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【米中戦争で圧倒的に死ぬのは日本人!】アメリカと中国が戦争になったら、じつは「圧倒的に死ぬ」のは「日本人」~自衛隊は「アメリカ軍の言いなり」で戦う~

2023-03-29 07:48:06 | 日記

【米中戦争で圧倒的に死ぬのは日本人!】アメリカと中国が戦争になったら、じつは「圧倒的に死ぬ」のは「日本人」~自衛隊は「アメリカ軍の言いなり」で戦う~

 

 

 

 


■「宮古島や石垣島」が戦場になる…アメリカ軍がSNSから「あわてて削除」した「一枚の写真」の「ヤバすぎる内容」

週刊現代 2023.03.22 布施祐仁 

https://gendai.media/articles/-/107247


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いま、ほとんどの日本人が知らないうちに、大変な事態が進行している。


米軍と自衛隊が一体になり、中国本土を攻撃することを想定した新型ミサイルを日本全土に配備しようとしているのだ。


しかも、米軍の新型ミサイルには将来、核弾頭が搭載される可能性も否定できない。


本双書第9巻で、密約研究の父である新原昭治氏がのべているように、アメリカにとって日本というのは、ずっと「アメリカの核戦争基地」だった。


それがいま、ついに最終局面を迎えているのだ。


このままでは、人類史上唯一の戦争被爆国である日本は、他国の軍隊(米軍)に核ミサイルを配備され、中国・ロシアとの「恐怖の均衡」の最前線に立たされてしまうかもしれない。


一方、その核ミサイルを発射する権利をもった在日米軍の主力部隊は、ハワイなど「安全地帯」へ一時撤退する構想すらある。


これほど愚かな国が歴史上、かつて存在しただろうか。


情報公開請求による独自の日本政府文書発掘で知られ、ジャーナリストとして第一線で活躍を続ける著者が、その計画の全貌を報告し、警鐘を鳴らす。


*本記事は『日米同盟・最後のリスク: なぜ米軍のミサイルが日本に配備されるのか』(創元社)から抜粋しています。

 

・米軍と自衛隊は、宮古島や石垣島が戦場になることを想定した図上演習も行っています


2016年11月30日、在日米海兵隊が一枚の写真をSNSにアップしました。


床には巨大な地図が広げられ、その周りを数十人の米兵と自衛隊員が取り囲み、地図の上に立つ米軍将校の話に耳を傾けています。

地図は、宮古諸島と八重山諸島のものです。


この写真は、「ヤマサクラ」と名づけられた日米共同指揮所演習の一場面を米海兵隊が撮影したものでした。

写真の説明文によると、沖縄本島にある米海兵隊のキャンプ・コートニーで行われた「戦闘予行」(部隊が行動を開始する前に地図上で作戦内容を確認するミーティング)の場面を写したものだといいます。


この写真を見たとき、私は驚きました。

なぜなら、日米共同訓練は「特定の国や地域を想定したものではない」というのが日本政府のお決まりの説明だったからです。


しかし、このときの訓練では、宮古諸島や八重山諸島で自衛隊と米軍が共に戦うことが想定されていたのです。

米海兵隊は、まずいと気がついたのか、この写真をすぐにSNSから削除しました。


宮古島の地図の上には、敵部隊を意味する赤いダイヤのマークがいくつもつけられています。

地図上のマークの位置から、この図上演習は、島の全域を中国軍に占領された宮古島を、自衛隊と米軍の共同作戦で奪回するというシナリオで行われていたと推定されます。

 

・米軍の目的は、南西諸島の防衛ではありません。南西諸島を丸ごと「米軍基地」として、そこで中国と戦う計画なのです


日本政府は、こうした訓練や演習の目的を「島嶼防衛のため」と説明してきましたが、米軍の目的は違います。 

米海兵隊と水陸機動団は2020年11月にも、鹿児島県十島村の無人島・臥蛇島で「島嶼作戦」の共同訓練を行いました。


防衛省はこれを島嶼防衛のための訓練と説明しましたが、米海兵隊のウェブサイトは「敵の脅威下にある領域を奪取し、遠征前進基地を設置する能力を示した」と記しています。


米海兵隊は、中国との戦争が勃発した際、第一列島線上の島々に分散して展開し、そこを一時的なミサイル発射拠点や兵站拠点にして中国を攻撃する作戦を構想しています。


米海兵隊はこれを「遠征前進基地作戦(EABO)」と呼んでいます。島に遠征し、そこに暫定的な前進基地を構築するという意味です。


EABOは南西諸島を丸ごと「基地」として利用して中国軍を攻撃することが目的です。

EABOは、2019年2月に海軍作戦部長と海兵隊総司令官の署名を得て正式に採用されました。


海兵隊は2020年3月、今後10年間で取り組む海兵隊の変革の大枠を示した報告書「フォース・デザイン(戦力設計)2030」を発表しました。


この報告書をまとめるまでに、海兵隊は中国との戦争を想定した「ウォー・ゲーム」(戦争のシミュレーション)を繰り返しました。

その結果、次のようなことが明らかになったといいます。


・先に攻撃した方が決定的な優位を得る。

・敵の長距離精密火力兵器(ミサイルのこと)の射程圏内で継続して作戦を実行できる戦力は、生存のために射程圏外へ迅速に移動しなければならない戦力よりも作戦上有効性が高い。

・敵のミサイルの射程圏内で戦う「スタンド・イン戦力」は、敵戦力を消耗させ、米統合軍のアクセスを可能にするとともに、敵の標的化を困難なものとし、そのISR(情報・監視・偵察)資源を消費させる。

・前方基地など固定的なインフラは、容易に標的化され、極めて脆弱。

・敵射程圏内における可動性は作戦上不可欠。

・ロジスティック(兵站)は重要だが重大な脆弱性を抱えている。

・消耗は不可避。米軍は兵器や人員を失う。


つまり、沖縄本島の基地など固定的なインフラは狙われやすいので、南西諸島の島々に分散し、島から島へと移動を繰り返して、中国の攻撃を出来る限りかわしながら戦闘を続けるというのがEABOのコンセプトです。


