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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

株式会社東日本銀行に対する行政処分について(金融庁)

株式会社東日本銀行に対する行政処分について

関東財務局は、株式会社東日本銀行に対し、行政処分を行ったことを、2018年7月13日に公表しました。

処分の内容は、銀行法第26条第1項に基づく業務改善命令です。

「処分の理由」は以下のとおり。

「当行に対して実施した検査結果や銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証したところ、当行の法令等遵守態勢、顧客保護及び顧客本位の業務運営態勢、経営管理態勢について、以下の問題が認められた。

(1)顧客の利益を害する業務運営

数多くの支店において広範に、対価となるサービス内容が不明または手数料の算定根拠が不明な融資実行手数料実質的に両建となる担保定期預金を顧客から徴求しているなど、顧客に不必要な負担を強いるといった顧客保護及び顧客本位の業務運営上の問題が認められる。

上記の融資実行手数料の中には、地方公共団体が利子補給を行うなどして低利の資金を中小零細企業に提供するために設けている制度融資の実行先から徴求している事例が多数存在している。さらに、地方公共団体との協定書等で手数料の徴求が禁止されている制度融資の実行先からも徴求している事例が多数認められており、制度融資の目的や趣旨を逸脱するなど極めて不適切な取扱いが行われている。

(2)支店における不適切な融資と態勢の不備

特定の副支店長が、営業成績を上げるために、特定のグループから紹介された融資先について、支店の営業エリア内に実態のない当該融資先の営業所の登記を行わせ、支店長を欺き、支店長専決権限を行使させるといった不適切な融資を多数実行し、多額の損失が発生している。

支店長は、融資先の営業実態や資金使途を十分に確認しないまま融資実行を決裁しており、同支店の他の職員も不審な状況を看過しており、営業店内の牽制機能が働いていない。

なお、同副支店長は、過去在籍した別の複数支店においても、同様の不適切な融資を実行し、損失が発生している。

上記と異なる複数支店において、支店長が、当行OBを通じて紹介された融資先について、支店の営業エリア内に実態のない当該融資先の営業所の登記を行わせ、融資資金で市場価格を大幅に上回る不動産を購入すること等を知りながら、支店長専決権限により融資を実行し、多額の損失が発生している。

支店では、支店長以外の他の職員が不審な状況を看過しており、営業店内の牽制機能が働いていない。

なお、上記と類似性のある不適切な融資は、過去にも、別の支店において発生しているが、当時策定された再発防止策の根本原因分析等が十分ではなく、今回、同様の不適切な融資が再発している。

(3)本部の牽制機能の欠如

監査部は、関係書類に係る外形的な点検や、手続の遵守状況を検証する事務面の監査しか行っておらず、上記の融資実行手数料や実質的に両建となる担保定期預金の徴求及び不適切な融資が繰り返されていることを発見できていない。

また、融資部、営業統括部による支店の営業に関するモニタリングにおいても、多額の融資実行手数料の徴求や不適切な融資等の早期発見に至っていないなど、牽制機能が働いていない。

(4)投資信託販売業務における虚偽報告等

投資信託販売や投資信託購入者に対する事後対応について、数多くの支店において多数の職員が、実態と異なる虚偽報告等を行っている。

また、投資信託購入者に対する事後対応について、前回の当局検査において同様の指摘がなされているが、当時の再発防止策は抜本的な改善策とはなっておらず、実態と異なる虚偽報告等が再発している。

(5)上記(1)から(4)までの問題発生の要因としては、役職員の法令等遵守や顧客保護及び顧客本位の業務運営に関する意識が乏しい企業文化となっている中、経営陣が、新規取引獲得に偏重した営業姿勢の下、収益確保やOHRの低下を優先し、業務の適切性を確保するための内部管理態勢の整備を十分に行ってこなかったことが根本原因であると認められる。」

(2)の「特定の副支店長」がやったことはそれだけで大事件です。

歩積み両建て」は昭和時代の話かと思っていましたが...。

また、金融庁お得意の「根本原因」という言葉も登場しています。本当の根本原因は、儲からないというところにあるのでしょう。

東日本銀に改善命令 金融庁、不適切融資の横行で(日経)

東日本銀行に業務改善命令 金融庁 不適切な融資横行で(SankeiBiz)

「特定の副支店長が営業成績をあげるため、支店長を欺いて不適切な融資を実行し、約7億円の損失を出したケースもあった。」

「酒井氏は記者会見で獲得目標が過大との指摘は否定したが、「結果的に営業の人員を強化したことが、内部管理体制の不備につながった」と言及。営業部門に偏った行員配置で本部の管理部門が手薄になり融資の監督が不十分だったことが原因との見方を示した。

ただ、根拠が不明確な手数料徴収は本部も把握していた。「顧客の同意を受けているので問題ないという認識だった」(酒井氏)といい、組織ぐるみでずさんな管理体制を放置したとの批判は免れない。」
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