印象的でした。確かにペイトリオッツに
1TDを獲られていましたが、それもきっちりドライブされたものではなく、現代フットボールでは
致し方ない反則、パスインターフェアから得たチャンスをものにされただけであって、ジャイアンツが
圧倒的に負けていた試合ではありませんでした。
そんな中、「いつもの」ペイトンが出たこの3rdQのプレイのとき、正直言ってジャイアンツは負けたと
直感で思いました。
3-6-NE 41 (3:18) (Shotgun) 10-E.Manning pass incomplete short left to 17-P.Burress (21-R.Gay).
マニングはペイトリオッツのディフェンスから逃れ、左に走ります。目の前にはプラクシコ・バレスが
ほぼフリーの状態でいました。ただ、決めるべきところで決められないのがマニング。ここまできっちりと
パスが決まっていたにもかかわらず、オーバースロー気味のパスになり、バレスはキャッチできませんでした。
ふと思い出したのが、大雨のロンドンでの試合で、イージーなTDパスを投げられなかったマニングであり、
昨年のスーパーボウル、同じような時間帯に同じようなパス失敗をしたレックス・グロスマンの姿でした。
しかしすぐに、マニングはこうした選手および過去の自分とは違うことを4thQのこのパスで教えてくれました。
1-10-NYG 20 (14:52) 10-E.Manning pass deep middle to 89-K.Boss to NE 35 for 45 yards (37-R.Harrison).
このパスはケビン・ボスも良く走った一方、きっちりとマニングが決めたことで、停滞した試合全体が
動き出した意味でも非常に大きいプレイでした。そう、この試合は最初のドライブからブレイディではなく
マニングが作り上げていたのです。
そして、この試合実質的に最後のドライブ、マニングとデビッド・タイリーによる奇跡的なプレイが出ます。
3-5-NYG 44 (1:15) (Shotgun) 10-E.Manning pass deep middle to 85-D.Tyree to NE 24 for 32 yards (37-R.Harrison).
このパスは逆転されたジャイアンツにとって起死回生であり、マニングにMVPをもたらしたプレイになりました。
しかし、その後マニングはサックとパス失敗に耐え、スティーブ・スミスへのアウトのパス、そして試合前に
勝利宣言めいたことを口にしたバレスへのTDパスを決めました。
1年前、いや1ヶ月前ですらジャイアンツがスーパーボウルで優勝するとは考えもよらなかったはずです。
メディアからたたかれ、ファンからブーイングされながらも耐え切り、最高の試合で最高のパフォーマンスをした
マニングはMVPに相応しいのではないでしょうか。
Patriots nearly perfect, but the Giants are Super Bowl champions(NFL.com)
Eli keeps Super Bowl MVP award in family(NFL.com)
Extreme Makeover, Champions Edition(The New York Times)