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超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

完全閉鎖型の虫こぶ内のアブラムシ集団存続の謎を解明

2012年11月14日 13時37分01秒 | サイエンス
昆虫が植物の性質を改変し、究極の「巣ごもり」生活を実現
-完全閉鎖型の虫こぶ内のアブラムシ集団存続の謎を解明-



<ポイント>
・植物組織からなる虫こぶがアブラムシの液体排泄物を吸収除去するという生物機能を発見
・昆虫が植物の形態や生理状態を変化させて生存に有利な生息環境を実現
・外部要因による植物機能の操作機構の理解に光を当てる新しい知見


<概要>
 独立行政法人 産業技術総合研究所以下「産総研」という)生物プロセス研究部門と生物共生進化機構研究グループらは、ある種のアブラムシが植物組織に形成する虫こぶ(巣)では、内部に蓄積すると致命的になり得る液体排泄物が、虫こぶの内壁組織によってすみやかに吸収除去されるという新しい現象を発見した。



 植物の汁を唯一の食物源とするアブラムシは、大量の液体排泄物(甘露)を排出する。アリが甘露を摂食するかわりにアブラムシを外敵から守るという共生関係はよく知られている。アブラムシの中には植物に寄生して虫こぶをつくり、その中で集団生活を営む種があるが、その多くは兵隊幼虫が虫こぶの開口部から甘露を捨てて処理している。ところが開口部のない完全閉鎖型の虫こぶをつくる社会性アブラムシもおり、それらの閉ざされた虫こぶ内部で甘露がどのように処理されているかはわかっていなかった。今回の研究成果は、ある種のアブラムシが植物の形態や生理状態を巧妙に操作して、虫こぶが甘露を吸収する能力をもつように誘導することを示唆しており、植物の形態形成や機能改変の理解に新たな光を当てる知見である。


詳細は下記公式サイト参照
産総研:プレスリリース


いや、まぁ誰得?と思いますが。
昆虫が植物の性質を改変するって凄いなと。
人間とやってること変わらへん。

進化しても残っていた頭蓋骨

2012年08月17日 09時34分56秒 | サイエンス
ヒトやウシ、イヌなどの哺乳類の頭蓋骨は約20個の骨で構成されているという。これは、はるかに多くの骨で構成されている祖先的な爬虫類や魚類から哺乳類が進化する過程で、いくつかの骨が失われ、構造が単純化したものと考えられていたが、京都大学やドイツのチュービンゲン大学、スイスのチューリッヒ大学の研究によって、すべての哺乳類の胎子期の頭蓋骨には残っており、成長に伴って他の骨に癒着し、数が減ったかのように見えていたことが分かった。

京都大学総合博物館・日本学術振興会特別研究員の小藪大輔さんらは国内外の自然史博物館に収蔵されている学術標本を調べ、300種以上に及ぶ現生哺乳類の胎子期の発生記録と化石記録を分析したところ、これまで進化的に失われたとされてきた「頭頂間骨」と「板骨」が、すべての哺乳類の胎子期に存在していることが分かった。これらの骨は成長に伴って、隣接する「上後頭骨」に癒着していたことも確認できたという。

今回の研究は「脊椎動物の骨格の進化に関する従来の定説を覆し、生物学の教科書を書き換える画期的な成果だ」と小藪さん。と同時に「科学研究における博物館の存在意義を大きく示すものだ」と語っている。研究論文は「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に14日掲載された。 http://p.tl/5SLq 京都大学プレスリリース( http://p.tl/N3pJ )

これって大きな発見だと思う。
今までの考え方がまったく違う方向へ向かったんだから。

タランチュラは足から糸を出すんだって~

2011年05月17日 22時34分14秒 | サイエンス
「Experimental Biology」誌の6月1日号に掲載される新しい研究によると、タランチュラは滑りやすい面を登る際に足先にある「出糸管」から糸を出すという。

