会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スルガ銀行、週内にも処分へ 金融庁が一部業務停止命令(産経より)

スルガ銀行、週内にも処分へ 金融庁が一部業務停止命令

金融庁がスルガ銀行に対し、業務の一部停止命令を出す見込みだという記事。

「金融庁が、シェアハウス向け融資で不正が横行していたスルガ銀行に対し、週内にも不動産融資業務などの一部停止命令を出すことが2日、分かった。外部弁護士からなるスルガ銀の第三者委員会が審査書類の偽装など組織的な不正の横行を認定。金融庁も今春からの立ち入り検査の結果、企業統治上の重大な欠陥があるとして、厳しい行政処分に踏み切る。

業務停止期間は数カ月になるとみられる。顧客本位の業務運営の確立などを求め、業務改善計画の提出も求める。」

スルガ銀に一部業務停止命令へ 不動産向け新規融資対象(朝日)(記事前半のみ)

「不正があった不動産投資向けの新規融資を一定期間禁じる方向で、業務改善命令も同時に出す方針。スルガ銀の融資残高3・2兆円のうち不動産投資向けは3分の2の1・9兆円を占める。」

「銀行への一部業務停止命令は、暴力団融資問題を起こしたみずほ銀行へ2013年末に出された例などがあるが、極めて異例。」

ほかの銀行でも、不動産業者による不正が行われていたようです(銀行は無関係?)。

不動産業者、他行でも融資資料改ざん スルガ銀問題後も(朝日)(記事前半のみ)

「朝日新聞が都内の不動産業者の内部文書を入手した。同社は従業員が数十人規模で、社長は不動産投資の入門書を複数出版。セミナーで会社員らを勧誘して中古1棟マンションなどを販売する。購入資金は昨年までスルガ銀が多く融資したが、不正問題で融資できなくなり、その後は大手銀行や地方銀行、信用金庫が融資する割合が増えた。

内部文書や従業員の証言によると、業者は顧客のネットバンキングの預金残高を水増しする不正を繰り返している。今年4月から夏にかけ、三井住友銀行やりそな銀行、西武信用金庫(東京)などに不正な融資資料が提出され、一部で融資が実行されている。

チェックが甘い金融機関には残高を水増ししたコピーを提出していた。最近は行員の目の前でログインを求められることが増えたが、そうした場合は偽造したホームページにログインし、水増しした残高を見せている。顧客も多額の預金があるように銀行に説明する「口裏合わせ」を行っているという。」

コピーは証拠として弱いということが、あらためてわかります。また、ホームページまで偽造するとは...。

スルガ銀行関連記事。

スルガ銀株、大林組など保有 評価損発生の可能性(日経)(記事冒頭のみ)

「不正融資問題の発覚で急落したスルガ銀行株を保有する企業に評価損が発生する懸念が高まっている。有価証券報告書によると大林組や富士急行、静岡ガス、高砂熱学工業、きんでんなどが保有していた。富士急は9月28日にスルガ銀株で評価損を計上すると発表し2018年4~9月期の業績予想を下方修正した。」

スルガ銀、パワハラ王国暴走と創業家支配の因果(日経ビジネス)

「スルガ銀行の執行役員は「雇用型」で、従業員。すなわち一労働者にすぎず、創業オーナー家の岡野兄弟を含む多数の上位者が存在していた。役員などのインタビューによると、故岡野副社長は、麻生氏を営業本部長に取り立ててはいたが、それは営業成績や営業能力に着目したもので、それ以上でもそれ以下でもなかった。

どんなに麻生氏が成績を上げようとも、故岡野副社長は取締役に取り立てる気も、ましてや自分の後継者にする気もなかったのである。」

「一方で経営層自らは執行の現場に深入りせず、幾重もの情報断絶の溝を構築していた。

このような仕組みは、客観的に評価するならば、業績向上のために執行の現場は強力に営業推進する者をトップにして自由にやらせるが、それは経営層が自ら手を汚すのではなく、少々営業部門が逸脱あるいはやり過ぎることにも目をつぶる、という態勢を採ってきたといわれてもしようがない。―(報告書 P231より)」

スルガだけじゃない、世界で金融機関が暴走
株式投資家が企業を評価する際に必要な視点
(東洋経済)

「2016年、アメリカのリテール銀行大手で名門のウェルズ・ファーゴが不正営業を働いたとして米当局から処分を受けた。顧客に無断で開いた口座は200万口座にも上り、無断で作成したクレジットカードは56万枚、二重に加入させた自動車保険は57万件とされる。

ウェルズ・ファーゴといえば、多くの邦銀がロールモデルと仰いだ、リテール銀行の優等生だった。株価純資産倍率は2000年代初頭の最高値で3.2倍と、スルガ同様、アメリカの大手行の中で断トツだった。市場の尊敬を集めるウォーレン・バフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイのコア銘柄でもあった。

リテール金融は、ロットが小さく手間がそこそこかかる。低金利環境下では、貸し出しだけをやっていても儲からない。このため、ウェルズ・ファーゴでは、1人の顧客にいくつもの金融商品やサービスを販売する「クロスセル数」を経営目標とし、最低8つの商品を販売するという支店目標も設定されていた。邦銀でも、これに倣い、同様の目標を設定する銀行も現れた。

ところが相次ぐ不祥事で、名声は失墜した。当局と和解し復調した後も、株価はピークから2割下落し、株価純資産倍率も他行より低いレベルにとどまっている。」

当サイトの関連記事(スルガ銀行第三者委員会調査報告書公表について)
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