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消え逝くグッドウィルの消えない傷

消え逝くグッドウィルの消えない傷(全部読むためには登録-無料-が必要)

グッドウィルが2006年に人材派遣の大手「クリスタル」を買収した際に、共同買収者に巨額の利益が与えられたのではないかという疑惑を取り上げた記事。記事中には、スキームに関与したとされる会計士の実名も出ています。

「舞台となったのは「コリンシアンパートナーズ」という投資ファンド。クリスタル創業者にしてオーナー、林純一が自らのクリスタル株90.92%を総額500億円で売却。」

「グッドウィルが払い込んだ金額は883億円。残りおよそ25%を所有する出資者の出資金は303億円だった。つまり「コリンシアンパートナーズ」には1186億円もの資金が集まっていた。この中からクリスタルのオーナー、林に株式売却代金500億円が支払われた。「コリンシアンパートナーズ」にはなお686億円の現金が滞留している計算である。 」

「グッドウィルは883億円もの巨費を投じ出資分に応じてクリスタル株のおよそ68%を取得したに過ぎないのである。たった68%を取得するために883億円もの資金を費やしたグッドウィルと303億円を出資した人間が手にした果実を比べると「たった」と書いた意味を理解してもらえるはずだ。

 303億円の出資者は残るクリスタル株22%に加え、ファンドに残った現金686億円を受け取ったからだ。383億円もの利益を得たのである。 」

この記事が正しいとすると、オーナーからファンドが500億円で取得したクリスタル株(持分90%)のうち75%(ファンドにおける取得価額約389億円(=500億円の75%))を、グッドウィルは880億円で引き取った(ファンドへの出資金と相殺?)ということになります。そんなあからさまな贈与を税務当局が見逃すはずがないと思うのですが・・・。

ちなみに、買収が行われた期(2006年12月中間)のグッドウィルの決算を見ると、のれんが約330億円、少数株主持分が約230億円増えています。純資産460億円のうち少数株主持分が52%を占めていました。

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