会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝、歴代3社長ら5人を提訴 総額3億円の賠償求める(朝日より)

東芝、歴代3社長ら5人を提訴 総額3億円の賠償求める

東芝が、元社長や元CFOら計5人に、総額3億円の損害賠償を求める訴訟を起こしたという記事。株主が株主代表訴訟を起こせる日が迫っていたそうです。

「東芝が訴えたのは西田氏のほか、佐々木則夫・元社長、田中久雄・前社長の3人と、当時CFOだった村岡富美雄・元副社長、久保誠・元副社長の2人。東芝が設置した社外の弁護士3人による「役員責任調査委員会」で、利益の水増しについて、5人が監理、監督をする注意義務を怠ったと認めた。今後、あらたな損害が認められた場合は、賠償額を増やすという。」

5人で3億円なら、個人でも払えない金額ではありません。賠償請求額を増やしたとしても、いずれ、適当な金額で和解するのでしょう。

また、法律理論はよくわかりませんが、単に「注意義務を怠った」だけだとすると、だれも粉飾を指示していない、犯人がいない犯罪ということになります。

また、東芝の粉飾は、トップ経営者も含めて、会社ぐるみで粉飾を行い、監査人からも隠していた、内部統制をオーバーライドした経営者不正ということで、監査人が粉飾を指摘できなかったのもやむを得ないということになっていますが、トップもその他の役員も、単に注意が足りなかっただけだとすると、その前提が崩れてくるのではないでしょうか。

役員責任調査委員会の調査報告書の受領及び当社元役員に対する損害賠償訴訟の提起並びに米国における訴訟等に関するお知らせ(東芝)(PDFファイル)

この5人以外は無罪放免となったようです。


(東芝プレスリリースより)(「関与者」というのは関与した可能性が認められた者のことです。)

朝日の記事ではふれていませんが、米国における集団訴訟の訴状を受け取ったことも、(こっそり)発表しています。


(同上)

東芝:3億円賠償提訴は「過小」請求 株主反発も(毎日)

「実際に、日本企業による過去の不祥事では、旧経営陣の責任が厳しく問われるケースが相次いでいる。長年にわたる損失隠し問題が発覚したオリンパスは2012年、歴代の経営陣19人に計36億円、監査役5人に計10億円の損害賠償を求め、東京地裁で係争中。粉飾決算問題を巡り、旧ライブドアは堀江貴文元社長ら旧経営陣を相手取り約363億円の損害賠償を請求。堀江氏が株式など約208億円相当の資産を引き渡すことなどで和解が成立した。

事案の詳細によって問われる賠償責任は異なるため一概に比較できないが、東芝の対応が「身内に甘い」との指摘も出そうだ。」
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