今朝は週1回の朝練休み日です。そうしないと体がもちません。
ということで、米国国立衛生研究所のニュースレターの記事を日本語化しましたので、転載します。
残念ながら敬老の日はもう過ぎ去りましたが、今からでも遅くありません。年老いた御両親にプレイステーション3をプレゼントしませんか?。
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ビデオゲームで高齢者の認知能力が向上する( Carol Torgan, Ph.D.)
2013年9月16日
高齢者に3-Dのビデオゲームをさせた所、集中力を維持する能力/情報の並行処理能力が向上することが明らかとなった。
加齢に伴って人間の脳は変化し、認知能力/記憶力は低下する。加齢によって低下する脳の機能の一つに、情報の並行処理能力(複数の情報を同時に処理し、異なる複数の目的を達成する能力)がある。時代の変化に伴い、この情報の並行処理反応はますます普遍的となる。例えば、電話で会話をしながら電子メールを作成する、というように。また、自動車を運転している最中は、
・前方を見ながら
・ハンドルを操作しつつ
・同時にブレーキを踏む
といったように、様々な仕事を並行して連続的に実行している。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJoaquin A. Anguera博士とAdam Gazzaley博士らを代表とするグループは、高齢者における情報の並行処理能力を調べると共に、その認知制御能力(=目的を達成する為に、複雑な外部環境との間で情報をやりとりする能力)の向上が図れるかどうかを調べた。なお、この研究には米国国立衛生研究所傘下の米国加齢研究所(National Institute on Aging)が資金の一部を提供し、研究結果はNature誌(電子版)2013年9月5日号に掲載された。
同グループは最初に、被験者(174名、20~79歳)の、情報の並行処理能力を評価した。試験には、独自に開発した3-Dドライブゲームを用いた。その結果、情報の並行処理能力は加齢に伴い、直線的に低下していることが明らかとなった。
次に、高齢者における情報の並行処理能力が向上し得るかどうかを調べる為に、46名の健康な被験者(年齢:60~85歳)を無作為に以下の3グループに分けた。
第1グループ:3-Dビデオゲームを用い、情報の並行処理能力をトレーニングする
第2グループ:第1グループと同じビデオゲームを用い、情報の単独処理能力をトレーニングする
第3グループ:ビデオゲームを用いたトレーニングを行わない(対照群)
第1グループでは、ジョイスティックで車が湾曲する道路の中央を走るようにコントロールしながら、時々現れる交通標識に反応する事を要求した。被験者の能力の向上に合わせ、ゲームのレベルが上がるようにした。
第1グループの被験者には、1時間/日×3日/週×4週間(計12時間)ゲームをしてもらった。その結果、情報の並行処理能力は有意に向上した。それは、トレーニングをしていない20歳のグループより優れていた。また、試験終了から6ヶ月後に再評価を行った所、情報の並行処理能力は低下していなかった。
研究グループは、情報の並行処理能力をトレーニングすることで、加齢と共に低下すると考えられている認知能力(特に作業記憶/持続的注意)が一般的に向上すると結論づけた。この認知能力の変化の基盤となる神経的な変化を評価する為に脳波検査を行った所、大脳の前頭前皮質(認知に関与する部位)に何らかの変化が生じていることがわかった。
Gazzaley博士は、脳が外部環境に適応し変化する能力について、「本研究の結果、高齢者であっても脳が改善しうることが明確に示された」と語る。今後は、この脳の能力向上の基盤となる神経的な変化をより詳細に理解する為に、追加の実験を行う予定だという。
なおGazzaley博士は、本研究を基に開発された、3-Dビデオゲームを用いた認知能力のトレーニング方法について特許出願中である。
ということで、米国国立衛生研究所のニュースレターの記事を日本語化しましたので、転載します。
残念ながら敬老の日はもう過ぎ去りましたが、今からでも遅くありません。年老いた御両親にプレイステーション3をプレゼントしませんか?。
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ビデオゲームで高齢者の認知能力が向上する( Carol Torgan, Ph.D.)
2013年9月16日
高齢者に3-Dのビデオゲームをさせた所、集中力を維持する能力/情報の並行処理能力が向上することが明らかとなった。
加齢に伴って人間の脳は変化し、認知能力/記憶力は低下する。加齢によって低下する脳の機能の一つに、情報の並行処理能力(複数の情報を同時に処理し、異なる複数の目的を達成する能力)がある。時代の変化に伴い、この情報の並行処理反応はますます普遍的となる。例えば、電話で会話をしながら電子メールを作成する、というように。また、自動車を運転している最中は、
・前方を見ながら
・ハンドルを操作しつつ
・同時にブレーキを踏む
といったように、様々な仕事を並行して連続的に実行している。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJoaquin A. Anguera博士とAdam Gazzaley博士らを代表とするグループは、高齢者における情報の並行処理能力を調べると共に、その認知制御能力(=目的を達成する為に、複雑な外部環境との間で情報をやりとりする能力)の向上が図れるかどうかを調べた。なお、この研究には米国国立衛生研究所傘下の米国加齢研究所(National Institute on Aging)が資金の一部を提供し、研究結果はNature誌(電子版)2013年9月5日号に掲載された。
同グループは最初に、被験者(174名、20~79歳)の、情報の並行処理能力を評価した。試験には、独自に開発した3-Dドライブゲームを用いた。その結果、情報の並行処理能力は加齢に伴い、直線的に低下していることが明らかとなった。
次に、高齢者における情報の並行処理能力が向上し得るかどうかを調べる為に、46名の健康な被験者(年齢:60~85歳)を無作為に以下の3グループに分けた。
第1グループ:3-Dビデオゲームを用い、情報の並行処理能力をトレーニングする
第2グループ:第1グループと同じビデオゲームを用い、情報の単独処理能力をトレーニングする
第3グループ:ビデオゲームを用いたトレーニングを行わない(対照群)
第1グループでは、ジョイスティックで車が湾曲する道路の中央を走るようにコントロールしながら、時々現れる交通標識に反応する事を要求した。被験者の能力の向上に合わせ、ゲームのレベルが上がるようにした。
第1グループの被験者には、1時間/日×3日/週×4週間(計12時間)ゲームをしてもらった。その結果、情報の並行処理能力は有意に向上した。それは、トレーニングをしていない20歳のグループより優れていた。また、試験終了から6ヶ月後に再評価を行った所、情報の並行処理能力は低下していなかった。
研究グループは、情報の並行処理能力をトレーニングすることで、加齢と共に低下すると考えられている認知能力(特に作業記憶/持続的注意)が一般的に向上すると結論づけた。この認知能力の変化の基盤となる神経的な変化を評価する為に脳波検査を行った所、大脳の前頭前皮質(認知に関与する部位)に何らかの変化が生じていることがわかった。
Gazzaley博士は、脳が外部環境に適応し変化する能力について、「本研究の結果、高齢者であっても脳が改善しうることが明確に示された」と語る。今後は、この脳の能力向上の基盤となる神経的な変化をより詳細に理解する為に、追加の実験を行う予定だという。
なおGazzaley博士は、本研究を基に開発された、3-Dビデオゲームを用いた認知能力のトレーニング方法について特許出願中である。
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