アコンの500元

僕が台湾から帰国してから2週間遅れて母帰国。
どうやら台湾のおじいちゃんは亡くなったらしい。
老衰による寿命とのこと。

日本と台湾と言う距離もあって、人生で10回も会っていないおじいちゃん。
亡くなったことは残念に思うけど、正直実感がない。

台湾へ行き、おじいちゃんに会うと決まって「おかけなさい」と言う。
椅子に座れって意味ね。
台湾の老人は、男の人を中心に日本語を話すことが出来る。
戦争で日本に占領されていたから。

戦争については詳しくは書かない。
教科書や小林よしのりの『台湾論』くらいしか読んでいない知識で、公の場で文章をあげるのは違うと思うから。
ただ言えるのは台湾の人は親日で、みな親切だってこと。

いつもこれでもかってくらいのご馳走で、僕らをもてなしてくれたおじいちゃん。
「これ食べるか？おいしいよー」ってね 笑
台湾に行くと、毎回お腹を空かす暇もないくらい食べ物が出てくる。
今思うと、おじいちゃんなりの優しさだったんだな。

台湾ではおじいちゃんの事を『アコン』と言う。
僕も台湾のおじいちゃんの事を『アコン』と呼んでいた。

駅まで母親を迎えに行った際、「アコンどうなったの？」と聞くと「アコン死んじゃったよ」と母親の弱い声。
実感はないまでも、寂しさがこみ上げ涙腺が緩む。

写真は、母親伝いでアコンが残した500元。
台湾の風習では、亡くなった人の財産を親族に渡すらしい。
そのお金を持っていると、幸福だか繁栄だか繁盛だかがあるらしい。
母親の説明はいつも曖昧だ 笑
ただ、母親の一言はとても印象的だった。


「このお金はとっといて、また台湾行った時に使ったらいいねー」


ああ、使っていいんだと 笑
ちょっとしんみりしてたのに、すげーポップに言われたしね。
本当に使っていいのかも知れないけど、こういうものは普通とっておくものじゃないのかと。
いまいち信用の置けない母親です 笑

天国のアコン、今日も僕は元気です。