京大観世会blog

観世会のゆかいな日常です。

夏合宿に行ってきました

2016-09-08 10:46:14 | Weblog
こんにちは。部員の縦外と申します。初投稿です。

8月末の五日間、夏合宿に行ってきました。
場所は香川県は休暇村五色台。両師匠を始め、多くのOB,OGさんにお越しいただき、充実したお稽古になりました。最終日は観光でした。

高速バスで京都から高松駅まで三時間、そこから送迎バスで三十分ほどでお宿に着くと聞かされ出発。花の都を立ち出でて、ずっと寝てたら海が出て、サービスエリアで一眺め。海が切れずに高松駅。思いのほかにおしゃれだな。思いのほかにおしゃれだな。という具合にしてOBさんたちと合流、送迎バスに乗り込みました。
荷物はひざの上、補助席も展開してバスは走り出します。山道を左へ曲がり、右へ曲がり、曲がり曲がっているうちにどんどん標高が高くなっていきます。バスは常にゆるい坂か急な坂かのどちらかを登っています。ディズニーランドの入り口の設計のように、坂を上り続けると人は高揚感を覚えるようです。あと十キロという看板を通り過ぎたあたりで、バスは一日に一本しかないことを考え合わせ、逃亡不可能と言う結論が出たあたりで、膝がにやにやし始めました。

宿に到着。
高度も相まって、海と空との境目みたいなお宿です。部屋からの眺めも稽古場からの眺めも食堂からの眺めもオーシャンビューです。
右手を広げて太陽に目を細めてみたり、、ビーチチェアに座ってレモンスカッシュの泡の中に空の音を聞いてみたり、あの橋を渡って、どこまでもいける気がするよと港でささやいてみたり、取り違えそうになるくらい青い海と空へのオーバーリアクションの連鎖反応による記憶の混乱を引き起こすくらいに、すばらしい眺めのお宿でした。


お稽古風景
お能、素謡、舞囃子、仕舞と密度の高いお稽古が出来ました。ご指導いただいたOB,OGの皆様ありがとうございました。
また合宿3日目には、両先生にお越しいただき、熱意にあふれたご指導を賜りました。おかげで各部員がたくさんのことを感じ、考え、試すことが出来ました。大学まで持ち帰り、各々伸ばしていきたいと思います。


さて、ご飯について書きます。
お昼はバスの中で済ませたので、合宿最初のご飯は豪勢な晩御飯でした。お刺身に鍋物、肉料理にサラダにご飯にデザートに、大皿のうどんが乗っていました。四人に一皿のざるうどんでした。麺には腰があって十分に冷えており、おつゆは出しのかえしが効いており、部員はわれ先へとお箸を伸ばします。香川県限定のビールもお宿からご馳走になり、とてもいい気分でした。
右端のテーブルのうどんのお代わりにより、事態は動き始めました。各食卓間のうどん資源にまつわる微妙な緊張感が作用し、お代わりが波及していき、全ての机に二皿目のうどんが来ました。後先など誰も考えておりませんでした。となりのうどんが白く見えるくらい、我々は子供でした。満腹になるとこっそり戦線離脱するくらいに、一部の部員は大人でした。その結果、各地のレジスタンス達による防衛戦の口火が切られました。うどんのおいしさに由来する、絶対に負けられない戦いがそこにはありました。
われわれは食べました。
食べました。
お皿の底に、よくやった!と書いていたかもしれません。しなかったかもしれません。

最終日は観光でした。送迎バスに乗り込むと、宿の方が大きな右手のプレートを使って「手を振って」くれました。
高松駅から琴電に乗り、屋島を目指します。高松駅から琴電に乗り、屋島を目指します。切符は駅員さんが切ってくれます。短い鉛筆みたいな形にきれいに切れています。歩く歩道に乗って乗り換えている途中、「屋島へ」と書いたいい笑顔の看板を見かけます。二つ目の歩く歩道に乗ると、また同じ看板。ここで、下剋上?と思い、確かめたくなったのですが、歩く歩道は歩かせる歩道になりそれを許しません。引き返して確認。


いい笑顔の持ち主は、那須与一でした。義経ではないのか、と得心しました。
 車内では讃岐弁で書かれた乗車マナーの広告を見て楽しみました。途中半ドン上がりの小学生が乗車してきて、そういえばもう夏休みではないのかとしみじみ感じました。八島に到着し、夏休み最終日の在りし日の思い出などを語りながら、うどん屋に入りました。大変おいしくいただきました。
 琴電のバスに乗って山の上に行きます。そこで二時間ほど散策。「僕が伝説の人魚だよ」(BYマナティ)という看板に惹かれ水族館に行くもの(グッズのTシャツが良いものがそろっていたようです)、古城の跡から見る展望を楽しみに行くもの、ただ単に歩き続けるもの、各々満喫しました。ちょうど芸術祭の時期で、角度によって8に見えたり0に見えたりする階段が置いてありました。
 そしてまた海です。船が白い線を引きながら遠くに走っていきます。すこし寂しさを感じます。
 散策が終わり、駅でお土産と四国限定氷点下以下のコカコーラなどを楽しんだ後、高速バスに乗り込みました。寝てる部員がちらほら。落ちる夕日と競走するようにバスが走り、ちょうどサービスエリアで太陽が沈む瞬間を見ることが出来ました。夜になり、街並みが直角になってきて、京都駅に着きました。楽しい合宿でした。