会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オリンパスと大王製紙、J-SOXの「開示すべき重要な不備」公表(ITproより)

オリンパスと大王製紙、J-SOXの「開示すべき重要な不備」公表

オリンパスと大王製紙が、内部統制に「開示すべき重要な不備」があったことを公表したという記事。

「オリンパスは有価証券投資などの損失計上を先送りし、その解消のために不適切な会計処理を実施したことから、過去の有価証券報告書と2012年3月期第1四半期報告書について訂正報告書を提出。「経営者の業務執行を監督ないし監査すべき取締役会と監査役会が有効に機能していなかった」ことと、「企業風土やコンプライアンス意識の欠如および内部通報制度の不備」をその原因としており、開示すべき重要な不備に該当すると判断した。

 大王製紙は過年度の会計処理の誤りが判明し、2012年5月に過年度決算を訂正。加えて、2012年度の有価証券報告書を作成する過程で、監査法人から決算・財務報告プロセスの不備を原因とする複数の誤謬に関する指摘を受けた。「一般に公正妥当と認められた会計基準の理解不足」と「会計処理の適正性の確認不足」などがその要因であり、これらの不備は「財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当する」と判断した。」

両社とも、決算日までには、改善がなされなかったということでしょうか。

このうち、オリンパスについて、会社のプレスリリースをみてみました。

財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ(オリンパス)(PDFファイル)

粉飾事件の関連では、「本件発覚以降、当事業年度末日までに十分な整備・評価期間を確保できず、その運用の有効性を確認することができませんでした」とのことで、決算日には間に合わなかったようです。

粉飾事件とは直接関係のない事情もあったようです。

「当期の決算において、会計監査人からの指摘で複数の誤りを修正しました。これは、正確な財務数値を作成するための当社及び連結子会社での数値の検証の不足及び当社における連結子会社の報告資料の不十分なモニタリングが要因であり、全社的な観点から評価する決算・財務報告プロセスに開示すべき重要な不備があると判断しました。 当該不備は期末の監査の過程で識別されたものであり、 事業年度末までに是正することができませんでした。」

また報道された韓国子会社のケースも、「重要な不備」のひとつだったようです。

「また、韓国の子会社において元代表理事によって当該子会社の統制環境が毀損されている事実がありました。当該子会社社員からの内部通報を受け、鋭意調査を実施してきましたが、これに時間を要し、当該子会社の統制環境の不備の特定が当事業年度末日以降になったことから、 当事業年度末日までに是正することはできませんでした。本件については、当該子会社の内部管理体制を見直すとともに、親会社の監視・監督を強化する方針であり、元代表理事を6月に解任しました。」

有価証券報告書の訂正報告書の再々提出に関するお知らせ(オリンパス)(PDFファイル)

ウッドフォード氏への子会社からの貸付(残高はなし)について、関連当事者の注記への記載がもれていたようです。これだけで訂正報告書を出すのも、同氏へのいやがらせみたいな感じがします。

オリンパス、ウッドフォード元社長への和解金は約12億円(産経6月8日)

ウッドフォード氏といえば、この和解金は、修正後発事象として反映させているのでしょうか。
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