かなぶち鍼灸調体堂の「先ずは只管打歩」なほぼ毎日譚

基盤を追求すると、ついに「歩く」迄遡ってきました。

骨を強くするトレーニング

2015年08月17日 | ケア/故障
毎年のことですが、暑さにやられて更新が滞っていました。
お盆が過ぎ、暑さも峠を越したかな?と思える程度になってきましたので、これからは更新頻度を上げる所存です。

標記の件、”Sweat Science"からの転載です。
自転車ロードを嗜んでおられるサイクリストの皆様、縄跳びをお薦めします。

骨を強くするためのトレーニング
by Alex Hutchinson, July 23, 2015, on Sweat Science


 女性のみならず、男性も骨粗しょう症になり得る。骨の強さに関する、Pamela Hinton氏(University of Missouri)らのグループの研究結果(”Bone"誌で発表)は注目に値するので、紹介する。

 「米国では毎年約900万人が新たに骨粗しょう症と診断されているが、男性はその内の40%を占めている。また、生涯を通じての骨折の発生率(男性、60歳以上)は約25%と推定されている。女性と比較した場合、男性では股関節の骨折に付随する合併症の発生率が優位に高い。具体的には、死亡率/施設などで寝たきりになる率が高い。にも関わらず、男性における骨粗しょう症の治療率は女性より格段に低い。」

 筆者を含め、骨粗しょう症を女性と結びつけて考える傾向にある人は多いだろう。そういった点で、上記の報告内容を改めて肝に銘じる必要はある。成人男性に於ける骨密度の減少率は0.4~1%/年という報告もある。

 さて、上述の研究結果が主に取り上げている内容は、運動の様式(受動的な筋力トレーニング/ジャンプを主とする運動)が男性の骨密度に及ぼす影響についてである。筆者がHinton氏らの研究報告を初めて目にしたのは、数年前に本を執筆するのに先立ち事前調査を行った際である。その際に気付いたのは、「自体重を負荷とする筋力トレーニングの結果として強固な骨が形成される」といったそれまでの考え方は必ずしも正しくない、ということである。大切なのは、
・不快感を覚える程の衝撃
・骨密度が最も低い部位(=股関節/脊椎)に負荷がかかるような受動的筋力トレーニング
が鍵を握る、という点である。

 興味深いのは、上記2点の相互作用についてである。これ迄一般的には、受動的な形式で筋力を発揮するようなトレーニングよりも、能動的な形式で筋力を発揮するようなトレーニングを行ったアスリートの方が骨密度が高い、と言われてきた。しかしランナーは走る際に、一歩毎に地面から強い衝撃を受けている。その結果としてHinton氏らは、ランナーの骨密度は、筋力トレーニングを実践しているアスリートと体格比でほぼ同程度であると報告している。一方、自転車競技選手は、運動時に不快な衝撃も受けないし、筋力トレーニングもあまりしていないことから、その骨密度は低い傾向にある。

 上述の研究結果を要約すると、
・(跳躍を主とする運動+ウェイトリフティング的な筋力トレーニング)を6ヶ月間実践すると、全身の骨密度&腰椎の骨密度が増大する
・ウェイトリフティング的な筋力トレーニングを実践すると、寛骨(骨盤の一部、股関節を構成)の骨密度が増大する
となる。なお同研究で実践した筋力トレーニングとは、股関節/脊椎に負荷がかかるような種目(スクワット/デッドリフト/ミリタリープレス等)を2回/週行うことだった。

 一方、跳躍を主とする運動は、
・様々な方向への片脚/両脚跳び
・台からの飛び降り
・ハードルを飛び越える運動
等を3回/週行うことだった。それらを、最初は各10回から始め、次第に回数を増やしていった。
(なお、骨密度の増大に有効だったのは、各種目での跳躍回数が40~100回の場合だった)。

 最後にまとめておくと、性別に関係無く、骨に何らかの負荷が加わる形式の運動をしなければ、骨は着実に弱くなっていく。そうならない為にも、上記の運動は実践した方が良い。

出典(英語): http://www.runnersworld.com/sweat-science/training-for-stronger-bones
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケニア人ランナーの食べ方、... | トップ | 摂取エネルギーの由来(炭水... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ケア/故障」カテゴリの最新記事