初めまして、一回生のまっき―と申します。先日、先輩に「ブログ書いてみなよ!」との嬉しいお言葉をいただき、この度初投稿させていただくこととなりました。ブログはサークルの一つの「顔」ということで、少し緊張しますが頑張ります。
さて、6月3日は大津市伝統芸能会館にて、観世会OBの方々(諧声会)主催の自演会が行われ、現役部員も参加させていただきました。
一回生の私は今回が初舞台。先輩方のご指導の下、生まれて初めての紋付き袴に袖を通しますと、自然と気も引き締まります。金色に煌めくゴージャス!な仕舞扇を手に、いざ能舞台へ出陣です。私にとって、今までは客席から眺めるのが当たり前であった能舞台。「演者さんにはこんな風に見えているのかあ」と思いながら、視界に広がる客席を見渡しました。普段のお稽古で使用しているBOXの能舞台と大きさは変わらないはずなのですが、緊張で心が縮こまっていたせいか、舞台は思ったよりも小さく感じられました。今自分の立っている、たった三間四方の空間から、数えきれないほどの物語が紡がれてきたと考えると、なかなか胸にせまるものがあります。
舞台に並ぶ際に思いっきり自分の座る位置を間違えてしまい、まるで小さな子供のように、正しい位置へと先輩に手を引かれるというお恥ずかしい出来事もありましたが、何とか無事に「紅葉狩」を舞うことができました。反省点は山ほどありましたが、能舞台をあとにすると、どことなく心地の良い清々しさを感じました。
その後も会は続き、OBの方々の舞う姿、謡う姿をたっぷりと拝見致しました。どの方の仕舞や謡も、非常に堂々とされていて素晴らしく、お能初心者の私にも、先輩方のその長年のお稽古の蓄積が、一つ一つの動きや声の中にまざまざと表れているように感じられました。先輩方の背中を追いかけて、私もこれから日々精進していこうと、改めて心に誓いました。
自演会のあとは、お待ちかねの(?)夕食です。頬っぺたが落ちてしまいそうなほど、美味しい美味しい近江牛を頂きました。普段、大学生らしいテキトーなご飯を食べている私にとって、その味は筆舌に尽くしがたいものでした。ああ、たった今午前1時をまわったところなのですが、あの時味わったローストビーフやらステーキやらを思い出すと、お腹が空いて夜食に手を伸ばしてしまいそうです。美味しいお肉って本当にツミなやつだと思います。
美味しい料理を前にすると、自然と話にも花が咲くものです。沢山の先輩方と色々なお話をすることができました。お能の話から、これから大学生活を送る上での心構えに関わる話に至るまで。「せっかくの大学生活、自分が本当に好きといえることを見つけよう」という先輩方のお言葉が胸にしみいりました。そんな先輩方にとっては、お能こそが「自分が本当に好きといえること」なのでしょう。心の底から胸を張って好きと言えるものを持っている方々の、なんと生き生きとされていることか。私はまだ、模索中の人間ですが、お能に触れていく中で、そういうものが見つかればいいなぁと、ひそかな期待感を抱いているところでございます。
二次会が終わったころには、もうすっかり夜も深まっておりました。あたたかな酒場(※私は飲んでおりません!アールグレイを優雅に嗜んでおりました)を離れて、涼しい夜風に吹かれつつ家路を辿りながら、一日を振り返ってみました。本当に充実した一日でした。そして、観世会に入って良かった!と心から思える一日でした。
さてさて、6月10日には、今回自演会が行われた場所と同じ大津市伝統芸能会館にて、我々京大と龍谷大学さん、奈良女子大学さんとの三大学合同発表会があります。もう残された日にちはわずかですが、自演会での反省を踏まえ、当日へ向けて準備を整えて参ります。
(賑やかな二次会の様子です。汲めども尽きず……。)
(まっきー)