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訪日客の消費税免税分21億円未徴収…転売狙いか、商品持たず納税もせず出国(読売より)

訪日客の消費税免税分21億円未徴収…転売狙いか、商品持たず納税もせず出国

免税品の免税要件を満たしていないとして徴収を決定した消費税が約22億円あったのに、納税せずに出国する者がいて、約21億円が未徴収となっていたという記事。2022年度の数字です。

「税関当局は2020年度から、免税品を買った人が出国する際に免税品を持っているかどうか確認する取り組みを強化している。きっかけは、同年度に始まった「免税手続きの電子化」によって、購入者のパスポート情報や購入記録が免税店から国税庁に電子送信され、税関当局に共有されるようになったことだ。

大量購入などの不審な購入をした人物の情報を即座に把握できるようになり、そうした人物が出国しようとした場合に、空港で呼び止め、免税品を持っていなければ消費税の徴収を決定している。

だが、財務省によると、税関当局が昨年度、訪日客ら366人に計約22億円を徴収決定したのに対し、実際に納税したのは213人・約7000万円にとどまり、約21億円は徴収できていなかった。」

チェックできるようになっただけ、少しはましなのかもしれませんが、納税しないからといって出国を止めることはできないので、取りっぱぐれになっているそうです。

ひとり(あるいは1組)で、1千万円超の消費税を踏み倒している例もあるそうです。「転売業者が訪日客らに報酬を渡して免税購入させるケースがある」ということで、商売でやっている例も多いのでしょう。

たぶん22億円というのは、出国の際にチェックできた氷山の一角にすぎず、実際は、それよりはるかに多い消費税が脱税されているのでしょう。

(インボイス導入後も、消費者からの買い取りは、インボイスなしでも、仕入税額控除できるようですから、こういう脱税の防止には役立ちません。)

学者のコメント。

「国税OBで中央大法科大学院の酒井克彦教授(租税法)は「不適切な免税購入をした人に対し、後から消費税を徴収するのは難しい。消費税制への不公平感を解消するためにも、リファンド方式の導入を検討する時期に来ているのではないか」と話している。」

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