TALK & TALK:冨山会長が聞く~コーポレートガバナンスの最前線 太田洋×冨山和彦
弁護士の太田洋氏と、冨山和彦日本取締役協会会長の対談記事。
「...太田さんは、買収防衛などで多くの実績を持つ法律家ですが、一方で企業買収をめぐる日本の特異性に違和感を抱いており、企業価値を高めるための本質的な買収のあり方をもっと議論すべきだと強調しています。」
最初のほうから1か所だけ引用させてもらうと...
「日本は法制度としては株主の権利が十分に強いのですが、今までは持ち合いとか、国内の機関投資家が経済合理性に基づいた判断をしなかったことなどが、これまで日本でアクティビズムがそこまで活発でなかった真の原因であったと思います。要するにピントがずれた議論が多い。例えばGAFAMはいわゆる種類株式を使い、デュアル・クラス・ストラクチャーでもう絶対に買収されない。ガバナンスは非常に悪いが、技術革新が進んで成長していて、種類株式をうまく使って長期的な視野に立った経営を行って、イノベーションを起こしています。それを「アメリカはガバナンスがいいから成長している」というような、単純な捉え方をしています。そうではなくて、アメリカにもいろいろあるとか、法制度も含めて全体をカバーして説明する書籍がないことがかねがね気になっていたので、ないのであれば自分で書くしかないと書き始めたのが動機です。」