また、敵のミサイルの射程圏外で戦う戦力よりも、射程圏内で戦う「スタンド・イン戦力」の方が、敵戦力を消耗させ、情報・監視・偵察のためのコストを課すので、米軍の作戦上有効性が高いとも強調しています。

その代わり、米軍の兵器や人員の消耗を避けられないとしています。


序章でも少し触れましたが、米軍は中国との戦争になった場合、艦船や戦闘機など高価な兵器で装備されている海軍と空軍の主力は、中国軍のミサイルによる攻撃を回避するために一旦日本からハワイなど後方に引き下げる計画です。


一方、海兵隊は「スタンド・イン部隊」として日本に残し、南西諸島に散らばって、中国との消耗戦を戦わせる構想なのです。


さらに重要なことは、アメリカはこの作戦に、自衛隊の戦力もフルに活用しようとしているのです。 

 

・台湾をめぐる米中戦争が始まった場合、米軍の主力が到着するまでは、日本の自衛隊が最前線で戦うことが予想されています


2021年3月9日に開かれたアメリカ上院軍事委員会の公聴会。ここで米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官(当時)が行った証言は、世界に衝撃を与えました。

「中国は、ルールにもとづく国際秩序を主導するアメリカ合衆国に取って代わるという野心を加速させている。(中略)台湾は明らかに彼らの野心のひとつであり、その脅威はこの10年で、実際には六年以内に明らかになると考えている」

同司令官は、中国の台湾侵攻が6年以内に起きる可能性があるとの見方を示したのでした。この発言は日本でも大きく報道され、「台湾有事」という言葉がにわかに注目を集めることとなりました。

さらに、「台湾有事」が大きくクローズアップされることになったのは、同年4月16日に行われたバイデン大統領と菅義偉首相の日米首脳会談です。会談後に発表された共同声明に、約半世紀ぶりに「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたのです。

この意味を、ある外務省幹部は「台湾海峡有事の際は、日米が積極的に連携することを確認したものだ」と語りました(「朝日新聞」2021年6月6日)。

 

米軍も、台湾有事における日本の軍事的協力に期待を示しています。

前出のデービッドソン司令官の証言の中でも、台湾で軍事衝突が起こった場合、米軍が米西海岸から第一列島線まで到達し作戦を行うまでに3週間、アラスカからは17日間かかるとして、次のようにのべて日本の役割を強調しました。


「はっきりしているのは、日本が水陸両用戦能力を提供してくれるということです。彼らは戦闘機や対潜哨戒機などによる戦闘能力を有しています。私にとって、日本はこの地域で一番の同盟国であり、地域の安全にとって死活的に重要です」


アメリカ本土やアラスカから米軍の増援部隊が到着するまでは、日本の自衛隊が最前線で戦って踏ん張ってくれる、と言っているように聞こえます。

 

・自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した日米共同作戦計画の原案を策定したことが判明しました


「南西諸島に攻撃拠点」「米軍、台湾有事で展開」「住民巻き添えの可能性」――2021年12月24日、沖縄の地元紙「沖縄タイムス」の一面にこのような見出しが躍りました。


自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定していたことが複数の日本政府関係者の証言で判明した、という「共同通信」のスクープでした。


記事によると、共同作戦計画の原案は、米インド太平洋軍が海兵隊の「遠征前方基地作戦(EABO)」に基づき、自衛隊に提案。台湾有事の緊迫度が高まった初動段階で、沖縄に駐留する米海兵隊が南西諸島の島々に分散して臨時の軍事拠点を置き、そこに対艦ミサイル部隊を展開して洋上の中国軍艦艇の排除に当たるといいます。自衛隊には、輸送や弾薬の提供、燃料補給などの兵站支援を担わせると記されています。


「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認した同年4月のバイデン大統領と菅義偉首相の日米首脳会談を受けて、日米は台湾有事を想定した日米共同作戦計画の策定に向け、水面下で協議を進めていたといいます。


台湾有事の際、米軍と自衛隊が一体となって南西諸島を拠点に中国軍の艦船などの攻撃する「遠征前方基地作戦」を実行しようとしていることが、この報道でも裏付けられました。

 

・「中距離ミサイルの配備」も「遠征前進基地作戦」も、自衛隊の参加がすでに織り込まれています


デービッドソン司令官がこの日の証言でもっとも強調したことのひとつが、陸上部隊(陸軍と海兵隊)への地上発射型中距離ミサイルの配備です。


「地上部隊(陸軍、海兵隊)に届けられる精密打撃火力〔ミサイルのこと〕が非常に重要だと考えている。それは戦域におけるわれわれの部隊の機動力と位置的優位性を強化する」

 
同司令官はこの約1週間前、米議会にインド太平洋軍の戦力強化計画に関する報告書を提出していました。


そしてこの中でも、「第一列島線上に、射程500キロ以上の残存性の高い精密打撃火力のネットワークを構築する」として33億ドルの予算を要求しました。


また、こうした精密打撃ネットワークによって一時的かつ局地的な航空優勢・海上優勢を確保した上で、「水陸両用戦部隊が(離島への)強行突入作戦を実施する」とも記しています。

ここは海兵隊の「遠征前進基地作戦」の重要性を強調しているところです。


第一列島線上での「精密打撃ネットワーク」の構築と水陸両用部隊による「遠征前進基地作戦」能力の強化――これが、中国との戦争に備える米インド太平洋軍の二大強化ポイントとなっています。

そして、いずれも自衛隊の参加が当てにされているのです。


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「宮古島や石垣島」が戦場になる…アメリカ軍がSNSから「あわてて削除」した「一枚の写真」の「ヤバすぎる内容」
週刊現代 2023.03.22 布施祐仁 
https://gendai.media/articles/-/107247

 

 

 


■独立国のはずの「日本」に、アメリカが突然要求してきた「ヤバすぎる内容」

『日米同盟・最後のリスク』

週刊現代 2023.03.26 布施祐仁

https://gendai.media/articles/-/107250


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・今と似ている1980年代の大軍拡


1981年1月、アメリカではロナルド・レーガン政権が発足します。

「力による平和」を訴えて大統領に当選したレーガン氏は、増大するソ連の脅威に対抗する姿勢を鮮明にし、5年間で総額1兆5000億ドル(当時のレートで約330兆円)という大軍拡計画を打ち出します。


