「監査事務所検査結果事例集(令和7事務年度版)」の公表について
金融庁の公認会計士・監査審査会は、「監査事務所検査結果事例集(令和7事務年度版)」を、2025年7月7日に公表しました。
監査事務所の検査で確認された指摘事例等について、年次で取りまとめています(全213ページ)。全71ページの要約版もあります。
審査会検査の「傾向と対策」のためにどうぞ。(今からこれを勉強しても、今年の検査には間に合わないかもしれませんが)
以下のような内容です。
はじめに.
監査事務所の皆様へ
取締役、監査役等、投資者等の皆様へ
Ⅰ.業務管理態勢編(根本原因の究明)
Ⅱ.品質管理態勢編
Ⅲ.個別監査業務編
Ⅳ.その他
改訂ポイントは...
「〔本事務年度版の改訂のポイント〕
▸ 「Ⅰ.業務管理態勢編(根本原因の究明)」では、根本原因究明の重要性に鑑み、近時の検査における根本原因の究明及び根本原因の事例を充実させています。
▸ 「Ⅱ.品質管理態勢編」については、改訂品質管理基準への対応に資するよう、旧基準により指摘した不備事例の根拠規定に新基準を参考情報として併記する等行っています。
▸ 循環取引やセキュリティリスクへの対応が喫緊の課題となっていることを踏まえ、「循環取引及びサイバーセキュリティリスクへの対応」を新たなコラムとして掲載しています。
▸ 「求められる対応」や「留意点」に記載されている内容の理解の補助を目的として、図を充実させています。
▸ 本事例集の「検査結果の概要」や「求められる対応」をまとめた「要約版」については、図表の追加等の見直しを行い、本事例集の概要把握や中小規模監査事務所内の研修資料として活用できるよう改善しています。」
根本原因については、このような図を載せています。
結局、金融庁の考え方では、事務所幹部がたるんでいるのが監査不備の根本原因だということのようです。
監査チームにいる人は、個別監査業務のところ(95ページから)を中心に読むのがよいのでしょう。そのほか、品質管理態勢の監査契約新規締結・更新や監査調書のところも、あわせて読んだ方がよさそうです。