会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

シャープ、英語版の決算短信を修正(WSJより)

シャープ、英語版の決算短信を修正

シャープが、英語版の決算短信を修正したという記事。継続企業の前提に関連する記述の翻訳を見直したようです。

「同社は5日、継続企業の前提に関する疑義の主要な段落の英語訳を修正すると発表した。同社は「実質的な疑義」を抱いているという表現を削除し、警告に関する文言を和らげ、同社の状況について一層の正確さを望んだためだと説明した。」

記事によると、以下のような修正です。

(修正前)

Therefore, Sharp is in circumstances in which material doubt about its assumed going concern is found.

(修正後)

Therefore, there exist conditions which might raise uncertainties about Sharp being an assumed going concern. However, we judge that no uncertainties about Sharp’s ability to continue as a going concern will exist. The countermeasures described below are thought to resolve such conditions.

修正前は「継続企業であることに関して重要な疑義があるような状況にある」、修正後は「継続企業であることに関して不確実性を生じさせるかもしれない状況が存在する」というような意味だと思います。微妙な違いですが、修正後の方が正確なのでしょう。

修正後の「However」以下は、日本語の決算短信にはない部分だそうです。「継続企業として存続する能力に関して不確実性はない」というような文言です。

あやうく、シャープの「歴史をかえた誤訳」となりかねないところでした。

「1日の疑義警告について記者団から問い詰められ、シャープは同社の再編策により、継続企業の前提に関する疑義が取り除かれると強調し、同社の監査人らは継続企業の前提に関する疑義は感じていないと説明した。」

しかし、いろいろと報道されているような状況で、監査人には難しい判断だと思われます。

歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)
鳥飼 玖美子

by G-Tools


最悪赤字続くシャープ、公的支援迫られる可能性-市場関係者(ブルームバーグ)

シャープ経営陣の不協和音 希望退職2000人、危機的状況に憤る社員(ITmedia)

シャープの決算短信より(再掲)(クリックすると拡大)



「However」以下に対応する部分もあります(末尾)。
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