東証2部上場のジャパン・フード&リカー・アライアンスが決算発表を延期したという記事。監査人がストップをかけたようです。
「食材卸のジャパン・フード&リカー・アライアンスは6日、同日予定していた2015年9月期決算の公表を見送ると発表した。盛田英夫会長が自身が代表取締役を務める別会社に不適切とみられる貸し付けをしたことを監査法人が問題視。外部調査が必要と判断した。...」
監査人は中小監査法人のようですが、社長(当時)への巨額不正支出を傍観していた大王製紙の監査人(大手監査法人)より立派です。
会社のプレスリリース。問題は貸付だけではないようです。
平成27年9月期決算短信の開示時期の延期並びにこれに係る経緯として当社代表取締役会長への便宜供与に係る疑義に対する独立調査委員会の調査及び当該調査の結果を踏まえたガバナンス体制の検討等に関するお知らせ(ジャパン・フード&リカー・アライアンス)
「当社は、当社の会計監査人である栄監査法人から、平成27年9月期の監査の過程で当社代表取締役会長盛田英夫(以下「会長」という。)個人又はその同行者の交通費の経費支出についての異常性の指摘を受けて確認したところ、使途不明分があることが判明するに至り、また、会長の実質的支配があるとみられる法人(モリタフードサービス㈱(以下「MFS社」という。))に対する貸付金の回収処理の妥当性や、会長と一定の関係があるとみられる個人の経営する法人に対する業務委託料の金額の合理性についても指摘がなされ、平成27年7月30日、栄監査法人から、当社において会長への便宜が図られている疑義(以下「本件疑義」という。)は、経営者(特に上級経営者)が関与していると考えられる場合に当たり、従業員、経営者又は第三者による共謀の可能性も検討しなければならず、外部調査が必要である旨が当社役員に告げられました。」
「また、栄監査法人から、平成27年10月27日付で、当社の監査役会宛に「金融商品取引法第193条の3第1項の規定による財務計算に関する書類の適正性の確保に影響を及ぼすおそれのある法令違反等事実の通知」(別紙1)及び「会社法第397条1項に基づく取締役の不正の行為等の報告」がなされております。そのうち、前者の通知では、本件調査報告書のほか類似案件の存否も含め、速やかに事実関係の調査が必要と考えており、適切な措置をとることを求める旨の指摘がなされています。」
貸付金以外はそれほど大きな金額ではありませんが、経営者が絡んだ取引はより厳格に見るべきなので、監査人が問題にしたのも理解できます。(交通費をごまかすみたいなせこいことはやらずに、きちんと手続きを踏んで、役員報酬として受け取ればいいと思うのですが...)
(補足)
問題となっている取引にかかわっている会長は、ソニー創業者の長男だそうです。
ソニー創業者長男が不適切融資2億円超 会長の食品企業(朝日)
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