京大観世会blog

観世会のゆかいな日常です。

不全!? 観世流謡曲百番集

2016-01-29 18:04:15 | Weblog

前回の投稿でご紹介したBOXの謡本修繕プロジェクトですが、
ついに深手を負った老兵たちへの施術が行われました。

 

表紙もはずれ、適当な裏紙で適当に補強された百番集。
最初の方と最後の方の曲はページが外れてしまってます。
(箙より前、半蔀よりあとの曲がなくなるもしくは、中途半端にしかありません。)


施術開始!!
残っているページを補強!
背表紙は不必要な部分を削り、中身に合わせた幅に調整だ!
別の紙で表紙の裏打ちをして、装丁!!
なくなった目次のページの代わりに新しい目次を挿入!
これが最後だ!ラベルを貼り付けろ!!

完成!!
不全 観世流謡曲百番集」!!

  

ページが足りないので「不全」です。
観世流謡曲『白』番集」にする案もあったのですが、他のと並べたときに分かりにくいので頭に不全とつけることにしました。

 

目次も新規作成しました。
Wordで曲名を打ち込んだ後、この本では欠落している曲に線を入れました。
破れて使えなくなったページもなるべく再利用して生かしてます。

どうです?なかなかイイカンジじゃないですか?
受け継がれてきた本なのでなるべく長く大事に使いたいものです。


ではでは!
シュワッチ!!○(%)。

(谷マン)


修繕 -メンテナンス-

2016-01-22 22:43:44 | Weblog

谷マンです。
寒いですね!こないだは京都でも雪が降りました。

京大は試験が目前に迫り、自習室やら図書館では大勢の学生が黙々と勉強しております。
BOXに自主稽古に来る人もいつもよりかは少なめです。


さて、最近謡本の修繕に凝ってます。
観世会には会所有の正・続百番集が数冊あるのですが、長年部員の稽古を支えてきたためにかなり表紙がボロボロでした。
正月に帰省した際の手慰みに、その満身創痍の百番集たちに修繕を施してみたのですが、それが思いの他うまくできたので他の謡本の修繕にも乗り出したんです。

  ボロボロの百番集。

  表紙をはがして新しく表紙を装着!!

正月明けに一番本を綴るのに最適な糸を手芸店で探し、稽古後に夜な夜なみんなで修繕。

  修理を待つ一番本たち
少しづつ作業を進めた結果、先日50冊余りの一番本の修繕も終わりました!!


今はほかの百番集(前修繕したものよりも更に状態が悪い)に取り組んでます。
技術継承のため、春休みには初心謡本の表紙の付け替えレクチャーも部内で行おうかと思ってます。


謡本の修繕、表紙の付け替えは案外簡単なのでおすすめですよ。
愛着もわきますしね!!

ではでは!
シュワッチ!!○(%)。

(谷マン)


新年会です

2016-01-13 07:51:14 | Weblog

はじめまして。1回生のAkkyと申します。

既にお伝えした通り、去る1月9日(土)に河村能舞台さんにおきまして新年会を行いました。その様子をご報告したいと思います。


 

(写真左) 能舞台の玄関。当日は天気に恵まれ空は晴れ渡り、新年会を迎えるによい日和となりました。 
(写真右) 予定通り午前11時半、現役生の連吟「高砂」が会の始まりを告げます。

本会には師匠やOB/OGの皆様、そして流派を問わぬ各地の能楽サークルの方々にも御出演いただきました。
仕舞・舞囃子・素謡など演目も多岐にわたってそれぞれ会を彩ることとなりました。

この会の面白さというと何ですが、多様な方が出演される場だからこそ各々の流儀の違いが感じられるもので、耳慣れた曲にも唄い方や仕舞の型等々の差異を楽しむ事が出来るのだそうです。

私自身はまだそうした違いに敏感に気付けるほど能という世界に親しんでいる訳ではありませんが、そうであればこそ斯様な機会を一つ一つ大切にし勉強していきたいと思います。


(左) 上演中の舞台。長時間に渡る会ですが、楽しさが故か時間が飛ぶように去ってゆきます。
(写真右) 会も終わった後の能舞台玄関。

終演後は後席に移動です。此方にも師匠をはじめ多くの方にご参加いただきました。

(写真左) 師匠による乾杯の挨拶
(写真右) OB/OGや各サークルの代表による挨拶もありました。当会代表の不思議なスピーチに会場は笑いの渦に。

日頃顔を合わせぬ者同士で話をするというのもいい機会ですね。
芸事のこと、学生生活のこと...自然と会話がはずみます。


そしてこの後も2次会、3次会(in BOX)と続いていった訳でありまして、大変充実した時間を過ごした方もいるかと思います。これも新年会に参加してくださった皆様のおかげかと言えるやもしれません。本当にありがとうございました。

今年一年が皆様にとって良い年でありますように。

 

さて観世会では新年会を終えて心機一転、稽古曲も入れ替わりました。
今後は3月に東京で開催予定の四大学交流会に向けて稽古を進めて行くことになります。
まだまだ覚えることが山ほどあります。私も頑張らねば...

