会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「営業利益」ルール統一 国際会計基準、比較しやすく(日経より)

「営業利益」ルール統一 国際会計基準、比較しやすく(記事冒頭のみ)

国際会計基準(IFRS)で、営業利益に計上するかどうかのルールが明確になるという記事。1面トップに掲載されていました(他にたいしたニュースがなかった?)。

「世界の企業で普及している国際会計基準(IFRS)で、本業のもうけを示す「営業利益」の計算ルールが2027年度から統一される。これまで開示が義務ではなく定義も決まっていなかったため、企業によって中身がばらばらだった。」

4月に公表されたIFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」(→当サイトの関連記事)を取り上げているようです。

この日経記事によると、新基準では、持分法投資損益の扱いが明確化され、営業利益に含めないこととなったとのことです。日本のIFRS採用企業でも、従来、処理がバラバラで、ソニーグループやKDDIは営業利益に含めているが、三菱電機やNTT、ソフトバンクは含めていないそうです。特に影響が大きいのがJFEホールディングスで、連結営業利益2870億円のうち、持分法投資利益が561億円も占めているそうです(2024年3月期)。

損益計算書3区分に刷新 国際会計基準、27年度強制適用(日経)(記事冒頭のみ)

「国際会計基準(IFRS)で損益計算書の開示ルールが2027年度から大幅に変わる。損益計算書の構造が見直され、新たに「営業」「投資」「財務」の3区分が設けられる。「営業利益」などの利益項目も開示が義務づけられる。」

おおざっぱに言って、「投資」「財務」は金融に関する項目なのでしょう(退職給付会計の利息費用も「財務」になる)。法人所得税と「投資」「財務」以外は、臨時的なものも含めて「営業」損益なのでしょう。(日経記事では、不動産賃貸収益などは「投資」とのことなので、金融以外のものも入っているのかもしれません。)

ただし、金融業は別です。

日本基準では、経常損益か特別損益かという区分があり、どちらに含めるか、もめることもありますが、営業か金融かという区分にそった集計は明確ではありません(営業外損益や特別損益の中に金融に関するものとそれ以外が混在している)。

IFRSの新基準をきっかけとして、日本基準の損益計算書区分も見直すのがよいのでは。(企業会計基準に手をつけることになるので、やりたくない?)

大手監査法人による解説。

国際会計基準審議会、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」を公表(あずさ監査法人)

この解説によると、「個別に、かつ、企業が保有してい る他の資源とは概ね独立してリターンを生み出す資産から生じる収益及び費用」も 投資区分に分類されるそうです。投資不動産からの損益は、投資区分ということになるのかもしれません。

また、営業区分は、「投資、財務、 法人所得税又は非継続事業の区分に分類されないすべての収益及び費用から構成 される「デフォルト」区分」なのだそうです。

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