市原市観光協会、不適切会計問題で元職員を告訴 クレカ不正使用か
千葉県市原市の観光協会(一般社団法人のようです)で不適切な会計処理が発覚し、8月5日にそれに関する調査報告書の概要が公表されたという記事。不正に関わっていた元職員を刑事告訴したそうです。
協会名義のクレジットカードを不正利用していたほか、決算の粉飾もやっていたようです。
「調査対策本部によると、元職員は2006年ごろに採用され、会計業務を1人で担当していた。13~23年度を調べると、個人のアカウントで通販サイトを利用する際に協会名義のクレジットカードを使い、インクカートリッジやコピー用紙といった大量の文房具などを実家に届けていたという。責任者の承認を得ない支払いも多数見つかった。
赤字収支や債務超過を隠すため、預金金額を多く記載するなど虚偽の決算書を作ったほか、確認できた1万9634件の伝票のうち、1万510件は領収書などがなく、上司の決裁を得ていないなどの伝票も3925件あったという。」
調査には会計士も参加していたようです。
「調査対策本部は副市長や弁護士、公認会計士ら8人で組織し、2月に設置してから関係者へのヒアリングなどを進めていた。」
市原市の報告書概要。
一般社団法人市原市観光協会の経営実態等に関する調査について(最終報告概要)(2024年8月5日)(市原市)
一般社団法人であることの悪影響にもふれています。
「一般社団法人は、制度上監督官庁を持たない独立した法人であることから、市においても、観光協会の独立性を尊重した関わり方をしていた。具体的には、財政面や組織面について支援や助言等は行うものの、最終的には観光協会における判断・行動を尊重し、財政状況や組織状況の詳細な確認等はしていなかった。このような観光協会の独立性を尊重する姿勢が、市の観光協会に対する消極的な姿勢にもつながり、今回の経営破綻に至るまで、観光協会の経営実態等を把握できなかった背景となっていると考えられる。」