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裏金は脱税ではないのか 税法専門家に疑問を聞いた(Yahooより)

裏金は脱税ではないのか 税法専門家に疑問を聞いた(毎日新聞配信)

三木義一青山学院大学名誉教授に政治家の裏金問題を聞いた記事。

「――「政治活動には課税されない」とよく言います。

三木氏 この言い方が本当に正しいか、よく考えてほしいと思います。前提があります。

政治活動はみなさんのための公益活動です。政治家はおカネをもらうために政治をやっているのではないはずです。政治には利益を上げる活動は基本的にないはずです。だからそもそも課税する前提にはならないというだけの話なのです。

もし、政治活動を通じてなんらかの私的利益が入ってくるならば、課税の対象にならなければおかしいのです。政治家の活動であっても私的利益につながっているのであれば、当然、庶民と同じように課税対象です。ここを間違えては困ります。」

「――裏金は事実上、脱税ではないでしょうか。

◆黒い霧事件(1966年、田中彰治衆院議員=当時=を所得税法違反=脱税=で告発)までは税務当局は政治家を調査してきませんでした。その後も及び腰です。

政治家が「政治活動に使った」と主張するなら、「証明書を出せ、出せないなら課税する」と言えるはずですが、それで課税すると、その政治家が後日、財務相として登場することなどが実際にありましたから、官僚は保身から及び腰になるのです。」

「――政治家は、政治活動だから裏金であっても使途は私の自由、と言っているように聞こえます。

◆裏金は政治団体(派閥)からキックバックされたものです。現行法でも、団体から政治家個人に渡されたら雑所得で課税の対象になります。政治家はキックバックを受けたのは政治団体だから納税する必要はないと言いますが、通常の庶民に対する税務調査ではそんな主張は認められません。あり得ないことです。

「どうしてあなた書かなかったの」「団体のものを勝手にやったのですか」「領収書はどうしたのですか」「あなた個人のものにしたのでしょう」などと言われます。普通の人は税務調査で厳しく問われます。

政治家は「うっかりしていました、本当は団体に入れるつもりでした」ということですが、普通の会社の社長がこんなことを言っても税務署は認めません。裁判例もあります。

書類も何もなければ普通だったら課税されます。検察も国税庁も脱税で追及できますそれをやらないことがそもそもおかしいのです。」

普通の納税者は、自分の支配下に入ったカネが、実は自分のものではなく、預かっているだけであると税務署に主張するためには、それなりの証拠を示さないといけないでしょう。それが、議員の場合は逆転しているようです。

 

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