今年秋から、日本が税務情報の国際共有の枠組みに参加するという記事。企業への影響について取り上げています。
「国税当局が求めるのは「移転価格の文書化」と呼ばれ、経済協力開発機構(OECD)などが15年にまとめた国際課税に関する「BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト」の最終報告書に盛り込まれた。
日本は16年度税制改正で国内法に反映。段階的に実施され、連結売上高1千億円以上の多国籍企業は18年3月期決算から、グループ構成や各国別の納税状況、移転価格の算定根拠などをまとめた3種類の文書すべての作成が義務付けられた。
文書化された企業の移転価格情報は各国当局間で交換し、節税策に対抗する「移転価格税制」での課税に役立てる。現在は50カ国以上がこの枠組みへの参加を表明しており、日本は18年9月までに情報交換を始める。
企業がグループ内の移転価格を調整し、低税率国に利益を集める節税策を封じ込めようという枠組みだが、元国税庁の角田伸広税理士は「新興国などからの日本企業への課税強化につながる可能性がある」と警告する。」
「各国当局が注目するのは、企業が他国に不当な利益移転をしていないかという点だ。特にインドなどの新興国や中国の課税姿勢が厳しく、常に移転価格税制での追徴課税を狙うとされる。
税務部門が手厚い欧米企業はこうした事情を熟知しており、あらかじめ各国子会社の利益率を調整したり、利益率の根拠を理論武装したりして備えている。だが日本企業は手が回らず「結果的に、課税につながる情報だけをさらす形になりつつある」(角田氏)。」
多国籍企業情報の報告(国税庁)
移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)(国税庁)(PDFファイル)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
住友商事、累計4000億円「損失の迷宮」 ニッケル事業で20年の泥沼(日経より)
【独自】JALがグループ会社のトップ人事に“強引介入”か、上場廃止を迫る株主提案は「天下りポスト」を失った意趣返し!?(ダイヤモンドオンラインより)
(書籍の紹介)業種別 IFRS国際サステナビリティ開示基準の実務対応/ISSA 5000対応 サステナビリティ情報保証の実務ガイド
社員がインサイダー取引に関与した疑いでIRJを強制捜査…証券取引等監視委員会(読売より)
いわき信組元会長を銀行法違反で告発、ディスクロ誌に虚偽記載か(福島民友より)

「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」が成立しました(中小企業庁)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事
【コロナ禍で最大の飲食店倒産】お好み焼き店「いっきゅうさん」など80店超を経営していた「ダイナミクス」(東京)が、負債100億円超を抱えて破産開始決定受ける(Yahooより)

監査人交代事例9件(トーマツ(2件)、あずさ(継続辞退)、PwC、太陽、ゼロス(上場会社等監査人登録未完了)など退任)(2025年5月22日)
社員がインサイダー取引に関与した疑いでIRJを強制捜査…証券取引等監視委員会(読売より)
