◆今日の秀句/高橋正子選◆
○2月19日
★伐りて来し庭の白梅供花とせり/小口泰與
○2月20日
★たんぽぽの野に散らばれる低さかな/津本けい
「低さかな」は、言えそうでなかなか言えない。野に咲くたんぽぽは、まだ風も冷たいせいか、丈が低く野にへばりつくように咲いている。野に咲くたんぽぽの景色を平易な言葉でうまく表現した。(高橋正子)
○2月21日
★沖よりも甍の光り春めけり/多田有花(正子添削)
○2月22日
★野に山にしるき響きや雪解川/佃 康水
○2月23日
★水温む男の汲みしバケツあり/川名ますみ
男が汲んだバケツは、頼もしい男の腕でなみなみと汲んだ水がはいっているバケツ。この水を見ていると、やわらかで、光がまじり、「水温む」を実感させてくれる。あかるい心境が詠まれて、読み手にも明るさが与えられる。(高橋正子)
○2月24日
★乙訓は風吹く丘ぞ菜花咲く/桑本栄太郎
乙訓は、長岡京があったところとして知られるが、丘に菜花が咲きやわらかな起伏を彩っている。風もやわらかに菜花をなでてゆく。「乙訓」がよく効いている。(高橋正子)
○2月25日
★音のする雪解け水が春の野に/迫田和代
◆第7回句会の投句(2月19日~2月25日)は締め切りました。
●伝言版
伝言、お問い合せなどがありましたら、下記アドレスの<伝言版>にお書き込みください。
http://blog.goo.ne.jp/kakan100
○2月19日
★伐りて来し庭の白梅供花とせり/小口泰與
○2月20日
★たんぽぽの野に散らばれる低さかな/津本けい
「低さかな」は、言えそうでなかなか言えない。野に咲くたんぽぽは、まだ風も冷たいせいか、丈が低く野にへばりつくように咲いている。野に咲くたんぽぽの景色を平易な言葉でうまく表現した。(高橋正子)
○2月21日
★沖よりも甍の光り春めけり/多田有花(正子添削)
○2月22日
★野に山にしるき響きや雪解川/佃 康水
○2月23日
★水温む男の汲みしバケツあり/川名ますみ
男が汲んだバケツは、頼もしい男の腕でなみなみと汲んだ水がはいっているバケツ。この水を見ていると、やわらかで、光がまじり、「水温む」を実感させてくれる。あかるい心境が詠まれて、読み手にも明るさが与えられる。(高橋正子)
○2月24日
★乙訓は風吹く丘ぞ菜花咲く/桑本栄太郎
乙訓は、長岡京があったところとして知られるが、丘に菜花が咲きやわらかな起伏を彩っている。風もやわらかに菜花をなでてゆく。「乙訓」がよく効いている。(高橋正子)
○2月25日
★音のする雪解け水が春の野に/迫田和代
◆第7回句会の投句(2月19日~2月25日)は締め切りました。
●伝言版
伝言、お問い合せなどがありましたら、下記アドレスの<伝言版>にお書き込みください。
http://blog.goo.ne.jp/kakan100
伐りて来し庭の白梅供花とせり
さえずりや野を分け利根の激しかり
水ぬるむ幼き頃を想い出し
窓越しの空広くして春浅し
水ぬるむ幼き頃を想い出し
窓越しの空広くして春浅し
芽柳や神宮の朱の大鳥居
春ぬくし能楽堂へ連れ立ちて
大橋を望む汀の春の雪
風花や暮れし浪花のビルの間に
歩みゆく春の路地裏先斗町
春水の木屋町流る高瀬川
托鉢の僧の独りや春北風
あぜ道の空や雲雀の鳴き別れ
下校児や荒れ田の雉の翔け出でし
長閑けしやマザ-テレサの映画観る
カ-テンを開けて春日の居間に入る
春光や朝の冷気を通り来る
芽柳の色待つ賀茂の河原かな
眼前にあるは春雪の静けさよ
陽当たりて木々を離るる春の雪
陽炎のかなたに甍連なりぬ
薄氷の池なかばまで残りおり
誰も居ぬ梅畑つがいの目白くる
白梅の花びらに淡く蕊の翳
二ン月の伎芸天女のやうな空
行間に見え隠れする浅き春
青空へ伸びる一枝梅一輪
北国は未だ時化おり多喜二の忌
親と子の銭湯通い春の宵
大空に白くぼんやり春の月
早春や園児へ挨拶何回も
