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Blackout

2005-07-13 15:51:31 | MLB
Black U.S. All-Stars ponder their dwindling presence (CBS Sportsline)

今日はメジャーリーグのオールスターが行われました。自分は仕事中なのでまだ見ていません。
結果も知りません。家に帰ったらゆっくり見ます。

今年のオールスターはやたらと来年行われるワールド・ベースボール・クラシックを全面に押し出す形で、
国別対抗やら国際色やらを強調している感じを受けます。その影で、アメリカ人選手、特にアメリカ人の
黒人選手の数が少ないという面が隠れてしまったようです。今回のオールスターの中で、
アメリカ人の黒人選手は以下の5人のみです。これは前回デトロイトでオールスターが開催された
1971年に比べて10人も少ない数字です。

デレック・リー
ゲーリー・シェフィールド
ドントレル・ウィリス
ギャレット・アンダーソン
ジミー・ロリンズ

同時にこの事態はMLB全体にも当てはまり、アフリカ系アメリカ人がメジャーの選手に占める割合は、
たったの9%だと言われています(10年前は19%、30年前は27%)。これは単にラテン系選手が増えて、
反比例的に黒人選手が減ったということだけではないらしいです。

MLBは声を高くしてこの現象に問題アリとは唱えているわけではないけれども、「RBIプログラム」
(Reviving Baseball in the Inner Cities)と称して都市の貧困地区(要は黒人の住民が多いところ)の
子供たちを対象とした野球プログラムを行っており、このプログラムから育った選手も出てきています。
でもこれだけでは9%という数字を伸ばすのはムリだというのがギャレット・アンダーソン。
「これだけでは1970年代のように黒人スター選手が多くいる時代に戻らない。なぜならあの頃は
バスケット(要はNBA)がいまほど人気があったわけではない」とアンダーソンの性格そのままに
キッパリと答えています。

そうです、やはり他のスポーツ特にNBAやNFLと比べたら、ということになってしまいそうです。
例えばNBAでは最近高校出身やアーリーエントリーの黒人スター選手(レブロン・ジェームス、
カーメロ・アンソニー、アマレ・スタウドマイアなど)が大活躍をしておまけにCM出演などで大金を
得ているのを見れば、子供たちはNBAの方がいいなと思うでしょう。おまけに最近は高校バスケットも
ESPNが中継するほどの時代です。MLBでは高校を出てドラフトされてもすぐにメジャーでプレイが
できるわけでもなく、高校時代はテレビカメラどころかお客さんがいない中試合をして(どこかの国の
大新聞みたいに全国大会を主催して投手の肩を酷使させた上で感動ありがとう!、なんていうイベントはない)、
という環境ではすぐお金持ちにはなれないのです。やはり行き着くところはお金なのか??

一方のNFL。ほぼ全ての選手は大学からプロへと進みますが、大学入学の際には奨学金をもらい、
NCAAのフットボールはトップ校になれば全米中継されるし、プロになればやはりお金が沢山入ります。
特に最近変わったのは、これまで白人が支配しつづけていたと言っても過言ではないQBにマイケル・ヴィックや
ドノバン・マクナブ、ドーンティ・カルペッパーと言った黒人スター選手が珍しくない形で活躍している点でしょう
(少し前までは黒人QBということだけでかなり珍しがられたこともありました)。

こう考えると、お金の問題や苦労する長さというよりもスター性のある黒人のソーシャルモデルが
メジャーリーグにはいないとまでは言わなくても少ないということになりそうです。メジャーリーガーだって
大金を得ることはできるし、子供の黒人ファンを増やすために高校出身でいきなりメジャーで活躍させるという
システム変更も無理でしょう。決して今回オールスターに出た黒人選手にスター性が備わっていないとは
言いませんが、今いる選手たちの活躍と努力が最も確実な答えなのでしょう。それでも、多くの国から
選手が集まる時代にアフリカ系アメリカ人選手だけで20%を占めることはもうないと思います。

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