タランチュラは体がもろく落下で死ぬ可能性があるため、バランスの保持は死活問題である。今回の研究によると、壁を登るスパイダーマンのように糸を使ってバランスを保つことが多いらしい。表面に張りつき、地面が揺れてようとも離れないという。

 タランチュラはいわゆるクモの巣を作らないが、巣穴の裏地や保護には糸を使うことが多い。タランチュラが糸を出すとする学説が最初に提出されたのは2006年だが、足から糸を出しているのか、糸の製造器官である出糸突起から出る糸を足でつかんで接着剤に利用しているのか、科学者の見解は分かれていた。

 この問題に答えを出そうとイギリス、ニューカッスル大学の神経生物学者クレア・リンド氏と大学院生のルーク・バーケット氏は、顕微鏡のスライドガラスを敷きつめた乾いた清潔な水槽にタランチュラを入れ、ビデオカメラを設置した。そして、水槽を傾けてコツコツとたたき、タランチュラがその場にとどまるか、わずかでも滑るかを調べた。

 撮影された動画のスローモーション映像から、タランチュラは足だけが水槽のガラスに触れていたことと、ほんのわずかしか滑っていなかったことが判明した。糸が分泌された証拠がないか水槽のスライドを調べたところ、「足が置かれていたスライドで、足跡のなかに絹のような糸が20~30本見つかった」。

 リンド氏らはまた、電子顕微鏡でタランチュラの足を調べ、足を覆う毛に交じって糸を作り出す小さな出糸管があることを発見した。同氏によると、綿毛のような毛の1本は柄の付いたタワシのように見えるのに対し、出糸管は長いトゲのようだという。

 リンド氏は、出糸管から糸がまだ出てきているのを観察した。これは、「トゲ」は感覚器官だとしてきたこれまでの研究を否定するものだ。

 リンド氏はチリアンコモンタランチュラ、インディアンオーナメンタルタランチュラ、メキシカンフレームニータランチュラの3種を電子顕微鏡で観察した。この3種は「タランチュラの系統樹で遠く離れている」ため、すべてのタランチュラが糸投げの能力を備えている可能性が高いという。

 メキシカン・フレームニー・タランチュラの調査には、リンド氏のペットだった「フラッフィー」から偶然得られた脱皮後の外骨格が用いられた。フラッフィーは実験に参加する前に死んでいたという。しかし、それでよいのだとリンド氏。「お行儀の良い淑女ではなく、ちょっとアグレッシブだった」。 とのことです。

宿主を性転換させる寄生バクテリア

2010年01月30日 00時31分59秒 | サイエンス
 急速にその数を増やしている寄生バクテリアがいる。このバクテリアは、宿主を性転換させて単為生殖化を引き起こすだけでなく、宿主を“気味の悪い怪物”に変身させてしまう。このような大惨事ともいえる生殖異常を引き起こす仕組みが最新の研究で解明された。その方法とは、免疫系を停止させることだという。

 キョウソヤドリコバチをはじめとする寄生ハチ3種のゲノムを初めて解読した研究者チームによると、バクテリアの一種であるボルバキアはハチの遺伝子を操作し、バクテリアの侵入に対して警報を発するタンパク質を抑え込んでしまうという。その結果、バクテリアに対する防御機構が機能せず、ボルバキアは悪事を働くことができる。

 この仕組みは、ボルバキアが宿主とするダニやクモ、線虫などの昆虫への感染でも使われている可能性がある。これらの生物すべてにおいて、宿主の生殖システムが改造される現象が起きているのだ。その結果は実に奇妙で、明らかにオスを不要とする生殖戦略が取られている。

 ボルバキアに感染したオスは、生殖能力のあるメスに性転換するか命を奪われる。メスの場合はオスを必要とせず、単独で子を作らせる。また感染したオスの精子は、非感染のメスと交配しても正常に受精できず子孫を残せない。

