とても夏物のことを考える気分にはなれないのだけど…
実は、「シスレーの居る風景」とは別に、
もう一つのお誂えが進んでいる。
かなり前から「能登上布が欲しいなあ」と思っていた。
ある着物友達とお出かけしたとき、彼女が生成りの能登上布を纏っていて、
とてもさりげなく、でも清楚で涼しげな様子に、目を奪われたのだ。
越後上布や宮古と比べればカジュアルだけど、きちんと感がある大人のきもの。
そんな折、山本きもの工房で、お得な着尺と出合い…

「シスレー~」のお誂えもあるし、どうしようかなと
2日くらい、悩んだと思う。
「爽やかな青系に染めたら、ステキですよ」と山本さんは言う。
うーん。
ところが、何がきっかけだったのか、
(これを、レモン色に染めたら可愛いかも!)とひらめいたら
もういてもたってもいられなくなった。
レモンの上布。暑さを感じさせない青みにころんだ薄い黄色。

ただ、絹に染めるのと麻に染めるのとでは、
発色がだいぶ違ってくるそう。
そこで、着尺の端に、試し染めをしていただき、
それを検討して本決めすることに。
こちらはうまく進めば、
8月には着られるかなあ…
先般からの八掛といい、襦袢といい、
色との対話は、まだまだ続く。