神奈川絵美の「えみごのみ」

真夏に北欧

猛暑の中
仕事で中央区へ行くことになり
せっかくだから、と、

ここは……?


北欧……?

パナソニック汐留美術館で開催中の
「サーリネンとフィンランドの美しい建築」展へ寄りました。

サーリネンは20世紀を代表する建築家&デザイナーで
ロシア統治時代から実力を発揮しはじめ、
1917年のフィンランド独立にあたり国の主要建物の設計コンペを
次々と勝ち取り
名声を得た後、1920年代からは米国にわたり
世界の建築家に影響を与え北欧様式を広めたとされる人物。


サーリネン邸。
木のぬくもり、暖かみのある照明
何だかマイナスイオンがただよっていそう……


今でも世界で人気の自然モチーフを
洗練された形で取り入れ…でもどこか骨太な印象も受けます。


背もたれ上部に太陽。

家具、インテリアももちろん十分に、
感じ入ることがあれこれありましたが
彼の真骨頂は実はパースとか、設計図にあるのかなあと
素人ながらに思ったのは、

実は会場で観た、彼の半生をたどるビデオの中に
「サーリネンは一枚の大きな紙の四隅から
広大な街を描きはじめ、たちどころに細密な俯瞰図を完成させる」
といったナレーションがあったから
(文言は正確ではありません)

つまり、自分の手の内でおさまる作品だけでなく
もっと大きな概念の、都市計画レベルまで
デザインできた、ということで
私にはとうてい、想像もできない能力だなあ、と感心してしまった次第。

でも、
第一次大戦後のフィンランドは建築不況に陥り
サーリネンがせっかくコンペで、大きな公的機関の建物の設計を勝ち取ったのに
実現できなかったものも多かったとか……

予算が高すぎる!と、ロシアからダメ出しされて
建てられなかったものもあったようで
形にならなくてさぞ悔しかったのでは、と想像したり。

様式としては、私も好きなアーツ&クラフツ運動の影響を受けつつ
随所にアール・ヌーヴォーの要素もあったりして
全体的に親しみやすい、過度な装飾に凝らないたたずまいが
気に入りました。
写真はないのですが、陶器もとーっても可愛い(マリメッコの前身みたいで)


撮影OKコーナーにて。誰もいなかったので
一瞬マスクをとって。

建物の資料写真が割とあって、展示会としての内容はちょっと薄いかなという気も
しなくはなかったのですが、歴史背景などきっちりまとめられており
勉強にはなりました。
会期は9月20日まで。公式サイトはコチラです。
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