 オスがこれほどひどい仕打ちを受けるのは、ボルバキアは最小限の細胞質しかない精子に潜り込めないためだ。卵子に感染したメスのみがボルバキアを子孫に伝えることができる。

「人間の世界ではSFかもしれないが、昆虫の世界では正真正銘の現実だ」と、アメリカ、テネシー州のヴァンダービルト大学で生物学の教授を務めるセス・ボーデンスタイン氏は話す。同氏は今回の研究を行った国際コンソーシアムの一員である。

 ボーデンスタイン氏が“性の操り人形師”と呼ぶボルバキアは、フランケンシュタイン張りの改造を宿主に行うことで、ほかの寄生生物より優位に立っている。宿主を殺すことなく繁殖できるため、宿主の繁殖とともに宿主の子孫へと広がっていくチャンスが大きいのだ。

 事実、ボルバキアの生存戦略があまりに優れているため、“動物界でも特に成功を収めている寄生生物”と称される。ボーデンスタイン氏によると、クモやダニが属する節足動物の約70%に感染しているという。「腐った果物などに留まるハエはどこにでもいるが、ボルバキアが感染している可能性が高い」。

 ただし、ボルバキアの仕事は常に正確なわけではない。時には中途半端に終わり、半分オスで半分メスという“気味の悪い怪物”を作り出すことがあるという。

 ボルバキアが遺伝子に破壊行為を仕掛ける正確な方法はわかっていない。ただし、ボルバキアが単に感染するだけではなく、宿主のゲノムに自身の遺伝子の一部を移しているのは確かだ。

 具体的なプロセスははっきりしていないが、ボルバキアは宿主の生殖システムに感染することで、自身の遺伝子が宿主の遺伝子に吸収される可能性を高めているとボーデンスタイン氏は考えている。

 ボルバキアが宿主の間で広がっていく仕組みの中でも、特に宿主の子孫への伝播方法がわかれば、昆虫によって媒介されるマラリアやデング熱などの感染症の拡大を抑制できるかもしれないとボーデンスタイン氏は期待を寄せている。

 例えば、蚊に遺伝子を挿入し、マラリアの原因となるバクテリアへの耐性を持たせる方法は既にわかっている。ただし、この遺伝子をすべての蚊に広げる効果的な方法は見つかっていない。

 このような遺伝子をボルバキアのゲノムに組み込むことができれば、ボルバキアが“自動機械”の役割を果たし、蚊から蚊へと遺伝子が伝わるかもしれない。ボーデンスタイン氏は将来的な用途に期待しつつ、「基礎科学の見地からも非常に興味深い。バクテリアのように単純な生物が複雑な宿主の性や生殖を操作できるなんて」と今回の研究成果を喜んでいる。

 この研究成果は「Science」誌の1月15日号に掲載されている。

ハタの家、他の生物も間借り

2010年01月29日 22時10分50秒 | サイエンス
 最新の研究によると、ハタが海底の岩場に作った“マイホーム”には、ほかの海洋生物も勝手に住んでいるようだ。

 フロリダ西岸沿いに多く生息するツマグロハタの幼魚は、海底の砂に隠れた穴から砂を取り除く。こうして現れた穴はハタの住処となるだけでなく、サンゴやロブスターなど他の海洋生物にとっても住み心地の良い場所になるという。

 この驚きの発見は、ツマグロハタがビーバーと同様、自分のニーズに合わせて環境を作り替えると同時に、ほかの生物の住処も作り出す“生態系エンジニア”であることを示している。この研究を率いたフロリダ州立大学沿岸海洋研究所長フェリシア・コールマン氏は、「巣の間借りとは驚きだ。普通なら住めない場所に住み着くチャンスになっている」と話す。

 今回の研究中、西フロリダ陸棚沖の比較的浅い海底でツマグロハタの幼魚が砂を掘っているのをダイバーが目撃した。ハタの幼魚は砂に埋まった溶食穴を何らかの方法で探り当てる。溶食穴とは、何千年も前、海水面が現在より低かった時期に岩の表面の開口部が淡水で削られて形成された穴で、ハタの幼魚が掘っていた溶食穴は、海水面が上昇するにつれて堆積物で満たされたものである。