この直後の3月、伊藤宗一郎防衛庁長官が訪米し、ワインバーガー国防長官と会談します。


このとき、事前の根回しもなく米側から突然持ち出されたのが、「グアム以西、フィリピン以北の海域防衛を日本が担ってほしい」という話でした。


この2カ月後、今度は鈴木善幸首相が訪米し、ロナルド・レーガン大統領との首脳会談に臨みます。


会談で両首脳は、日本防衛と極東の平和と安定の維持のために、日米間で「適切な役割の分担」を行うことで合意。

鈴木首相は、日本の領域内だけでなく周辺の海・空域でも自衛隊の能力を強化すると約束しました。


そして、会談終了後にワシントンのナショナル・プレス・クラブで行った会見で、より明確に、日本が約1000カイリ(約1850キロ)のシーレーン防衛を担うことを宣言したのです。


米ソの関係はソ連によるアフガニスタン侵攻(1979年12月)以降、一気に緊張に転じていました。


1980年1月、カーター大統領は、ソ連の中東地域への進出によって石油を始めとするアメリカの利益が深刻な脅威にさらされているとして、ソ連との戦争も辞さないと宣言します。


同じく1月に国防総省が議会に提出した「国防報告」も、かつてなくソ連の軍事的脅威を強調したものになりました。


「ソ連は15年前の大幅な劣勢から今日はアメリカと対等となり、アメリカが適切な対応をしなければ、ソ連が優位に立つ可能性がある」


こう警戒感をあらわにし、「もはやソ連が世界中の数カ所で同時に作戦行動する可能性を排除できない」と指摘。


具体的なケースとして、欧州で大規模戦争が勃発し、さらに中東など別の地域でも紛争が発生する場合をあげ、大西洋ではソ連艦隊をグリーンランドからアイスランド、イギリスの線以北で食い止め、太平洋ではオホーツク海と日本海からのソ連艦隊の出口を封じることが戦争の行方を握ると強調しました。


翌年1月に発足したレーガン政権は、ソ連に対抗していく姿勢をより鮮明にしました。

こうした中で、アメリカは同盟国にも“ソ連軍封じ込め”の役割を担うことを求めたのです。

 

・アメリカが日本に求めた軍備増強計画は、独立国に対するものとは思えない、きわめて露骨なものでした


鈴木首相の「1000カイリ・シーレーン防衛発言」を受けて、アメリカは日本に対して露骨に軍備増強を求めてくるようになります。

その姿勢は、日米首脳会談の約1カ月後にハワイで行われた「日米安保事務レベル協議(SSC)」で早くも浮き彫りになります。


私は防衛省と外務省に情報公開請求を行い、この協議の議事録などの関連文書を入手しましたが、そこに記されていた内容は、あまりに衝撃的でした。


国防総省の高官たちは、日本の防衛力整備計画は不十分だとバッサリと切り捨て、具体的に日本が整備すべき航空機や艦艇の数まであげて軍備増強を急ぐよう日本政府に迫っていたのです。

いくら同盟国とはいえ、独立した他の国の政府に対してここまで露骨に干渉するのかと驚きを禁じ得ませんでした。


この会合には、後に「ジャパン・ハンドラー」と評されることになるリチャード・アーミテージ氏も、まだ30代の若き国防次官補代理として参加していました。


この会合でアーミテージ氏は、今のままでは「自衛隊は日本の領土、領海、領海を防衛できない」と断定し、日本政府に次の2つの防衛力を早急に整備するよう求めました。


(1)「日本領土防衛のための効果的かつ持続性のある通常防衛力」

(2)「日本周辺海域ならびに北西太平洋1000マイル以内のシーレーンをバックファイアー及び原潜を含むソ連の脅威に対し効果的に防衛するのに十分な海空兵力」


アーミテージ氏の上司であるウエスト国防次官補も、日本政府が1976年に閣議決定した防衛力整備の基本計画(「防衛計画の大綱」)を、「今や時代遅れと指摘しなければならない。あの計画は、貴国の安全に必要なものにはるかに及ばない」と切り捨て、計画の上方修正を要求しました。

 

アメリカ側が具体的に求めた防衛力整備計画の上方修正は次の通りです。

(上がすでに日本政府が決定していた防衛力整備計画で、下がアメリカの要求した防衛力)


○対潜哨戒機(P3C) 45機 → 125機

○対潜水上艦艇(護衛艦) 60隻 → 70隻

○潜水艦 16隻 → 25隻

○要撃戦闘機部隊 10個 → 14個(F15戦闘機 100機→180機)

○支援戦闘機部隊 3個 → 6個

○輸送機部隊 3個 → 5個

○警戒飛行部隊 1個 → 2個(E2C早期警戒機 8機→16機)


アメリカ側は、これだけの大幅な軍備増強を「いま直ちに始めて、5年以内になさねばならない」(ウエスト国防次官補)と迫ったのでした。


先ほど、この協議の議事録を読んで衝撃を受けたと書きましたが、協議に参加した日本側の官僚たちも相当なショックを受けたようです。


外務省の日米安全保障課長だった丹波實氏は、協議に参加しての「所感」を次のように書き残しています。


「今回の会議は、レーガン政権が成立してから初めてのものであるが、3日間にわたってこの政権で安保・防衛問題を扱っている米側事務当局の考え方を聴取して、『これではどうしたらよいのか分からない』という印象を持って帰国した。安保・防衛問題についての米国の対日期待と日本の現実との間にはこれまで常にギャップが存在し続けてきたが、今回程このギャップを強く感じたことはなかった。レーガン政権の対ソ軍事力の認識の深刻さは想像以上である」

 

・大幅な軍備増強に、なんとか応じようとした日本政府でしたが、アメリカの要求はさらにエスカレートしていきました


ハワイの日米協議でアメリカ側から出されたこの法外な要求は、ただちにマスコミにリークされ、「現実離れの巨額な要求」(「朝日新聞」)などと報じられました。


日本政府の中からも、さすがに反発の声が上がりました。園田直外務大臣は、アメリカの要求について、「平屋建ての日本に十階建てを建てろというのでは相談にならない」と強く反発し、大村襄治防衛庁長官も、「防衛計画の大綱を上回る増強要求は断らざるをえない」と拒否する考えを表明しました。


