超空洞からの贈り物

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業務用3次元ディスプレイ、お値段はなんと…

2008年12月30日 21時15分20秒 | Weblog
最近になり米国では3次元放送を実験的に行う向きが増えてきている。ハイビジョン対応業務用3次元ビデオシステム「3D HD」を用いて撮影した映像データをオールデジタル化されたシアターを使って放送するというものとなる。既に、今月にはナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の試合の3D生中継が実施され、全米で大きな反響を呼ぶなど、放送業界も既に3D放送を見越した一歩を歩みつつあるようだ。

 ところで、そういったエンタメでの3D化の流れとは別方向で進化を遂げている分野に業務用3次元ディスプレイの世界がある。

 上の画像は、Actuality Systemsが販売を行っている業務用3次元ディスプレイ「Perspecta Volumetric 3D Display」となる。画像だけだとどの位の大きさかよく分からないが、これで10インチのコンピューターディスプレイに相当するというから現物はかなり小さい。

 解像度はたった768x768ピクセルしかない。一般家庭用では1280x1024ピクセルのSXGAディスプレイが一般的となるため、SXGAと比べるとピクセル数では半分以下しかないこととなる。

 ただし、これはあくまでも2次元の話で、上の3次元ディスプレイの場合、768x768ピクセルのレイヤー(スライスと呼ばれている)が198枚存在することで奥行きを表現しており、全てのレイヤーのピクセル数を合計するとSXGAのピクセル数の90倍(約1.17億ピクセル)にも相当することとなる。

 この上、更に1ピクセルあたり8色のカラー表現が可能となっているというから凄い。

 ここまで説明するとこの3次元ディスプレイが普通のものではないことが判ってくるかと思うかもしれないが、この3次元ディスプレイ、お値段は約8万ポンド(約1000万円)もするという。これはさすがに驚きだ。

 1000万円もするディスプレイなど、予算が潤沢なアメリカの大学の研究室であっても簡単には買えないだろうし、10インチという大きさから考えて、軍事用ということもなさそうだ。

 一体、どんな分野で使われているのだろうかと疑問に思うところだが、どうやら医療研究用らしい。

 医学の分野では3次元断層撮影は一般的に行われており、3次元で撮影した映像は見るときも3次元で見たいと思うのはある意味、自然な要求だろう。

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