 ツマグロハタは口とヒレを使って砂を取り除き、“ハタ穴”と呼ばれるくぼみを作る。この穴は、捕食者からの隠れ場所を求める掃除魚やカニやイセエビだけでなく、サンゴ、海綿動物、イソギンチャクといった生物にとっても“夢の家”となる。

 ツマグロハタは自分の穴に砂や岩屑が入ってくるとかき出して、穴を丁寧にメンテナンスする。そうしておけば、いつでも掃除魚に身なりを整えてもらえ、異性と安全に落ち合える場所も確保でき、また時には容易に餌にありつくこともできると今回の研究は指摘する。

ハタは幼魚期の数年を浅い海で過ごし、成長すると深い海へと出て行く。深い海底では幼魚期の巣よりも大きな溶食穴を掘り返す。この穴は直径が最大5メートル、深さ1メートルにも及ぶことがある。「海に潜ってこの穴に遭遇すると、穴の上に魚が群がっているのが見える。実に壮観だ」とコールマン氏は話す。

 同氏によると、ハタの成魚は巣を一度作ると生涯それを使い続けるのが普通だという。オスとメスは互いに近所の穴に住み、メスがオスの巣まで出かけて交尾する。「ハタは引越しをしない。考えてみるとその必要が無いのだ。餌は向こうからやって来るし、掃除魚もやって来る。そして少なくともオスにとっては、異性も向こうから来てくれる。ある意味で完璧な場所だ」。

 この研究はオンラインジャーナル「The Open Fish Science Journal」誌に2010年1月9日に発表された。

器時代に行われた高度な手術の跡が発掘される

2010年01月26日 20時38分55秒 | サイエンス
新石器時代初期の手術の痕跡は、パリの南70kmほどに位置するBoulancourt-Buthiersで発見された墓を発掘中の考古学者のCécile Buquet-MarconさんとAnaick Samzun氏、法医学者のPhilippe Charlier氏らにより発見されました。

発掘された男性の骨。体の左側を下にしひざを曲げた埋葬姿勢は典型的なものとのことです。高齢で、珍しい副葬品とともに埋葬されているため、コミュニティの中で尊敬される立場にあったと考えられます。

発掘されたのはヨーロッパの狩猟・採集民族が農耕を始めたLinearbandkeramik時代に生きた男性の骨で、左の前腕と手の骨が欠落していました。各種の検査により上腕骨がひじの上の位置で切断されていることが判明し、科学者たちはこれを「意図的かつ成功した切断手術」だと判断したとのことです。

当時の石器では上腕中心に近い骨が細い部分で切断する方が簡単で合理的と考えられますが、そもそも切断が必要になった原因である外傷(転落や戦闘、動物からの攻撃によるものと考えられます)の位置を利用したためこの位置になったと推測されるそうです。

切断後に成長した皮質骨(表面の密度の高い骨)の厚さから、男性は手術からの回復後に少なくとも数カ月から数年間は生きたと推測されるとのこと。また、切断部位からの感染の形跡は発見されなかったことから手術は衛生的で無菌に近い環境で行われたと推測され、左右の上腕骨の太さや密度などの比較から、左腕の切断後に残った上腕部は萎縮(いしゅく)も石灰化もせず動いていたことが示唆されるそうです。

手術ではチョウセンアサガオなどの植物を麻酔として用い、切断後はセージなどの殺菌作用のある植物で消毒した可能性が高いと専門家たちは考えているとのこと。「医療行為を専門の職業とした現代のような『医師』が存在したかどうかはわかりませんが、手術を行った人々に医学的知識があったことは明らかです」と考古学者のBuquet-Marconさんは語っています。