しかし、日本政府は実際には、アメリカの要求に最大限応える行動をとります。


鈴木善幸政権は1982年7月、防衛庁が策定した1983年度から1987年度までの防衛力整備計画「中期業務見積もり」(五六中業)を了承します。

これにより、P3C対潜哨戒機の調達数を45機から75機に、F15戦闘機の調達数を100機から155機に上方修正したのです。


ところが、それでもアメリカは納得しませんでした。

1982年8月下旬からハワイで開かれた「日米安保事務レベル協議(SSC)」で、アメリカ側は「五六中業」の水準ではまだ不十分だと批判したのです。


アーミテージ国防次官補代理は、上方修正された防衛力整備計画でも「継戦能力の観点から大きな懸念を有している」と指摘し、日本の防衛予算は「少なすぎる」と批判しました。


米軍統合参謀本部第五部長のビグレー氏は、「日本の兵力レベルおよび継戦能力が十分なものであれば仮にソ連が日本を攻撃した場合でも日本の反撃によりソ連としては甚大な被害を受けることになるとソ連が考えることが重要である」とのべた上で、「日本の現在の防衛力のレベルではシーレーン防衛能力は不十分であり、また五六中業完成時においてもなお欠点を有する」としてさらなる上方修正に期待を表明しました。

 

・中曽根首相はアメリカの軍備増強要求に全面的に応え、訪米時に「日本列島を不沈空母のようにする」とのべました


この期待に全面的に答えたのが、この年の11月に発足した中曽根康弘政権です。

翌年(1983年)一月に訪米した中曽根首相は、レーガン大統領との首脳会談で「日米両国は太平洋をはさむ運命共同体」と発言し、日米同盟を強化する姿勢を鮮明にします。


2017年に外務省が公開した会談の記録によると、中曽根首相は、「(ソ連太平洋艦隊の太平洋への出口となる)四海峡を完全にコントロールし有事にソ連の潜水艦を日本海に閉じ込める」「ソ連の(長距離爆撃機)バックファイアーの日本列島浸透を許さない」と発言し、とくにシーレーン防衛を強化する考えをレーガン大統領に直接伝えます。


さらに首脳会談前に行われたワシントン・ポスト社主との朝食会では、「日本列島を不沈空母のようにする」という有名な発言を行い、防衛費を大きく増額する考えも表明。


「防衛費が対GNP比1%を来年にも超えよう。日本の国際的役割を考えればやらざるを得ず、国民に心の準備をしてもらう」と、防衛費の「GNP(国民総生産)1%枠」を突破する決意を示しました。

 

・「シーレーン防衛」の本当の意味は、「日本の海上輸送路の防衛」ではなく、米ソ間で戦争が勃発した際の「米軍艦船の防衛」だったのです


日本政府はシーレーン防衛の目的を、「あくまで我が国防衛のため」と国民に説明しました。

つまり、日本が外国から武力攻撃を受けて戦争になった場合に、石油や食料などを輸送する海上交通路(ル:シーレーン)を防衛するという意味です。


アメリカで「1000カイリ・シーレーン防衛」を宣言してきた鈴木善幸首相は国会で、「日本の船舶の安全航行を図る、こういう意味のことでございまして、よその国の艦船等を守るためではない、日本の船舶、これを守るための日本の自衛力である、こういうぐあいにご理解をいただきたい」(1981年5月29日、衆議院外務委員会)と明言しました。


しかし、アメリカが日本に求めていたのは、実は米ソ戦争が勃発した場合の「米軍艦船の防衛」だったのです。


私が外務省に情報公開請求して入手した当時の内部文書(次ページ)には、アメリカが日本に求めたシーレーン防衛の意味が、「米軍艦船の防衛」であったことがはっきりと記されています。


ハワイで日米安保事務レベル協議(SSC)が開催される直前の一九八二年八月二三日に外務省の日米安全保障課長が作成した「シーレーン問題(新井参事官よりの連絡)」というタイトルの「極秘」文書に、次の記述がありました。

文書には、防衛庁の参事官が「極秘の含みをもって」連絡してきたという内容が記されています。


〈SSC〔日米安保事務レベル協議〕において日米のシーレーン問題に対する認識のギャップを埋めるかどうかが防衛庁内部で大問題になっている。(中略)米海軍と海幕〔海上幕僚監部〕との間では「面」の防衛ということで認識の一致がある。米海軍は日本によるシーレーン防衛は実は第7艦隊の防衛だと内々裡に海幕に説明している〉


「面の防衛」とは、海域防衛を意味します。特定の船舶を防衛するのではなく、ある海域全体の航行の安全を確保するのです。

こうすれば結果的に、石油や食料を輸送する日本の民間船舶だけでなく、海域内の米軍艦船の防衛にも寄与することになります。

アメリカ側の要求は、むしろ後者だったのです。

 

・米国製兵器を大量購入させるのが目的だった?


シーレーン防衛に関する共同研究では、コンピューターに戦争のシナリオや敵味方の戦力などをインプットしてシミュレーションする「オペレーション・リサーチ」(作戦評価作業)も行われました。


1987年1月6日の「読売新聞」によると、シミュレーションの結果は「日米にとって惨めなものになった」といいます。


しかし、シミュレーションは米軍が開発したシステムで行われ、前提となるシナリオや敵味方の戦力などの条件設定もアメリカ側が主導して行いました。

アメリカは、米軍が投入する戦力を少なく見積もったといいます。

記事は「研究結果を通して、日本の防衛力増強を求めるアメリカの政策的意図が見え隠れしている」と記しています。

 

航空自衛隊の航空支援集団司令官を務めた山口利勝氏は、当時自衛隊のなかでは、アメリカが日本にシーレーン防衛を強く要求してきたのも日本の防衛力増強がねらいであったと考えられていたと証言しています。


「当時の評価としては、1000マイルのシーレーン防衛に関する日本の役割分担の要請と、また日米が合意したというのは、じつは米国は日本に対して、とくに『P‐3C』〔対潜哨戒機〕とイージス艦を導入させようということを強く要望していたということがひとつと、航空自衛隊は当時『F‐15』の導入を始めて整備をしていたのですが、当初計画は百機でありました。それを大幅に増加させようという米国の狙いがあったと言われていました」(防衛省防衛研究所『オーラル・ヒストリー 冷戦期の防衛力整備と同盟政策』)


