ヤコブの手紙 解説
(口語訳)
イエスの弟のヤコブが
紀元48年ごろ,
国外に散った
ユダヤ人キリスト者に宛て
書いています。
ヤコブ1章
御言を行う人になりなさい
(ヤコブ1:22口語訳)
「御言を行う人になりなさい。
おのれを欺いて,
ただ聞くだけの者と
なってはいけない。」
ヤコブの手紙は,
主イエスの弟のヤコブが
書いた手紙です。
彼はヨセフとマリヤを両親とし,
イエスの弟として育ちました。
ヤコブは,イエスの復活以前は
信者ではなく,
復活後に信者となったようです。
そして,
エルサレム教会では
重要な指導者となります。
この手紙は,
信仰があれば
行ないはいらないとする,
誤りを正しています。
パウロは,
救いの条件としての行ないを
否定しましたが,
信仰から出る行ないは
否定しませんでした。
ヤコブの宣べているのは,
生きた信仰には,
行ないが伴うということです。
パウロもヤコブも,
両方とも真実です。
○
ヤコブ2章
行いのない信仰
(ヤコブ2:26 口語訳)
「霊魂のないからだが
死んだものであると同様に,
行いのない信仰も
死んだものなのである。」
ヤコブは,
「行いのない信仰も
死んだものなのである。」
と言います。
真の信仰には,
行ないが伴います。
パウロは,
人は「律法の行ない」によっては
救われない,
といいました。
パウロは,律法の行ない,
すなわち外面的な行為によっては,
人は救われないといいました。
救いには内面的なもの,
信仰が必要です。
「信仰」とは,神に信頼し,
神の命令に従うことです。
信仰には,行ないが伴うのです。
救われるために
善行をするのではなく,
信仰によって行いが生じます。
○
ヤコブ3章
言葉の上であやまち
(ヤコブ3:2口語訳)
「わたしたちは皆,
多くのあやまちを
犯すものである。
もし,
言葉の上で
あやまちのない人があれば,
そういう人は,
全身をも制御することのできる
完全な人である。」
人は言葉で成功することもあれば,
言葉で失敗することもあります。
言葉で
良いことをすることもあれば,
言葉で罪を犯すこともあります。
舌を制御することは,
非常に重要なことです。
○
ヤコブ4章
正しいことを知って行う
(ヤコブ4:17口語訳)
「なすべき
正しいことを知っていながら
行なわないなら,
それはその人の罪です。」
罪には,
「する罪」と「しない罪」が
あります。
盗み,殺人,姦淫,憎しみ,傲慢,
ねたみ,そしり等は「する罪」です。
「しない罪」とは,
「なすべき正しいことを
知っていながら行なわない」
ことです。
なすべき正しいことを知りながら,
もし実践しないなら,
それは罪だとヤコブは言います。
○
ヤコブ5章
主の来臨の時まで耐え忍びなさい
(ヤコブ5:7口語訳)
「兄弟たちよ。
主の来臨の時まで耐え忍びなさい。
見よ,農夫は,地の尊い実りを,
前の雨と後の雨とがあるまで,
耐え忍んで待っている。」
パレスチナでは,年に二度,
秋と春の雨期があります。
人々は秋の雨期に種をまき,
春の雨期の後に収穫をしました。
農夫が,
「秋の雨や春の雨が降るまで,
耐え忍んで待っています」
ように,
わたしたちは,
イエス・キリストの再臨を待って,
耐え忍ばなければなりません。
2018.4.23