会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

新聞が書かない これが日産ゴーン元会長“無実”の証拠だ!(Yahooより)

新聞が書かない これが日産ゴーン元会長“無実”の証拠だ!

日産ゴーン事件関連記事。

ゴーン氏の意見陳述書をもとに、デリバティブ契約の付け替えについて、無罪だといっています。一応理屈は通っているように思われます。

「ゴーン氏がなぜデリバティブ取引を始めたのかというと、意見陳述書にある通り、「報酬をドルで受け取りたかったから」ということになる。ゴーン氏は家族が海外で暮らしているため、ドル建てで報酬を受け取ることを希望したが受け入れてもらえなかった。そこで、為替リスクを回避するための策を銀行に相談したところ、為替スワップというデリバティブ取引を勧められたというのである。

このことは、なぜか新聞などではほとんど報じられていない。デリバティブ取引などと聞くと、強欲な男が大儲けしようとしてやっていたのかと思ってしまうが、そうではないというのがゴーン氏側の主張である。確かに円建てで報酬を受け取ると、海外に住む家族にとっては、円高や円安によってドルに換金したときの収入が減ったり増えたり、安定しないという不都合が生じる。このリスクを回避しようと、自らの取引銀行に相談するのは自然だと思う。

大儲けしようと思ってデリバティブ取引に手を出したというのと、家族の収入を安定させるために銀行に相談したというのでは、世間の印象がだいぶ違う。」

契約付け替えの経緯は...

「ゴーン氏が当時保有していた他の金融資産もすべて日産株と同じように大幅に値下がりしたため、追加の担保が用意できなかった。そこでゴーン氏は、日産の資産を一時的に担保にすることはできないかと銀行に相談したところ、契約の主体をゴーン氏の資産管理会社から日産に移せば追加担保の必要はなくなると言われたというのだ。日産という会社の信用力があれば、あえて担保を入れる必要はないということだ。

結局、この時の銀行のアドバイスに従ってやった行為が“特別背任”にあたるとされ、逮捕されてしまうのだ。確かにこれだけでは日産がいつか損害を被る危険があったように思えるし、そもそも会社の資産を自分の取引の担保にしようとする発想自体が会社の「私物化」のようにも感じられる。弁護人の大鶴弁護士でさえ、最初にゴーン氏から話を聴いた段階では、これで無実といえるか半信半疑だったという。しかし、詳しく調べていくと驚くべき事実が次々と明らかになり、無実を確信するに至ったという。

まずは、契約主体の付け替えは事前に日産の取締役会で承認されていたという事実である。前出の朝日新聞の記事には、銀行が契約の主体を日産に移す条件として取締役会での承認を求めたが、ゴーン氏はこれを拒否したと書いてあるが、実際には取締役会の決議に基づいてなされたものだった。しかも、この取締役会の決議には「日産が差損の支払いを負うことのない」場合に限るという“条件”が付けられていた。つまり、この時点ですでに、日産が損害を被る危険も恐れもなかったということになる。

ただ、この取締役会の承認というのが「ゴーン氏の契約」に関する承認ではなく、「外国人役職員全般の契約」に関する承認になっていることから、検察側は「自らの損失を伏せたまま、偽装決議を行った」と主張している。一般の新聞などでは、そもそもゴーン氏が為替スワップ取引を始めた理由について書かれていないので、一見すると検察の主張の方が説得力があるように思える。しかし、そもそも為替スワップを始めた動機が「報酬をドルで受け取りたかったからだ」という説明を聞いていれば、日産の外国人役職員全般に関する決議にしたことは極めて自然な流れとして納得できるだろう。

さらに、この取締役会の決議に基づいて、ゴーン氏の資産管理会社と日産と銀行の3者で契約が取り交わされるのだが、そこには、為替スワップによって損失が生じた場合はゴーン氏の管理会社が差損金額を支払い、逆に差益が生じた場合は、その金額をゴーン氏の管理会社が受け取ることで合意したことが明記されているという。」

「日産という会社が幹部の私的な損失を補填していたとしたら、それこそ会社の犯罪になってしまう。だから、そうならないように日産としてもいくつかの“人質”を取っている。まずひとつはゴーン氏自身の報酬だ。為替スワップ取引で損失が出て、万一、ゴーン氏が損失を支払えない状態であっても、日産はゴーン氏の報酬から回収することができる。また、ゴーン氏にはすでに確定済みの40億円を超える未払いの退職慰労金があり、これとの相殺も可能だ。

つまり、企業が福利厚生の一環として社員の退職金を担保に住宅ローンを組んでくれるのと似た発想だ。日産は一時的に会社の「信用」をゴーン氏に貸しただけで、ゴーン氏の私的な損失を引き受けることは、何があってもあり得なかった。しかも、この「信用」貸しの仕組みは取締役会の決議によって、ゴーン氏だけでなく、報酬をドル建てで受け取ることを希望する外国人役職者全般に適用されることになっていた。これのどこが犯罪なのか。」

かつかつではなく20億円ももらっていたのだから、その中で、為替リスクを吸収すればよいのではないか、総会の決議を経ていない退職慰労金を担保のように考えるのはおかしいのではないかという疑問点もありますが、通常の報酬でも十分損失をカバーできる状態だったわけですから、おかしな理屈ではないように思われます。

ゴーン氏の意見陳述や当サイトの見方については...

当サイトの関連記事
その2

日経も珍しく、両論併記になっています。ただ、スワップ契約をやった動機については、なぜかふれていません。

日産への評価損付け替え 損害はあった?なかった?(日経)(記事冒頭のみ)

そもそも、契約を日産に付け替えたこと自体は、監視委が知っていたわけですから、それが重大犯罪だというのであれば、そのときに事件にすべきだったはずです。日本人は関与していても時効で救済され、ゴーン氏だけが罪に問われるというのは、一種の外国人差別でしょう。
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