日本に防衛力を増強させアメリカ製兵器を大量購入させるため、ソ連の脅威が意図的に誇張されたのでした。


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独立国のはずの「日本」に、アメリカが突然要求してきた「ヤバすぎる内容」
『日米同盟・最後のリスク』
週刊現代 2023.03.26 布施祐仁
https://gendai.media/articles/-/107250

 

 

 

 


■戦争が始まれば、自衛隊は「アメリカ軍の言いなり」で戦う…そのとき「日本だけ」がさらされる「圧倒的なリスク」

週刊現代 2023.03.25 布施祐仁

https://gendai.media/articles/-/107249


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・日米間で最後までもめたのは、米軍と自衛隊の間の「指揮権」の問題でした


1978年、日米両政府は初めて「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」を策定し、米軍と自衛隊の共同作戦計画の研究が公式にスタートします。


「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の策定過程で、日米間で最後までもめたのは「指揮権」の問題でした。


アメリカ側は、共同作戦を行う場合は米軍が指揮権を握ることを強く主張しました。

それに対して日本側は、自衛隊が米軍の指揮下に入ることはできないと抵抗したのです。


指揮権に関する日米協議の内実については、当時、統合幕僚会議事務局の幕僚としてガイドラインの交渉を担当した石津節正氏が明らかにしています。


アメリカ側は当初、共同作戦の指揮は米軍がとるのが当然という姿勢で一歩も引かなかったといいます。


「だって、NATO(北大西洋条約機構)だってそうでしょう。例外はないんですよ。最初からスタートしたときから米側は共同作戦をやって、統合部隊をつくったときは『トップは米だ』という常識で動いているわけです。『それは待て』と、日本の実情をいろいろ話して(以下略)」(防衛省防衛研究所『オーラル・ヒストリー冷戦期の防衛力整備と同盟政策3』)


石津氏は、日米双方が受け入れられる「妥協案」がないか頭をひねります。

そして、「指揮」という言葉と「統制」という言葉を区別するアイディアを思いつきます。


実際、石津氏の出身の航空自衛隊では、「指揮」と「統制」を区別して使っていました。


「統制」は、自らの指揮系統にない別の部隊をコントロールすることを意味します。


たとえば、レーダーサイトで警戒管制団に所属する管制官が、別の指揮系統にある戦闘航空団所属のパイロットをあらかじめ定められた手順に従ってコントロールする場合は、「指揮」ではなく「統制」に当たります。

このロジックを日米共同作戦にも適用できないかと考えたのです。


当初、外務省や内閣法制局から疑義が呈されたものの、結局石津氏のこのアイディアが採用され、防衛協力小委員会(SDC)に提案するガイドライン案に次のように書き込まれました。


〈自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下に、それぞれの指揮系統に従って行動する。自衛隊及び米軍は整合のとれた作戦を共同して効果的に実施することができるよう、必要な際に双方合意の下、いずれかが作戦上の事項を統制する権限を与えられる〉


アメリカもこの案を了承しましたが、ガイドラインの最終案をまとめる段階になって、外務省から文言の修正を求められたといいます。


「第8回SDC〔防衛協力小委員会〕に報告の数日前、『もうこれで終わった』と思っていたときに、丹波さん〔丹波實(ル:みのる)・日米安全保障条約課長〕から私のところに直接電話がかかってきました。外務省も外務省の立場から法律的な検討をされていたんでしょう、『他のところはクリアー出来るんだけど、統制という言葉がどうしても引っかかる。外務省としてあなたの言うことは分かるけれども、この言葉は法律的に消化できない。法律的にはどう説明しようとも命令、指揮権にもとづくものとしてしか通らないんだ。別の言い回しはないだろうか。内容的には私も賛成なので、異論を差し挟むつもりはない。ただ、表現の問題だ。国会対策上も、これでは非常に難しいことになるから』という調整でした」(同前)


これに対して石津氏は、「作戦上の事項を統制する権限を与えられる」という表現をぼかして、「あらかじめ調整された作戦運用上の手続きに従って行動する」と改める提案をします。

すると、外務省の丹波氏はしばらく考え込んだのち、「わかりました。これでやってみましょう」と答えたといいます。


最終的に確定したガイドラインには、指揮権について次のように記されています。


〈自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下に、それぞれの指揮系統に従って行動する。自衛隊及び米軍は、整合のとれた作戦を共同して効果的に実施することができるよう、あらかじめ調整された作戦運用上の手続に従って行動する〉


結果的に「統制」という言葉は削除されましたが、それはあくまで表現上の問題でした。

丹波氏が石津氏に語ったように、外務省も事実上、米軍が自衛隊の「指揮」のもとで戦うことについては賛同していたのです。

 

・「戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮下で戦う」という指揮権密約の存在を抜きに、「敵基地攻撃能力保有」のもつ危険性はわかりません


ちなみに、この指揮権問題の歴史は古く、旧安保条約の交渉が始まった1951年までさかのぼります。

この交渉でアメリカが最初に提示した安保条約案には、有事の際、警察予備隊をはじめ軍事的能力を有する日本のすべての組織は米軍司令官の指揮下に置かれるという規定が入っていました。


〈日本国地域内で、敵対行為又は敵対行為の緊迫した危険が生じたときは、日本国地域にある全合衆国軍隊,警察予備隊及び軍事的能力を有する他のすべての日本国の組織は,日本国政府と協議の上合衆国政府によって指名される最高司令官の統一的指揮の下におかれる〉(1951年2月2日「相互の安全保障のための日米協力協定案」)


これについて日本側の交渉担当者は、「国内において憲法と関連して重大問題をまきおこす懸念があり、協定には入れない方が賢明である」と伝えたと外務省の記録には記されています。


ただし、それは、「日本にその意思がないということではなく、協定に明文化するのは賢明ではない」という趣旨だったと記されています。


結局アメリカは、この条項を強引に明文化すれば親米的な吉田茂内閣を窮地に陥れるおそれがあると判断し、日本の要求を受け入れて同条項の削除に同意しました。

しかし、その代わりに、明文化しない形での約束を要求しました。


旧安保条約の発効から約3カ月後の1952年7月23日、マーフィー駐日アメリカ大使やクラーク米極東軍司令官と会談した吉田茂首相は、有事の際の指揮権について日本政府との間に明確な了解が不可欠だと説明するクラーク司令官に対し、有事の際は単一の司令官が不可欠で、現状ではその司令官はアメリカが任命すべきである事に同意しました。


