会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「ベンチャーキャピタルに関する有識者会議」について(金融庁)

「ベンチャーキャピタルに関する有識者会議」について

金融庁は、「ベンチャーキャピタルに関する有識者会議」の設置を、2024年4月23日に発表しました。

「資産運用立国実現プラン」や「金融審議会市場制度ワーキング・グループ・資産運用に関するタスクフォース報告書」(2023年12月12日)では、VCの運営に求められる基本的な考え方を示すプリンシプルを定めることが適当であるとされました。

そこで、民間有識者等の知見をいかしつつ、VC向けのプリンシプルに盛り込むべき事項について提言を得ることを目的として、この会議を開催するとのことです。

有識者会議のメンバーには、会計士協会の副会長も入っています。会計に関わる論点も議論するのでしょう(公正価値評価?)。

上記「タスクフォース報告書」では...

「1.ベンチャーキャピタルを巡る課題

①公正価値評価の促進

VC ファンドの公正価値評価については、本年5月、日本公認会計士協会によって関連する実務指針が改訂され、VC ファンドの監査に関する監査上の留意点が整理されるなど、一定の進捗が見られている。

他方で、例えば、以下のような課題が指摘されている。
• VC ファンドに対する出資持分の保有者は取得原価での評価が求められるため、公正価値と取得原価の二重管理が必要
• GP(ゼネラルパートナー、ファンド運営管理者)において、ミドル・バックオフィス業務の人員の確保、内部統制の整備・運用、システムの導入が必要となるため、一定以上のファンド規模が必要
• 上記実務指針を監査法人の実務に浸透させる必要
• 将来的に公正価値評価の導入が増え、監査需要が高まった場合、監査法人内でのリソースの再配分や、新たなファンド監査の担い手が必要

公正価値評価の導入については、海外投資家からの資金を得るなどしてファンド規模を拡大することや、有価証券の評価の透明性を向上させること等の利点もあり、引き続き推進するための環境整備を早急に進めるべきである。同時に、今後、関係者と協力して上記課題を解決していくことが必要である。具体的には、上記二重管理の問題について、本年7月、日本ベンチャーキャピタル協会が、財務会計基準機構の企業会計基準諮問会議において、上場企業等が保有する VC ファンドの出資持分に係る会計上の取扱いを見直すことを提案しており、議論の動向を注視していくべきである。また、公正価値評価の導入に向けたコスト負担を軽減する観点から、VC ファンド間で同業他社が公正価値評価を導入した際の留意点を共有すること等も有用である。さらに、今後日本公認会計士協会において上記実務指針を監査法人の実務に浸透させていく活動を進めることが期待される。」(13~14ページ)

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