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公認会計士・監査審査会の活動状況(平成26年度版)の公表について(金融庁)

公認会計士・監査審査会の活動状況(平成26年度版)の公表について

金融庁の公認会計士・監査審査会は、「公認会計士・監査審査会の活動状況(平成26年度版)」を、2015年8月7日に公表しました。

「・・・企業活動の多様化、複雑化、グローバル化が一層進展する中にあって、公認会計士監査の充実・強化に向けた取組の重要性は一層増しています。

 審査会としては、このような状況に適切に対応するため、質、量の両面における事前及び事後の情報収集分析体制の強化や、リスクベースアプローチ等による検査の機能向上、情報発信の強化等、監査事務所のリスクプロファイルに適切に対応できる体制の整備・ 充実を図り、監査事務所に対するより実効的な検査を実施していくとともに、審査・ 検査の結果を協会にフィードバックし、協会の品質管理レビューの一層の機能向上を公的立場から促すなど協会の自主規制機能の強化に向けた連携を強化する必要があります 。」(「はじめに」の「今後の課題」より)

実務に関係しそうな「第2章 監査事務所に対する審査及び検査等」より

大手監査法人・・・に対しては、原則として2 年に1 度の頻度で定期的に検査を実施することとしている。 大手監査法人については、 これまでの検査結果等を勘案すると、 品質管理については、一定程度有効に機能しているものと考えられる。 このため、効果的かつ効率的な検査の実施の観点から、リスクベースの検査をより徹底させることとし、重要度の高い情報を入手した上で、大手監査法人共通のテーマを選定し、 当該テーマ及びリスクの高い領域に検証範囲を絞った検査(テーマ別検査) を実施した。

平成26年度のテーマ別検査のテーマとしては、一定期間不変な共通テーマとして、重要な不備が多くみられる「収益認識」「会計上の見積り」等を、スポット的な共通テーマとして、近時の検査等の結果を踏まえて、「組織の末端までの品質管理の定着の状況についての検証」等を選定している。」

リスクベースとはいえ、大手監査法人だから、名門企業だから大丈夫だという先入観を持たないでやってほしいものです。

「平成26 年度において、審査会は、審査基本計画及び検査基本計画・・・に基づき、平成25 年度品質管理レビューに係るものとして監査事務所11 件、平成24年度品質管理レビューに係るものとして監査事務所3 件、外国監査法人に対するもの1件合計15 件の監査事務所に対して検査を実施している 。」

この15件とは必ずしも対応しないのかもしれませんが、以下の5件の処分勧告を行っています(検査されると約3分の1は処分される?)。

・清和監査法人
・九段監査法人
・才和有限責任監査法人
・監査法人セントラル
・有限責任クロスティア監査法人

また、検査の件数は15件と多くはありませんが、そのほかに報告徴収を67件行っています。

「近年における被監査会社の海外進出の加速化等を受けて、 グローバルな観点からの監査の実効性の確保が重要となっており、国際的監査事務所のネットワークにおけるメンバーファームに対するレビューの実態把握が喫緊の課題であったことから、大手ネットワークの幹部やレビューアー との意見交換も実施した。」

東芝の監査人が所属するネットワークの幹部とも意見交換をしたのでしょうか。金融庁からいわれたら、ネットワークとしても、品質管理面での締め付けを強化せざるを得ないでしょう。
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