吉田首相は、この合意が公になると日本国民に大きな衝撃を与えるので秘密にするよう求め、クラーク司令官とマーフィー大使もこれに同意しました。


吉田首相は1954年2月8日にも、会談を行ったアリソン駐日大使とハル極東軍司令官に対し同様の約束をしました。

吉田首相はこのときも、合意は公表できないとくぎを刺しました。


これらが、いわゆる「指揮権密約」と呼ばれているものです。


政治的影響を考慮して明文化はしないけれども、内々には実質的にアメリカ側の指揮権を認めるというガイドライン策定時にとられた手法は、実は旧安保条約が締結された当初から始まっていたのです。


現在、日本政府は中距離ミサイルの開発に乗り出し、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有に踏み出そうとしています。


アメリカも日本に米軍の中距離ミサイルを配備しようとしていますが、有事になれば、自衛隊の中距離ミサイルも事実上米軍の指揮下で運用されることになるでしょう。

この指揮権密約の存在を抜きに、現在の「敵基地攻撃能力保有」の問題を議論しても、その危険性はまったくわからないのです。

 

・外務省は日米の「指揮権密約」というきわめて重要な問題を、長年「言葉遊び」のような言い換えだけで、ごまかし続けてきました


「指揮権密約」の存在は、アメリカ政府が機密解除して公開した外交記録によって明らかになりました。

この史料にもとづき野党議員が国会で政府を追及したことがあります。


それに対する政府の答弁は、「ガイドラインの中でも明確に、日米の指揮権は別々であることが確認されているので、この問題については何ら日米間に誤解がない」「指揮権の統合、単一の指揮権のもとに、あるいはアメリカの指揮権のもとに自衛隊が置かれることはまったく考えられていない」(1985年6月19日衆議院外務委員会、栗山尚一北米局長)というものでした。


しかし概念上、指揮権は別々でも、「あらかじめ調整された作戦運用上の手続き」に従って自衛隊が米軍司令官の統制下で戦争をするという現実に変わりはないのです。


日本政府は1990年代から国連の平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣するようになりますが、そのときも指揮権の問題について、国連の「指図」は受けるが「指揮下」には入らないと説明しました。

「指図」も「指揮」も英語にすると「コマンド」なので、国際的には何の意味もない国内向けのロジックでした。


こうした遊びのような言葉の言い換えだけで真実を覆い隠そうとする日本の外務省のやり方は、1970年代後半のガイドラインの作成時とまったく同じものでした。


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戦争が始まれば、自衛隊は「アメリカ軍の言いなり」で戦う…そのとき「日本だけ」がさらされる「圧倒的なリスク」
週刊現代 2023.03.25 布施祐仁
https://gendai.media/articles/-/107249

 

 

 

 

 

■アメリカと中国が戦争になったら、じつは「圧倒的に死ぬ」のは「日本人」という「衝撃的すぎる事実」

週刊現代 2023.03.24 布施祐仁

https://gendai.media/articles/-/107248


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・沖縄・嘉手納基地から中国本土への核攻撃が計画されていた1958年の「第2次台湾海峡危機」


1958年8月23日夕刻、中国沿岸部に位置する台湾の金門島に対して、中国軍が猛烈な砲撃を開始しました。

撃ち込まれた砲弾は、この日の数時間だけで6万発近くに達したといわれています。


当時、台湾はアメリカと相互防衛条約を結んでおり、台湾には米軍が駐留していました。


米軍は、運用できる航空機の数や作戦に使用できる基地の数などから通常戦力だけでは中国に勝利することは困難だと判断。

中国本土に対する核攻撃の必要性を強く主張しました。


「ペンタゴン・ペーパーズ」をマスコミにリークしたことで知られる元国防総省職員のダニエル・エルズバーグ氏が2017年に自身のホームページで暴露した1958年の台湾海峡危機に関する極秘報告書によると、米軍は第一段階として中国沿岸部の航空基地のいくつかを小型核兵器で攻撃することを考えていました。


米軍トップのネイサン・トワイニング統合参謀本部議長は、台湾海峡危機への対応を協議する会議で、「中国の飛行場と砲台を小型核兵器で攻撃する必要がある。国防総省のすべての研究結果は、これが(中国に勝利するための)唯一の方法であることを示している」と発言していました。


米軍が策定していた台湾有事の作戦計画「OPLAN25‐58」では、中国沿岸部の航空基地や砲台を小型核兵器で破壊しても中国が台湾への攻撃を止めない場合、中国の戦争遂行能力そのものを無力化するために、戦略核兵器で上海などの大都市を攻撃する計画でした。


しかし、それを実施した場合、ソ連が参戦し、台湾本島や米軍基地のある沖縄に対して核兵器による報復攻撃を行う可能性が高いと米軍は分析していました。

これについてトワイニング統合参謀本部議長は、「台湾の沿岸諸島の防衛をアメリカの国家政策とするならば、〔台湾本島や沖縄の米軍基地への核報復という〕結果は受け入れなければならない」と主張しました。


結果的に、アイゼンハワー大統領が核兵器の使用を許可しなかったため、米軍が計画していた中国本土に対する先制核攻撃は行われませんでした。


中国の攻撃は金門島への砲撃に限定され、周辺に展開した米軍を攻撃してくることもなかったため、同島の奪取や台湾本島への侵攻を意図したものではないと思われました。

アイゼンハワー大統領は、この事態に核攻撃は必要ないと判断したのです。


しかし、もしこのとき、米政府が中国政府の意図を読み違えていたら、核戦争にエスカレートしていたかもしれません。


1962年に米空軍が作成した「1958年台湾危機の航空作戦」というタイトルの報告書によると、米軍の作戦計画では、中国沿岸部の航空基地への最初の核攻撃は沖縄の嘉手納基地とフィリピンのクラーク基地から出撃することになっていました。


