東証1部上場のサクラダが、破産手続き開始決定を受けたという記事。負債総額は約26億9000万円です。
「公共工事の減少などを背景に架橋建設の受注件数が落ち込んだほか、受注競争の激化で収益が悪化。2005年には私的整理ガイドラインに基づく事業再生計画により債務超過を解消したほか、その後も工場売却などで再建に努めたが、受注不振や一部工事の遅れなどで業績が悪化し、11月末を期日とする決済の資金繰りのめどが立たなくなった。」
いきなり破産というのも、上場会社では珍しいのではないでしょうか。
破産手続開始の申立てに関するお知らせ(PDFファイル)
破産手続開始の申立てに関するお知らせ(PDFファイル)(←こちらの方が詳しい。)
橋梁工事 東証1部上場 株式会社サクラダ
破産手続き開始決定受ける 負債26億9000万円(帝国データバンク)
1895年(明治28年)創業、法人になったのも1920年(大正9年)ということですから、歴史のある会社です。
倒産の背景については以下のように書かれています。
「89年の東証1部上場後、ピークとなった92年3月期には年売上高約296億9600万円を計上したが、その後の業績は長期にわたって低迷。この間、91年の広島新交通システムの高架橋設置工事での橋梁落下事故や、98年の経理担当役員による損失額100億円超のデリバティブ取引失敗の発覚など不祥事も重なっていた。このため、金融機関に対し債権放棄を要請する一方で、企業買収や事業再生投資事業に進出。同事業の展開と並行して、当社の資産売却や人員削減、減資ならびに優先株式、新株予約権発行などの再建策が進められ、その後、投資事業から撤退していた。 」
直近の四半期決算(2012年4-9月)をみると、四半期レビュー報告書で、ゴーイングコンサーンに関する強調事項が付いていました。
「継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、当第2四半期累計期間において千葉県の印旛捷水路上部工その4を始めとする地方庁物件で複数件の受注を獲得することができ、更に第3四半期に入り、国土交通省九州地方整備局から大型工事を受注し、受注強化策の効果は引き続き現れてきているが、第1四半期会計期間までの受注不振の影響により完成工事高の減少が続き、当第2四半期累計期間において189,035千円の営業損失及び312,435千円の経常損失を計上したことにより資金調達の困難性も重要な懸案事項となっており、また、事業継続に必要な運転資金及び移転先である千葉県袖ケ浦市の新工場の設備投資資金の調達のため、総額10億円の第三者割当による新株予約権を発行し、平成24年8月27日までに全量が行使されたものの、移転先である袖ケ浦新工場の構築資金の準備には十分ではないこと等から、前事業年度に引き続き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」(一部抜粋)
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