goo blog サービス終了のお知らせ 

そのさきへ -Deep Sky Blue version-

このブログは引っ越しています

[NCAA短評]Familier and magic (or no magic)

2010-03-27 23:14:16 | NBA
Michigan State ends UNI's tourney run, advances to Midwest final(ESPN)
As always, Izzo a master in March(ESPN)
Hobbled Spartans dig deep, come together at right time(CBS Sportsline)


まだ寒い3月末の土曜日の午前中に、高速インターネットを使いアメリカのNCAAトーナメントを見る、
本当にありがたい時代になったものです。日本にいながらもこうした試合を見ることができ、かつ、
日本ではもちろん、アメリカでも名の知られていない大学のバスケットボールを見て興奮できるとは、
一昔前までは考えられなかったことでしょう。

それはともかく、今日は2試合をインターネットのライブ中継で見ることができました。最初に見た、
テネシー対オハイオ州立戦は本当に最後の0秒までわからない接戦でしたが、全米的にはその後に
行われたノーザンアイオワ対ミシガン州立戦の方が注目度高かったかもしれません。

優勝候補のカンザスを破ってスイート16に残ったノーザンアイオワは、アップセットが連続する今年の
NCAAトーナメントを象徴するチームとして、その名を全米に知らしめました。この大学がここまで
勝ち上がらなければ、誰もAli Farokhmaneshなんていう難しい名前の選手を知ることはもちろん、
「ファネクマネシュ」という読み方を覚えることもなかったでしょう。一方のミシガン州立はバスケットに
限らずスポーツの名門大学であり、トム・イゾーという勝ち方を熟知したヘッドコーチが率います。
ただし主力選手の多くがケガで欠場あるいは万全ではない状態のため、ミシガン州立もカンザスの
二の舞になるのではないかという報道もありました。

実際、試合開始当初はミシガン州立もここで足元を救われるのではないかと言う展開が続きました。
ノーザンアイオワが序盤から7-0のリードを奪い、リバウンドも確実に奪い、試合を有利に進めていた
印象を受けました。さらなるアップセットを期待する全米のバスケットボールのファンはもちろんのこと、
チームカラーの紫で埋まる客席の一角を意識的に多く写していたCBSですら、ノーザンアイオワの
味方をしているように見えたほどです。

しかし、ミシガン州立が試合の流れを奪われながらも落ち着いているなと思わせてくれたのは、
ミシガン州立はとにかくボールを早く回すことでしぶといオフェンスを展開していたことです。
これは、リバウンド勝負で優位に進めていたノーザンアイオワが、速攻気味に攻めるのとは一線を
画していました。

このミシガン州立のスタンスは、前半を29-22でリードされて終わった後も徹底していました。むしろ、
前半からその流れを続けていたこともあり、後半ノーザンアイオワの選手は守備の際に足が完全に
動かなくなっていました。パスを自在に回し、最後にシュートを決める、そのようにしてミシガン州立は
逆転していきます。一方の後半のノーザンアイオワの攻撃では、インサイドへ切り込むことができず、
あたかも自分たちが無理やりシュートするように強いている印象を受けました。このあたりも前半の
終了後にイゾーHCが守備を修正したところにあるのだと思います。この体力的かつ心理的な圧迫が
試合終了が近い段階でのノーザンアイオワの相次ぐフリースロー失敗に繋がったのでしょう。

一発勝負のNCAAトーナメントでは何が起こり何が試合の流れを変えるかによってすべてが決まる、
1か0の世界です。だからこそ、ノーザンアイオワがカンザスを破り全米が驚くような事件も起こり、
人々は格下チームにさらなるアップセットを期待します。そうした勢いと期待感が後押しするチームに
対抗するには、しぶとく自分たちのプレイを重ねていくことが最善の道なのかもしれません。それは、
ミシガン州立のような強豪校であっても、です。そのようなところにイゾーHCの大試合での匠を垣間見た
ような気がします。それがミシガン州立を「おなじみ」なエリート8進出を果たすに十分すぎました。

一方、ミシガン州立のOBであるマジック・ジョンソンの前で、ノーザンアイオワは2回目のマジックを
起こすことはできませんでした。結果は苦いものでしたが、ここまで盛り上げたノーザンアイオワは
マジックだったと言えるでしょう。他のアップセット校と共に今年の3月のアメリカをMadnessに
してくれました。


最新の画像もっと見る