つまり現実に沖縄から核の先制攻撃が行われ、その結果、沖縄が核攻撃の報復を受ける可能性があったのです。


1958年の台湾海峡危機のとき、米軍は通常戦力で数的優位に立つ中国に勝利するためには核兵器を使用する以外の選択肢はないと判断していました。

中国の庭先で戦争する以上、戦力の面で、また基地や兵站などの作戦インフラの面で、中国側に数的優位があるという状況は、現在も変わりません。


今後、台湾有事が発生し、米軍が通常兵器による戦争で劣勢になった場合、核兵器使用の誘惑にかられる可能性は否定できません。


実際、米紙「ワシントン・ポスト」が2006年に報じた台湾有事の作戦計画「OPLAN5077」では、台湾海峡での海上阻止作戦や中国本土の目標への攻撃などとともに、核兵器使用のオプションも含まれているといいます。

 

・ベトナム戦争のとき沖縄の人びとは、核を積んだB52が墜落する恐怖におびえて暮らしていました


沖縄に配備されていた米軍の核兵器は、ベトナム戦争でも使用される可能性がありました。


当時沖縄には、前出の中距離ミサイル「メースB」以外にも、爆撃機から投下する核爆弾やりゅう弾砲で撃つ核砲弾、核地雷など20種類近くの核兵器が持ち込まれていたといいます。それらを、いざというときにはベトナムに移送して使う態勢を構築していたのです。


1968年2月には、米空軍の戦略爆撃機B52が嘉手納基地に配備され、連日、ベトナムへの空爆に出撃していきました。


配備直前の1月、グリーンランド沖上空を飛行中のB52が墜落し、搭載していた四発の核爆弾の起爆用爆薬が爆発し、核弾頭の放射性物質が広範囲に飛散する事故が起きていました。

B52はその2年前にも、核爆弾を積んだままスペイン沖に墜落する事故を起こしていました。


そのため、沖縄の人々は核爆弾を積んだB52が沖縄に墜落する恐怖に怯えていました。


同年11月には、ベトナムに向かって嘉手納基地を出撃したB52が離陸直後に墜落する事故が発生しました。

積んでいた爆弾が爆発し、爆風などにより近隣の民家など356棟が被害を受け、16人の住民が負傷しました。


嘉手納村議会が全会一致で採択した抗議決議は、「もしB52が原水爆を積んでいたら沖縄県民の犠牲は想像を絶するものがあったであろう」とのべ、B52と一切の軍事基地の即時撤去を要求しています。


また、嘉手納基地近くの小学校に通う児童の一人は、作文に、「すこしあやまれば、ひとばんにして沖縄全住民が、あの広島の原爆をうけたようなことになったのではないかと家族で話し合ったくらいです」とその恐怖をつづりました(沖縄教職員会編『B52いますぐ出ていけ!――核基地におびえる子どもらの訴え』)。


こうした中で、日本への復帰を求める運動も高揚していきます。

当時の復帰運動のスローガンのひとつに、「核つき・基地自由使用返還に反対」というものがありました。


沖縄への核兵器配備を継続し、基地の自由使用(出撃)も認めたままでの復帰には反対するという意味です。

沖縄の人々は、日本への復帰によって核兵器が撤去され、基地の自由使用にもピリオドが打たれることを願っていたのです。


復帰を願う沖縄の人々の世論と運動が日米両政府を動かし、1972年5月15日、沖縄は日本への復帰を果たします。

それに合わせて、中距離核ミサイル「メースB」を始め、沖縄に配備されていた核兵器はすべて撤去されたとされています。

 

・米軍が中国を核攻撃したときに、報復の対象となるのは、アメリカ本土ではなく、日本の基地なのです!


「琉球新報」の新垣毅記者は、沖縄に再び米軍の中距離ミサイルを配備することは、沖縄を復帰前の時代に戻すことを意味すると言います。


「復帰前の沖縄では、住民の命や人権よりも米軍の運用が優先され、県民は核戦争の恐怖と隣り合わせの生活を強いられていました。県民が日本への復帰を望んだのは、平和憲法が沖縄にも適用されるようになれば、米軍の横暴や核戦争の恐怖から脱することができると期待したからです。しかし、復帰後も米軍基地は残り、不平等な日米地位協定の下で米軍の横暴も続きました。その上、中距離ミサイルまで新たに配備されたら、『私たちは一体何のために復帰したのか』という話になりかねないと思います」


もちろん、これは沖縄だけの問題ではありません。

序章でのべたとおり、アメリカは北海道から沖縄・南西諸島まで、日本全土のなるべく多くの場所に中距離ミサイルを配備したいと考えています。

中国が攻撃目標とする場所が多いほど、それだけ中国に負担を課すことになるので良い、というのがアメリカの軍事的合理性にもとづいた考え方なのです。


しかもすでにのべたとおり、それがアメリカの国家政策としての核攻撃であるならば、発射基地への核による報復は「受け入れなければならない」というのが、米軍部の基本方針です。

そのとき報復の対象となるのは、アメリカ本土ではなく日本の基地なのです。

 

・米中戦争で圧倒的に死ぬのは日本人


いま、アメリカは自らの世界覇権を脅かす存在になりつつある中国を封じ込める「防壁」として、日本を自らの世界戦略の中に位置づけようとしています。


そして日本の自民党政権は、アメリカと「一蓮托生」と言わんばかりに、自ら進んで「防壁」としての役割を果たそうとしています。


しかし、万が一にもアメリカと中国が戦争する事態となれば、「戦場」となるのは日本なのです。


「一蓮托生」は「死ぬも生きるも一緒」という意味ですが、戦争になったときに圧倒的に死ぬのは日本人なのです。


はたして、日本の運命はアメリカに委ねるしかないのでしょうか。


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アメリカと中国が戦争になったら、じつは「圧倒的に死ぬ」のは「日本人」という「衝撃的すぎる事実」
週刊現代 2023.03.24 布施祐仁
https://gendai.media/articles/-/107248

 

 

 

 

 

■23年度予算が成立、114兆円 過去最大、防衛費・社保費も

東京新聞 2023年3月28日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240639?rct=politics

 


■「防衛費ばかり増大」 23年度当初予算成立に抗議の声

毎日新聞 2023/3/28 

https://mainichi.jp/articles/20230328/k00/00m/040/251000c

 

 

 


■防衛費増加 「脅威」の理由は安易過ぎる

西日本新聞 2017/12/24

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/382420/

 

 


■米国製武器を「爆買い」 自衛隊、いびつな装備体系に

朝日新聞 2020年6月7日

https://www.asahi.com/articles/ASN666VD7N5ZULZU004.html

 

 

■防衛費増額 日本はアメリカから武器購入?