春浅しオリオン星座はやや西へ
春空に放課後の子らの声響く
よく鋤かれ真っすぐ均されし畑
雑談も楽しいホームに春の風
朝日うけキラキラ光る瀬戸の春
金盞花潮騒聞こゆ湯宿かな
カルピスや二人のストロー風光る
春雪の光る遠嶺や県境
残雪の遠嶺も近き日当たれば
一日がとつても長く梅の花
清冽な記憶蘇州の春銀河
風に乗り湖心へ流る春の月
たんぽぽや風なき湖のささら波
新しきビルに日差しや春の色
この次は幾つひこばえ数え行く
二月早や閉店セールの園芸店
沖よりも甍の光り春めきぬ
★映画館出れば眩しい春の空
★雪国の一両電車走り去る
しらじらと曇天の野に梅ひらく
下萌をふわりと行けば気も軽く
その中のいつぽんのみや梅ひらく
梅林の遅速際立ち梅二月
取り除く笹の根地中に切れる音
雑草は雑草として春の色
虹鱒の夕日を加え遡上せり
ばらの芽の光放てり遠浅間
靄を引く大琵琶晴れて春動く
一輪の梅に集まる瞳かな
訪う丘の空へ紅梅濃くなりぬ
野に山にしるき響きや雪解川
さみどりの梅の蕾の膨らみぬ
静かなることこそよけれ梅林は
春霞遠くに走るモノレール
街の畑狭しといえど菜花咲く
弁当に日あたり花菜和え淡し
さみどりを零して友とうぐいす餅
大仏の頬に傷あり春の風
黄梅の風の明るき池の水
靴跡のなき残雪の畑道
残雪に菜っ葉列なし頭出し
手をつなぎ園児散歩の丘の梅
転々と空へ辿りて梅ひらく
会果てて鰊そば友等と啜る
鉄橋を隔て蛇行す春の川
群れ離れ一つ咲くありいぬふぐり
菜の花や遠くに牧の牛の群れ
竹の節ゆったり越ゆる春の雨
田の雨にさそわれ出づる地虫かな
梅東風の吹くよ旧知の友ませば
会果てて友等と啜る鰊そば
鉄橋を隔て蛇行す春の川
堅香子の花むらさきに黄昏るる
遠くまで来過ぎし遊歩あたたかし
堰あふる川は二月の雨の音
幾筋も畝盛り上がり春の雨
麗らかやとんびゆるりと旋回す
如月の光舞い降り草萌ゆる
遠汽笛空へ弾ませ風二月
芽吹くもの全てに雨の潤いを
ゆるゆると群れて長閑や川の鯉
穏やかに明けしが二月の風すさぶ
雨あがる春の山路に人と会う
春の夕途切れ途切れのハーモニカ
春の夢覚めし夜来の雨音に
春の水滴り落ちて箕面山
植替の土さらさらと春めきぬ
水温む男の汲みしバケツあり
空晴れて梢芽吹ける河畔林
座布団干すそば屋を廻り草青む
雨あがる芽吹く大樹の賑わしく
雪柳ポツリポツリの白さかな
春光や小走り滑る浜千鳥
剪定の切口丸く青空に
日暮れゆく松尾大社や春ともし
春雨の本降り来たる嵐山
紅白と障子に影を盆梅展
幹太く古木となりて梅二月
灰色の空や雲雀の影もなし
青空やちいほの蕾枝垂れ梅
蒼い海白き梅林見上げおり
雨を得て目覚め行くかな春の森
耳に風優しき日なり梅開花
春来ればこずえの揺れも柔らかし
陽を溜めし頂にあり春の風
うすうすとむらさきだちて春の山
撒かれたる水のひかりにある温み
撒かれゆく水ひかりあり温みあり
少しずつ地球動ける余寒かな
雨降って柑橘映える暖かさ
供花切るに踏む残雪の嵩わずか
一木の南に廻り紅椿
箒目の筋美しく沈丁花
高き枝に無垢に開けりしだれ梅
乙訓は風吹く丘ぞ菜花咲く
太古より目覚むナデシコ春の夢
蕗の薹揚げてふくらむ紙の上
梅二月開きて遠き地図の旅
日脚伸ぶ岬の先にまた岬
午後四時を告ぐ料峭の時計台
廃れ田に移り泥食う春の鴨
下萌えを嗅いで根を掘る小犬かな
枝々に雨粒ともししだれ梅
ばらの芽の風に対いてあえかなる
音のする雪解け水が春の野に
静まった茶室の床に梅三つ
柄杓もて冷水汲める長閑けさに
水音の微かに喜々と百千鳥
雨上がり周回道路に梅の花
春の雨空高く飛ぶ鳥の群れ
紅梅のつぼみ海辺に青空に
苗木植うブルーベリーは青紫色
木の芽雨狸の陶の下げし酒
振れば鳴る鈴縄揺れて春の日を
笹鳴のあたりに寄れば木々しんと
張子雛に日の当たりきて洋食屋
春雨や図書館で選ぶ本五冊
半地下より上りて春陰の中へ
風音の耳に途切れし揚ひばり
採り跡の千々の乱れや春の畑