金融庁は、「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」の設置を、2016年7月14日に公表しました。
「本年3月にとりまとめられた「会計監査の在り方に関する懇談会」提言において、監査法人の組織的な運営のためのプリンシプルを確立するため、「監査法人のガバナンス・コード」について、金融庁のリーダーシップの下、幅広い意見を参考にしながら検討が進められていくべきであるとされた。
このため、コードの策定に向けた検討を進めることを目的として、「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」を設置する。」
上場会社のガバナンス・コードと違って、たかだか10~20の大手・準大手監査法人しか対象にならないのに、大げさな感じがします。金融庁の実績稼ぎにすぎず、作ったからといって、どうなるというわけでもなさそうですが、よほど変なものでなければ害にもならないでしょう。
ただし、金融庁が作るというのが引っかかります。上場会社のガバナンス・コードの場合は、一応、金融庁と東証で作ったわけですから、会計士協会と共同で作ってもおかしくないはずです。
いちいち金融庁の得点稼ぎにつきあわざるを得ず、業界として自律性がないという点にも、会計士資格の人気が高まらない理由の一端があるのでしょう。
メンバーの名簿はこちら。8人中6人が「会計監査の在り方に関する懇談会」からの横滑りです。
↓
「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」(第1回)の開催について(金融庁)
監査法人に外部の目 金融庁、統治指針づくり着手(日経)(記事冒頭のみ)
「金融庁は監査法人が守るべき規範を示すガバナンス・コード(統治指針)づくりに着手する。経営陣に組織管理の徹底を促すほか、外部人材の活用などを求める内容とする。」
「金融庁は15日から有識者による議論を始め、年内をめどに案をまとめる。」
監査法人の統治指針で有識者会議、15日に初会合=金融庁(ロイター)
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