テレ朝news 2022年5月23日

https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000255659.html

 

 


■出生数初「80万人割れ」の衝撃…ミサイル400発購入に「人の命を奪う予算先行か」と国民怒り

日刊ゲンダイ:2023/02/28 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319389

 

 

■年間1兆円の“防衛費増税”「反対」71% 「賛成」22%を大きく上回る 

JNN世論調査 TBSテレビ 2023年1月8日

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/265796

 


■「ミサイル購入で平和が守れますか?」東村アキコさんが抱く岸田政権の軍拡への疑問

女性自身:2023/02/23 

https://jisin.jp/domestic/2180881/2/

 

 

■防衛費5.4兆円→11兆円で増税の不安 荻原博子さんは「所得は倍増どころか、半減するかもしれません」

デイリー新潮  2022年12月02日

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/12021100/?all=1

 

 


■ヤバいのは防衛増税だけじゃない!岸田政権が強行する「ステルス改憲」で“戦争ができる国づくり”

週刊女性PRIME

https://news.yahoo.co.jp/articles/f907d6f05219dc9f3a0f674f140aa11902b6cf04

 

 


■「自民党に殺される」がトレンド入り 年金引き下げ、国保料は増額、新税&消費増税の「負担地獄」に国民の悲鳴

2022.11.04 FLASH編集部

https://smart-flash.jp/sociopolitics/208280

 

 


■防衛増税の裏に米国からの軍事費増強要求…中国との合意を遵守しない日本の自業自得


Business Journal 2022.12.15   

https://biz-journal.jp/2022/12/post_329596.html

 

 


■岸田首相が勝手に約束した防衛費増額で日本国民は「米国のATM」に。参院選後の増税ラッシュは確実か=今市太郎

まぐまぐニュース 2022年6月7日

https://www.mag2.com/p/money/1195878

 

 

■岸田政権「防衛費倍増」計画の裏に年間予算を上回る“兵器ローン”返済か。米国兵器大量購入のツケを払わされる国民=原彰宏

まぐまぐニュース 2022年10月15日

https://www.mag2.com/p/money/1242073

 


■防衛費増税で支持率急落の岸田政権がアメリカから「大絶賛」されている皮肉

マネーポスト(小学館)2022.12.22

https://www.moneypost.jp/978589

 

 

■「戦争をあおっているのは日本」 防衛増税と敵基地攻撃能力保有に批判や懸念の声相次ぐ

東京新聞 2022年12月17日 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/220380

 

 

■台湾有事なら日本が最前線に? 米台「同盟」に巻き込まれる恐れ 一触即発の米中

東京新聞 2021年12月27日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/151202

 

 

■台湾有事は「対岸の火事」ではない 日本がアメリカに求められる「責任の分担」

GLOBE+(朝日新聞) 2021.04.14

https://globe.asahi.com/article/14329810

 

 


■「覚悟なき台湾有事支援」で日本が直面するとんでもない事態

米国追従の親台・反中ポーズは危険

JBpress 2021.11.11

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67653

 

 


■「台湾有事は日本有事」の思い込みは危うい~米中パワーゲームの駒になるな

日中国交正常化50周年の日本に必要なのは現実的で冷静な対中戦略だ

論座(朝日新聞) 2022年09月23日 藤原秀人

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022092200002.html

 

 

■米中衝突、戦場になるのは日本 布施祐仁氏「米国の戦略、覇権のための『防衛力強化』」  

市民アクション・京都緊急学習会 2023年1月21日 

https://www.kyoto-minpo.net/archives/2023/01/21/post-28917.php

 

 

■なぜ今「台湾有事」が煽られるのか―作られる危機と加速する戦争シナリオ 岡田充・共同通信客員論説委員の講演より

長周新聞 2022年10月10日

https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/24670

 

 

■専門家も失笑、安倍政権が煽る「中国脅威論」は嘘と詐術だらけ! ガス田開発も日本の主張する境界線外で軍事と無関係

excite.ニュース 2015年07月24日

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1319/

 

 


■悪の権化はロシアでなく米国

植草一秀氏「知られざる真実」2022年4月6日

https://www.data-max.co.jp/article/46896

 

 


■【三橋貴明】国際金融資本の代理人

「新」経世済民新聞 2020年9月13日

https://38news.jp/economy/16674

 


■岸田首相が防衛費を増税で賄うことを推し進める背景に米国の「相手に手を出させる」いつもの「お家芸」が

週刊現代 2023.01.07 大原浩

https://gendai.media/articles/-/104199?imp=0

 

 

■武器買わされ戦場にされる選択 岸田政府の防衛費43兆円と大増税 米軍需産業のカモにされる日本

長周新聞 2022年12月22日

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/25321

 


■集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること

日米安保体制はますます米国の思うまま

東洋経済オンライン 2014/07/01 高橋 浩祐

https://toyokeizai.net/articles/-/41323

 

 


■現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日 

まぐまぐニュース 2016.04.21

https://www.mag2.com/p/news/178858

 

 

 

■「台湾有事の時、メインで戦うのは日本」アーミテージ発言で露見した米国の“本当の計画”

2022.07.05

https://tocana.jp/2022/07/post_237799_entry.html

 

 

 


■「アメリカによる支配」はなぜつづくのか?

原因は、安倍元首相祖父の岸信介がアメリカと結んだ3つの密約にあった!

PR TIMES 2018年12月26日 株式会社旭屋書店 矢部宏治

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000013301.html

 

 

 


■安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きが!

「岸がアメリカから言われた最大のミッション」「アメリカの資金でつくられた首相」

exciteニュース 2015年8月17日 野尻民夫

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1400/

 

 

 

■安倍首相の危険な最終目標 

徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念

Business Journal 2014.12.13

https://biz-journal.jp/2014/12/post_8272.html