 

(Akky)


明日は新年会です!!

2016-01-08 17:23:48 | Weblog
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨日は7日でしたが、皆さんは七草粥召し上がりましたか?
観世会は稽古後に部室で調理しみんなで食べました。今年も健康に過ごしたいものですね。
 


さて、明日は新年会です。
河村能舞台にて11時半始曲。18時ごろ終演予定

入場無料です。

番組はこちらから ⇒ 


師匠やOBの皆さまに加え、流派を問わず全国の能楽サークルの皆さま合計14団体にもご出演いただいております。

ぜひお越しくださいませ!!




紅白歌合戦

2016-01-01 00:17:46 | Weblog
 あけましておめでとうございます。
 私が2015年最後に楽しみにしていたのは紅白歌合戦の美輪明宏だったのでその報告をしたい。

 私は京都で年を越すとき、必ず銭湯に行き紅白の美輪明宏を見る。去年は実家に帰っていたが、二年前、三年前は京都で過ごし、銭湯へ行っていた。
 三年前(2012年)は美輪明宏の紅白初出演の年であって『ヨイトマケの唄』、二年前(2013年)は『ふるさとの空の下で』をうたった。銭湯で見ることの醍醐味は周りのおじさんたちの感想を聞けることに他ならない。『ヨイトマケの唄』の時、まわりのおじさん達は美輪明宏を評して「一人芝居をしているようだぁ」とか「美輪明宏は歌うまいなぁ」といったことを口々に言っている。私は、みんな美輪明宏を知らなかったんだなぁと思いながら聞いていた。
 『ふるさとの空の下で』の時は二年目であってかつ劇的な歌ではないため、反応はあまり聞けなかったものの私の周りに数人美輪明宏にくぎ付けになっているおじさんたちがいたものである。ちなみに一年前の『愛の讃歌』の時は実家で聞いたが、その時叔母さんが「フランスの歌って歯が浮くような歌よね」と言ったことを覚えている。そういうちょっと冷めた感想もあるのかと思った。

 今回の『ヨイトマケの唄』は百万遍の東山湯で聞いた。以前行った銀閣寺湯は2015年4月に閉店してしまったし、近くの銀水湯も年末年始は閉まっている。洛東湯はどうだと思って行ったらいつの間にか閉店していた。残念。京都から銭湯が一つまた一つと閉店していく。一旦家に帰り銭湯のことを調べると、洛東湯は7月に閉店していたらしい。しばらく白川通は使っていなかったから全然気づかなかった。
 さて時間は22時20分頃、毎年のようなら美輪明宏の出番は50分前にやってくる。らじるらじるを聞きながら時間の見当をつけた。V6だ、そろそろ出よう。今度はさっきまで持っていたカバンを置いて、タオルと着替えだけをもって自転車に飛び乗る。年末、いつもと違って暗い定食屋たち、人も車もいない。信号も気にしなくていい。東山湯はやっているか?そう思いながら百万遍についたとき、東山湯の看板が点灯していることを確認。ほっとして戸を開けると、思い出した、財布をカバンの中に入れたままだった。
 すぐに取りに戻った。俄に雨が降る。いや雨ではない。美輪明宏を最初から聞けないかもしれないという悲しみの涙なのだ(爆)
 家についてカバンから財布を取り出し、思い出したように水を飲んでサウナに備えた。また自転車に飛び乗って坂道を下った。
 急いで銭湯に入るとちょうどMISIAの途中だった。ところでMISIAも長崎出身で長崎の平和祈念像を背景に歌っていた。意図的に美輪明宏と並べたのだろうか。NHKの矜持を感じる。

 さて本命の『ヨイトマケの唄』は三年前と同じような演出で行われた。つまり真っ暗な背景にスポットライト一つ、黒いズボンとシャツ、まとめた髪型。
 この歌自体は何度も聞いているが、今回の発見は「苦労苦労で死んでった 母ちゃん見てくれこの姿」の歌い方について。
 「苦労~」で盛り上げてから「かあちゃ~ん」と叫ぶのが定番の歌い方、いつもは盛り上げたまま一段と力強く歌っていたが、今回は前までの盛り上がりを受けてそれを損なわないような息遣いと調子でかつ子供の声で叫んでいた。一瞬で声を変えながら流れが破綻しないように歌えるのはさすがということと、何度も歌っている歌でも必ずどこか工夫を変えてくる姿勢に一人でしびれていた。
 その時は銭湯に人は少なく、おじさんたちの感想は聞けなかったものの、一年の終わりをよく過ごせて良かった。
 その上で『ヨイトマケの唄』より『金色の星』が聞きたかったと思うこの頃。それから黒柳徹子が歌の前に長めに語っていたことが印象に残っている。

 そのあと風呂に入って汗を流す。サウナも何度も入った。ちなみに東山湯のサウナはビートルズを基本にした古い洋楽が流れる。
 そうこうしているうちに年が明けていった。

 ごきげんよう、さようなら。

文責:23歳になりました

(K.T)