新石器時代のヨーロッパで頭部穿孔手術が行われていたことは以前から知られていたそうですが、腕や脚の切断手術の成功例としては今回発掘されたものが最古の部類に入るとのこと。発掘された骨の状態のよさと最新の医用画像技術により、石器時代の医療技術・医学知識がこれまで考えられていたよりはるかに高度であったことが証明されました。

マヤ文明の巨大な頭の彫刻、グアテマラのジャングルで発見

2010年01月26日 20時34分20秒 | サイエンス
考古学者のチームが、グアテマラのペテン県にあるChilonche遺跡で巨大な頭の彫刻を発見したと発表した。これにより、ほとんど知られていないジャングルに覆われた同地にかつて大規模な都市が存在した可能性が出てきた。

 見つかった彫刻は幅約3メートル、高さ約3.5メートルのしっくい製で、西暦300―600年ごろのものと考えられている。

 ベリーズとの国境近くに位置するChilonche遺跡は、有名なティカルやエルミラドールの遺跡と異なり、ほとんど発掘作業が行われていない。

エネルギーのオアシス

2010年01月25日 23時36分46秒 | サイエンス
 サハラ砂漠における再生可能エネルギーの“オアシス”と期待されている緑化技術研究センター(Green Technology Research Center)の完成予想図。砂漠緑化に寄与するさまざまな新技術の実験拠点として2010年内に建設が予定されており、その概要が明らかになった。

 サハラ緑化プロジェクト(Sahara Forest Project)の一環として計画されているが、対象となるのはアフリカだけではない。「サハラ」とは元々アラビア語で「砂漠」を意味し、関係者らはさらに巨大な緑化複合施設を世界各地の砂漠地帯に建設しようと考えている。

“オアシス”が生み出すのは食料や真水、バイオ燃料だけでなく、クリーン電力や現地の雇用機会も創出されるという。

 ノルウェーの環境NPO「ベローナ財団」の代表者で、プロジェクト推進者の1人であるフレデリック・ハウゲ氏はこう話す。「環境保護活動の点からもこのプロジェクトは、食料生産とエネルギー供給のためのバイオマス生成や、未来の水供給のあり方を大きく変える可能性を秘めている。私も、これほど深く関わり打ち込んだプロジェクトは初めてだ」。

 同氏は2009年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催された「国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)」で、プロジェクトに関する最初の予備調査結果を発表した。

集光型太陽熱発電

2010年01月25日 23時06分22秒 | サイエンス
 サハラ緑化プロジェクト(Sahara Forest Project)では、太陽エネルギーを利用して効率的でクリーンなエネルギーを生成する。鏡を用いて中央部のタワー上部(イラスト右)に設置した集熱器に太陽光を集め、その熱で発生させた水蒸気で従来型の蒸気タービンを回して発電する。

 本プロジェクトの推進者であるフレデリック・ハウゲ氏は、「数カ国の政府からすばらしい反応があった。緑化技術研究センター(Green Technology Research Center)が積んだ実績をもとに、2~3年以内に世界初の本格的な太陽光発電施設を建設したいと考えている」と語った。

藻の培養プール

2010年01月25日 22時35分58秒 | サイエンス
 酸欠海域の拡大など生態系に悪影響を及ぼすとされている藻類だが、実はバイオ燃料の生産に寄与する側面を持つ。米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)によると、持続可能なエネルギーの原料として実績のある穀物などと比べ、人工培養した藻からは同じ敷地面積あたり最大30倍もの油を抽出することができるという。

 ベローナ財団のフレデリック・ハウゲ氏は、「貴重な農地を使うことはないし、収穫した藻の輸送も容易だ」と説明する。

 イラストに描かれているのは、サハラ緑化プロジェクト(Sahara Forest Project)で活用されているフォトバイオリアクター。屋外に設置された浅いプールは海水で満たされており、この中で藻の光合成培養を行う。この後、藻の油(トリグリセリド)は高エネルギーのバイオ燃料として採取されることになる。